忍者ブログ
小説置き場。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今見返してみたらかなり意味不明… って、どれでもそうか

はぁ、はぁ、はぁ・・・ 息が上がる。後ろを振り返る。バランスを崩して腰を打つ。
化け物。
人間の血でてらてらと濡れたそいつは、べったりと人間の残骸がこべりついた棍棒を振り上げて、

おれを、見た。

死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ殺される殺される殺される殺される
おれを見たそいつはにやりと笑った。 腰を抜かしたおれの手が何かにあたった。
そいつが棍棒を振り下ろした。
おれは何かを掴んで棍棒に当てた。
そいつのつばが落ちてきた。
どろっとして臭い。
つばが落ちたおれの服が、音をたてて溶けた。
泣きたい。
死ぬのは嫌だ、死にたくない、死にたくない・・・

「おい、生き残りがいるぞ!」
「俺が行く! 小僧、動くな!」

血が降ってきた。
青色の気持ち悪い血だった。
そいつは死んだ。おれが生きた。

俺だけが、生きた。

少年はがばりと起きた。
その衝撃で顔に乗せていた本が落ちた。
その本のページが風にぱらぱらと捲れる。
どのページの文字も、少年が読めなかった文字だ。
最後にぱたんと本が閉じて、表紙に木の葉の影の斑模様が映りこむ。
少年は表紙の文字を指でなぞった。
 
「―――召喚能力者及び召喚された物に対する考察」

こんな本を読むんじゃなかった、そう少年は嘆息した。
だからあんな夢を見るんだ――とも。

少年は木の葉を透かして太陽を見た。太陽は寝始めた頃と大して位置は変わっていない。
それでも、そろそろ宮殿に戻るべきかもしれない。
彼女の護衛をサボってから、それなりの時間が経っていた。

少年は木の下から歩き出した。
それを二つの月が見下ろしていた。
 


<ひとまず終わり>レーヴェ国編のシンです。始めのはシンが異世界にやってきたばかりの頃。「何か」の部分がシュティーア家に伝わる守護者にしか抜けない剣。

拍手

PR
この記事にコメントする
NAME
TITLE
MAIL
URL
COMMENT
PASS   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
プロフィール
HN:
天樹 紫苑
性別:
非公開
カウンター







忍者ブログ [PR]

Designed by A.com