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小説置き場。
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■アルヴィンとジュードの本編前の接点
 一つ目は、2部開始直後のアルヴィン加入後に船に乗ってサマンガン海停に着いた後にル・ロンドに引き換えしてジュードの家に行くと見れるサブイベント(ジュード編だけ?)。ここでアルヴィンとディラックが旧知である事が明かされている。そしてうろ覚えだが「(ジュードを)アルクノアから守ってやってるだろ」という趣旨の発言をアルヴィンはしていたはず。これと終盤のサブイベントでディラックがエレンピオス出身である事が確定している。アルヴィンと同じ船に乗っていたんだそうだ。
 ここでエレンピオスでのアルヴィンとディラックの立場を確認すると、アルヴィンはエレンピオスで最も権力のある貴族の当主の息子、ディラックは高度な黒匣を使いこなす著名な医者である。
 となると、可能性は二つあって、一つは二人がエレンピオスにいる時に接点があった場合。アルヴィンの家付きの医者がディラックだったとか、家族の誰かを専門に診ていたとか、そういう可能性。この場合だとディラックはお坊ちゃんだった6歳のアルヴィンを知っている事になる。
 二つ目はたまたま船に乗り合わせただけの場合。ジルニトラに乗っていた乗客は運命共同体になってしまうわけで、こうなると乗客同士である二人が知り合いになる可能性は高い。

 ○ディラックはアルクノアだったのか?
  ・ジルニトラに乗っていた乗客全員がアルクノアに所属したのか
  ・アルクノアにリーゼ・マクシア人は所属しているのか
  ・イスラはアルクノア? それとも協力者? エレンピオス人? リーゼ・マクシア人?

 どちらにせよ、お互いがエレンピオス人であることは知っている二人。ディラックは5年で足を洗ったっぽい発言があったはずなので、それ以前(アルヴィンが11歳まで)に知り合っている可能性は高そうだ。
 だとすると、子供(ジュード)が生まれるという話をディラックがアルヴィンにしていた、というのは大いに有り得る。本編前にアルヴィンがジュードの存在を知っていてもおかしくはないのだ。

 もう一つの接点は、「プレザがタリム医学校に潜り込んでいたときにアルヴィンと同棲していた」というサブイベントでの話。プレザが潜り込んでいた時期にジュードが医学校に所属していたのは確定のようなので、ジュードが医学校に通っている時にアルヴィンはイル・ファンにいたようだ。
 ひょっとするとこれは本編の直前の話なのかもしれない。


■レティシャ
 アルヴィンママ。シャン・ドゥの川横断してワイバーンが居ない方の家に住んでいらっしゃる。
 レティシャさんはどんな人だったのだろう。
 まずは息子のアルフレドに親としての深い愛情を注いでいる。これは正気を失ってからの発言から伺える。そしてたまに正気に返る。
 正気を失った原因は、望郷の念が募りすぎて、とアルヴィンは説明していたはず。あまり精神的に強い人では無かったのだろう。そういうところはアルヴィンに似ているかもしれない。
 異世界という現実を受け入れる柔軟性が無かったとも言える。愛する息子がいるのに現実を否定してしまう辺り、案外息子への愛情は独善的なものだったのかもしれない。当主に嫁いだのだと思うけれど、多分それは貴族階級の政略結婚に近かったんじゃないかなぁ、と。打たれ弱さ的に平民出身ではなさそう。
 異世界に来て早々に正気を失っていった訳ではないはずだ。今まで暮らしていた世界とは全く違う野蛮で恐ろしい異世界でこれから暮らしていかなくてはならないということ、頼りになる夫が早々に他界してしまったこと、最愛の息子ではなく義弟が権力を握っていくこと(ジランドはアルヴィンの父親の弟としている。レティシャが実の妹ならもっと待遇は良かったと思う)。受け入れがたい現実が重なって、彼女の味方は幼い息子しかいなくて、そうして彼女は現実を否定する道を選んだのではなかろうか。それでも、彼女は彼女なりに息子を心の底から愛していたのだ。


■アルヴィンはどんな環境で育ってきたのか
 事故までは貴族の息子として、それはもう真綿に包むように、優しく優しく育てられていたんだと思う。それが事故で父親が死んでからは状況は一変、庇護者がいなくなり叔父が権力を握るようになり、今までとは生活が一変したはず(と言っても平民に比べりゃあ特別待遇受けてたと思うけど。仮にも当主の息子……というか世襲制なら当主?、ジランドが完全に当主になるのはゲーム始まってる頃のはず)。優しく慈しんでくれる存在はもういないのだ(いてもいいとは思うけど、母親しかいないからこその原作アルヴィンだと思う)。
 アルヴィンには母親しかいなかったはずだ。母とふたりぼっちだったはずだ。先述の通りレティシャは精神が強い人とは思えないし、アルヴィンに辛く当たることもあっただろう。父のように母を守れない悔しさを噛み締めていたんじゃないだろうか。己の無力さが嫌で嫌で仕方がなかったんじゃないだろうか。で、擦れはじめる。
 アルクノアの仕組みが余り分かっていないからこの辺はよくわからないけれど、アルヴィンはレティシャは彼女なりに本当にアルヴィンを愛していることは分かっていたと思うし、そんな母をやっぱり愛したはずだ。母をエレンピオスに帰してあげたい。多分その一心で、報いてはくれないであろう母以外の全てを裏切り、ジランドの手先になるという屈辱に甘んじていたのではないかと、そんなことを思う。
 アルヴィンはジュード達と接するときに身分とかそんなことは全く口にしないし意識しているようにも見えないけど(せいぜい身嗜みにこだわる事くらい)、アルクノアでは身分を意識していたと思う。っていうか、せざるをえなかったと思う。アルヴィンが当主の息子であったことを知っているエレンピオス人がアルヴィンに向ける目っていうのは憐憫や落ちぶれた現状に対する嘲りが含まれていると思うんだ。(っていうかだから名前をアルフレドからアルヴィンに変えたのかもなぁ。)逃げ出したかったと思う。それでもアルクノアという環境に身を置いていたのは、母親の件があったからと、意地があったのかなぁ。リーゼ・マクシアを下等だと思っているエレンピオス人達に、エレンピオスに帰る事は崇高な目的だと思っているエレンピオス人達に、逃げ出したと嘲笑される事は許せなかったのかもしれない。笑われるだけの、貴族としてのプライド。それを捨てきれなかったのかもしれない。捨てたら母も捨てる事になる。
 自分の行動理念を「母の為」と他人主体に決めて、自分の気持ちからは逃げつづけていた。その母が死んだと聞いた時、ようやくアルヴィンは本心に気づいて(ジュード達を裏切りたくない)、そしてジランドへの憎しみをあらわにするわけで。プライドを傷付けられた怒りなのかな。この辺はまだ考察が足りない。でもいざ死にかけているところを見ると、急速にその憎しみは萎んでいったのかもしれない。ジランドに囚われていた自分が馬鹿馬鹿しくなったというか。

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