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小説置き場。
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・シチユウ編・ワニノコの話続き。
 言い訳(長い)
 七歳児の口調って何ですか……漢字の基準は一応基準は小学二年生までで習ったような気がする字です。でもシチユウって明らかに現代社会よりも成人するのが早い(私の認識では大学生はまだ子供)から、子供の成長具合もちょっとは早いのかなーとか思うと葛藤。もっと小4くらいでよかったかも。あと、かなへの開き具合が結構適当。「沢」に関してはひらがなにするとわけが分からなくなるので漢字で喋ってもらいました。それと地の文は結構固めのつもり。そうしたらさ、台詞のひらがなとの対比で幼く見えるかなーとか。問題はこのシルバー達と同い年のときにゴールドが町から追われてるのですが……大丈夫かなぁ? ああそれにしても流れが適当すぎる。でも携帯って長文打つのに向いてないんだよ! 見返しがめんどくさいから! シルバーとクリスとワニノコの心の動きをもっと把握するのと、地の文での時間調節が課題。

・アビス会話(ハイト+ラディウス)
 言い訳
 どっちもオリキャラなのにアビスに分類してごめんなさいでもこいつらは私の中ではアビスキャラなんだ……! とりあえずラディウスの口調はこんなのはどうだろうかという実験的な会話。

・シチユウ設定 間引き
 言い訳
 カイトの台詞長い。もうちょっとスマートな説明文が書けるようになりたいです。まぁ、間引きとそれによる背景設定はしっかり説明できたと思うんですけど……長い。読みたがる人がいるかどうか。あとかなりシリアスな設定ではあるなと思いますね。生と死。こういうのを混ぜないと捕食者と獲物の共生に納得がいかない自分が恨めしい。

・おまけ スペ ゴールド+シルバー
 但しこれよくよく考えるとゴールドが手料理をシルバーにご馳走してる構図なんですよね……


 スッ、とシルバーの目が細まる。唐突な変化に驚いたクリスを気にも留めずに、シルバーは彼女の後ろに立った。釣られて振り返ったクリスの目に水色の影が写った。そうだ、にげないと!
「……なぁ」
 襲い掛かろうとした水色、逃げようとしたクリスの両方が固まる。シルバーの剣呑な様子は綺麗さっぱり消えていた。
「このワニノコからにげてこけたのか?」
 この、という代名詞から何を指しているのか検討をつけ、とりあえずクリスは頷く。
「わにの、こ……?」
「こいつの種族名。どんなものでも、名前があればそんなにこわくない」
 シルバーがワニノコと呼んだ水色の前で屈む。おいで、とシルバーが呼ぶとそのワニノコは先程までクリス達を追い掛け回していたのが嘘のように大人しくシルバーの腕に収まった。彼がワニノコを検分する。その間、ワニノコは暴れもしないのを見て怖ず怖ずとクリスは近付いた。だが撫でてみようと手を伸ばすとワニノコは口を大きく開けた。
「きゃっ!」
 びっくりしてクリスは身を引いた。ぽこん、とワニノコの頭にシルバーの拳骨が落ちる。ワニノコの頭と共に上あごも下がって口が閉じられた。不服そうにワニノコが唸る。クリスはいつシルバーが噛み付かれるかはらはらしたが、シルバーは平然とうるさい、と文句を言っていた。全身を隈なく見て、ワニノコを解放する。
「それで、おまえたちはこいつに何をしたんだ?」
「ちょっと、石をなげたり、とか……」
 目線だけで呆れた、とシルバーが言う。慌ててクリスは弁解した。
「わ、わたしはやめよう、って言ったよ?!」
「止められなかったら意味がない。こけるくらいですんでよかったな。気の短いやつなら大けがだぞ」
 じぃ、とワニノコがシルバーを見上げている。シルバーがしっしっ、と手を振るとワニノコはとてとてと歩いていった。
「かえろう。歩けるか?」
「う、ん……だいじょうぶ。……あれ?」
 妙な光景を見てクリスは声をあげた。
「どうした?」
「あのワニノコ、もどってきてる」
「はぁ?」
 二人の前まで来たワニノコはそのまま通り過ぎ、しばらくして頭をきょろきょろ。それからまた戻ってきて、を繰り返す。
「どうしたのかな?」
「……まさか」
 何度目かに戻ってきたワニノコをシルバーが摘み上げる。
「かえる方向がわからなくなった?」
 そうだ、と言わんばかりにワニノコが手足をばたつかせる。
「おまえ、ポケモンだろう……」
 呆れながらシルバーはワニノコを地面に下ろし、軽く辺りを見回す。クリスにはどの方角も同じように見えたのだが、シルバーには違って見えたらしい。
「おれはこいつを沢にかえす。おまえは先に村にかえれ」
「えぇ!? あぶないよ、シルバー」
「おれはあぶなくない。おまえは早くかえって、村のみんなを安心させた方がいい。おまえをさがしにみんなが森に入ったら、それこそあぶない」
「そ、そうだけど……わたし、一人でかえれるかなぁ……」
 そっちか、と言わんばかりにシルバーが息を吐く。少し視線をさ迷わせた後、スタスタと歩いて赤い木の実をもぎ取ると、シルバーはピィーー、と指笛を鳴らした。森の中の空気がそれだけで引き締まる。程なくして、バサッ、という羽音と共に真っ黒な鳥がシルバーの腕に止まった。その鳥にシルバーがもぎ取った木の実を差し出す。それから小声で鳥に囁いていた。凄い、と純粋にクリスは思った。普通だったら逃げ出すようなポケモンと対等にやっているのだ。シルバーなら何でもできるんじゃないか。そんな事も思っていると、シルバーにおい、と呼びかけられる。
「こいつはヤミカラス。村までおまえをつれて行くようにたのんだから、ついていってかえるんだ」
 おれはこいつをおくるから、とシルバーが足に引っ付いているワニノコを指差すと、腕に止まっていたヤミカラスがバサッ、バサッと羽ばたいて少し遠くの木に止まる。それからクリスの方を向いて、促すように二度鳴いた。
「ま、まって!」
 クリスが走りだそうとして、痛みに足を止めた。それから早歩きに切り替えると、ぎこちなくも歩き始めた。なんとか無事に村には辿り着けそうな様子を見て、シルバーは反対方向に歩き出した。少しして、シルバー! と名を呼ぶ声がした。
「どうもありがとー!」
 振り返るとヤミカラスに追い付いたクリスがシルバーに手を振っている。それにシルバーは手だけを振り返すと、また沢に向かって歩きだした。その表情が、普段よりほんの少しだけ緩んでいた。


*****


「待て待て待て! お前一人でマルクトに行ってどうするんだよ? 町から出れば何があったっておかしくはないんだぞ?」
「だったら尚更、早く僕が迎えに行くしかないじゃない」
「あいつだって馬鹿じゃない、ちゃんとここに帰ってくるさ。その時にお前が迎えてやらなくてどうする? 入れ違いになったらどうするんだ?」
「まともな荷物一つも持たずにマルクトに吹っ飛んで、そう簡単にここに帰ってこれるとは思えないよ。大体、ここの事をわかっているか……」
「え?」
「いや、何でもない。ともかく僕は行くよ、ラディウス」
「……わかった、わかったよハイト。だけどまずは落ち着け。一刻も早く出発したいのは分かるが、急がば回れ。まずはちゃんと用意してからだ。とりあえず往復の定期船代と、向こうでの馬車代それに宿賃は確保しろよ。護衛なら俺のところの従者を貸してやるから、絶対に一人で行くな。危険すぎる」

*****

「間引きって言うのはね」
 『ひみつのちから』で確保した寝床(本日は岩窪だ)に寝袋を引きながらカイトが口を開く。今日は西向だから沈みかけの太陽が寝床に入って来て眩しい。まだ明るいのに寝る用意とは変な感じだが、日が沈むと本当に真っ暗になって何も見えないのだから仕方がない。明かりでも付ければいいじゃないかと思うかもしれないが、日が沈んでしまうと明かりをつけるのは危険なんだそうだ。この地方のポケモンは極端に人工物を嫌う。カイトが生まれる以前までポケモンと人間が戦争をしていたからだ、とカイトから聞いたのはナナシを出て初めての夜だった。それから毎日、寝る用意をする時間にはカイトのシチユウ地方講座が開かれている。
「ポケモンと人間の、バランスをとる為の殺しあいの事かな」
「? よくわかんないんだけど」
「うん。以前にも言った通り、シチユウには昔、僕が生まれるもっと前には高度な科学技術が存在していた。それは今までに遺跡なんかを見て来たから知ってるよね」
「あぁ。すっごいハイテクなのに自然に呑まれているのが印象深かったな」
「そう、そういう科学技術が長い間自然を疲弊させて来たんだ。シチユウの土地は痩せている。養えるポケモンや人間の数が少ないんだ。だから、増えすぎたら自然と数合わせが行われる。生き物が自然と頭数を減らそうとする。だけど野生生物に自殺なんて概念は無い。だから、互いに殺しあう。それが、僕たちが間引きと呼んでいる現象の正体だ」
「それじゃあ、殺しあいは自然の摂理で仕方がないと?」
「そう、僕達は受け止めている。弱者は死に、強い者が生き残る。それがこの地方のルール。生きる為には強くなくちゃいけない」
「……」
「昔のシチユウはね、西よりも東の方が栄えていたんだって。今では信じられない話だけどね。だから戦争は東から始まった。そして人々は東の都市を捨ててどんどん西に流れ込んだ。戦場もそれを追って、西に。そういう経過があって、東は人間が放棄したのが早いから西に比べると地力が強い。更に人口密度も低いから、東じゃあ間引きはあまり発生しない。起きてもポケモン同士で殺しあう事が多い。西は正反対だ。人々は都市に密集しているから間引きの時期はポケモン達が大挙して襲ってくる。そしてそれから人間を守るため、召喚士の需要が生まれる」
「てことは、西じゃあ召喚士の迫害は無いのか?」
「都市ではまず無いね。住人の命を握ってるようなものだから。毎年一つは間引きで都市が潰れるんだ。酷い時には二つとか三つとかの年もある。都市を守る召喚士が全滅したら住んでる人はほぼ全滅。都市に侵入を許して死者多数、と言うのもよくある。ポケモンだけが死ぬわけじゃあ無いんだよ。そしてこれが人口調整の役割を果たしている事も皆理解してる。毎年都市一つ分くらいの人間がいなくならないとシチユウの食べ物が足りなくなるくらい、土地は痩せてるんだ。召喚士としては悩みどころなんだよね。西で普通の人と混ざりながら年に一回命の危険に曝されるか、東で人に石を投げられながらひっそりと暮らすか。命には代えられないと言う人もいれば、こんな酷い迫害を受けるくらいなら年一回なんてどうって事もないと言う人もいる。ジスト、君はどう思う?」
「東。死ぬとか殺すとか、そんなこととは関わりたくない。それにナナシは普通だったじゃないか」
「あれは僕があそこの育ちだからね。まぁ、一度受け入れてしまえば東の村は結構寛容なところもあるんだけど。
 さて、残念だけどこれから向かうのは西の方角だ。なるべく間引きは避けるようにするけど、シチユウを横断する以上ある程度は覚悟してもらわないとね」
「う、ん……頑張るよ」

*****


「ゴールド!」

「な、何だよシルバー」

「卵焼きに砂糖なんか入れるんじゃないッ!」

「お前甘党じゃなかったのかよ」

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