小説置き場。
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卵の尖っていない方を切り落としたような流線型の本体は下側のみが半透明の黄緑色で、残りの色は白だ。それの片側が円筒状にくりぬかれていて、そこに輸入物のミネラルウォーターのペットボトルが逆さまになってささっている。青地に白色の文字と果物が描かれたラベルから中に入っている水が透けて見える。本体の後ろからは白いコードが延びていて、先端のプラグが黒板の下の足元の縦に二つ並んだコンセントの下側に繋がっている。静まり返った教室の中で、教団の上のそれが鳴らすグツグツという低い稼動音は殊更良く響いた。ペットボトルの中の水面は微かに振動している。時折ペットボトルの下方から大きな気泡が空目掛けて走り抜けた。本体のペットボトルの隣の部分の上部に細長く開いた穴から、微かに煙が立ち上る。
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天樹 紫苑
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