小説置き場。
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もはやお馴染みとなりつつある竜と雪のコンビ。
こいつら凄く書きやすいんだわ…。内容はタイトルの通り。
ちなみに二人をフルネームで言うと「師走 竜二郎」と「霜月 雪花」になります。(設定大好き人間
こいつら凄く書きやすいんだわ…。内容はタイトルの通り。
ちなみに二人をフルネームで言うと「師走 竜二郎」と「霜月 雪花」になります。(設定大好き人間
いしやーきーいもー やきたてー
独特の節に合わせた歌が近づくにつれて、焼芋機が発するポーという哀愁漂う音も近づいてくる。角を曲がったところで前方に焼芋屋のトラックが見え、歩いていた二人の少年の内の体格の大きな方が走り寄っていった。
「おっちゃん、一本くれ!」
「あいよ」
百円玉三枚と引き換えに手に入れた焼芋を持って、買った少年は後ろの線の細い少年ににっこりと笑った。駆け戻って来ながら芋を半分に割り、片方を差し出す。
「こっち食べな、雪」
雪と呼ばれた線の細い、どこか儚げも感じさせる少年はそれをじっと見て、差し出した少年を見上げる。
「遠慮なんかすんなって。ほら、食え」
雪は躊躇いがちに頷いて、焼芋に齧りついた。
「熱っ」
「そりゃ焼芋だしな」
「一言言ってくれればいいのに」
「悪い悪い」
二人は話しながら街頭の中に消えていった。
* * * * * *
「凄いにおいだな、竜」
「だな。昔はこれを純粋にいいにおいだと言ったもんだ」
かなり華奢で儚げな雰囲気を持つ少年と、それとは対極的な体格の大きな、乱雑そうな少年が歩いていた。二人が歩く道の脇には樹木が点々と植えられており、それに小さな橙色の花が数箇所に分かれて固まって咲いていた。
「これ何ていう木だったっけ、雪」
「金木犀」
「そうそれ」
竜、と呼ばれた少年は鼻をひくひくと動かして言った。
「確かにいい匂いだけど、どうも匂いがキツ過ぎるよな」
* * * * * *
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