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小説置き場。
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勢いで書いてみた。何が書きたいんだろうウチ。
頭にひらめく光景まで話をもっていくのが大変だなぁ。



「ばか!」
「んだよ、お前の相手をしてる余裕なんかないんだよ!」
 そう言った瞬間、しまった、と思った。本気で言っているわけじゃあなかった。ただの、八つ当たりだ。あいつは顔を僅かに歪めた。普通に見たら何も変わっていないのだろう。それでも俺には、確かにわかった。そのくらいは一緒にいたつもりだった。だけどもその場の勢い、というものがあって、意味もない意地を張ってしまった俺には部屋を出て行くあいつを止めることなどできやしなかった。いや、むしろさっさとどっかに行けよくらいには思っていた。別にあいつは悪くないというのに、無性に腹が立って仕方がないのだ。そしてそんな自分に対する苛立ちも混じって、何もかもが嫌になってきた。でも試験には合格しなければならない。一刻も早く通らなければあいつを守りきれなくなる。それだけは、絶対に絶対にいけない。
 ――勉強しないと。
 結局のところ、その言葉に追い立てられてギリギリまで追い詰められた俺は必死で、他のことなどろくにに考えられなかった。

 深夜。
 眠気に勝てなくなってきた俺はカフェインの力を借りようとキッチンに行った。当然ながらあいつは寝ている。ふとカウンターの上を見ると、冷め切った紅茶が一杯置いてあった。それをレンジで温めなおして、口に含む。
「……甘い」
 砂糖水のようだった。あいつが甘いものが大好きだったのを思い出し、紅茶を飲むときはやたらと砂糖を入れていたことを思い出した。
 あいつは、何を思ってこれを淹れたのだろう。
「いつもごめんな、――」
 目を瞑って、ゆっくりと息を吐いた。
 まだ、頑張れる。

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