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小説置き場。
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ディアルガを信ずる人々と、パルキアを信ずる人々の話。
神話をベースにした創作ってよくあるじゃないですか。あれをポケモンの世界観でしてみたらどうなるかなぁ、と。



 名も無きこの世界には、時間を司るディアルガを信仰する時の民と、空間を司るパルキアを信仰する空の民が住んでいた―――

「わかってる。空の民には決して近づくな、でしょう?」
「かの者どもは邪悪神、パルキアを信ずる危険な民じゃ。まかり間違っても言葉を交わすようなことがないようにな。神聖なる我らが時神様の御加護を穢さぬようにするのじゃぞ」
「はいはい、っと。それじゃあ行ってくるね、お祖母ちゃん」

「わかっておろうな!」
「わかってるって。時の連中と関わりを持つな、だろう?」
「お前には空神様へ尊敬の心が足りん。一族の恥さらしにならぬように行いには気をつけることだ」

 二つの民族は決して交わることはなく、それはこれからも永遠に続いていくものだと思われた―――

「神羅様。どちらへ行かれるのですか」
「神威のところ」
「…また、争うのですか」
「嫌そうだな、お前は」
「戦では徒に民が死ぬだけです。何の罪もない民が」
「心配するな。…これが最後だ」
「神羅様、それはどういうことですか」
「俺は神じゃない。勝手に民が俺を崇め奉っただけ。…もう、下らない神様ごっこは終わりだ」
 
「そろそろ時間ですね」
「行くのか?」
「ええ。あなたは止めないのですね」
「止めてほしかったか?」
「いいえ。どうせ聞かないでしょうから」
「神威」
「あなたに会うのはこれが最後になりそうです。…空の民を、頼みましたよ」
「…そんなこと言うなら行くんじゃねぇよ」
「それもそうですね。それでは、
 『さようなら。精々頑張ってくださいね』」
「こんの、性悪神が…さっさと行けよ、お前の望むところに」

 だがそれは、唐突に終わりを告げる。

「時神様がいなくなった!?」
「パルキアもいなくなったらしい」
「だったら、いつもどおり遠くで争ってるだけなんじゃあ…」

「お前、何をしたんじゃ!」
「俺はなーんにもしてない。神威が、勝手に俺達を見捨てただけ」
「そんなことが起こるわけがなかろう!神威様に何をした!」
「…神威を勝手に神に仕立て上げたのは俺達だ。それにあいつは態々付き合ってくれていたんだよ、今まで。
 もうこんなことやめにしよう? もう俺達は、自分の足で立って歩けるはずなんだから」

 今、ディアルガとパルキアがいたその地は、『シンオウ』と呼ばれている―――

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