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小説置き場。
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シンが中心。



「リナリス!」
「あ、シン!探してたんだ」
「…賊か」
「……うん」
「っ、神子はどこに!?護衛はいたのか!?」
「ユーリ様は教会の礼拝堂だよ。
 護衛はナオがいたからまだもっているはず。でも、急いで」
「わかった」
 シン、転移能力で教会に転移

「うわっ!」「なんだ!」
「ナオ、どこだ!」
『やっと来よったわ…上階のステンドグラスの前や。はよう来い!』
「賊は蹴散らせばいいんだな?」
『大事な国民やから出来る限り殺すなゆーんが王の指示や。行動不能程度にしときや』
「了解」
 どんどん賊を蹴散らすシン
 ステンドグラスの近くまでやってくる

「っ。やってくれるな、この賊…」
「大丈夫ですかっ、ナオさん!」
「へーきやへーき。ユーリ様はじっとしといてーな」
 裕理の周りには賊がたくさん
 ナオの結界が切れ掛かった頃に賊の一人が裕理に切りかかろうと…
「っ、裕理!」
「わっ、シンさん!」
 シンが転移でその刃を受け止め、弾きかえす
 ナオの結界が復活
「流石やのぅ、シン」
「茶化す前にお前の魔法で何とかしろっ!」
「何や、わしがユーリ様に結界張ったっとるからユーリ様の御身に御怪我がないんやろうが。もっと感謝せい」
「……尊大な奴め」
「大体結界を張っとる状態で手加減なんか出来へんわ。
 ほら、はようやっつけんかい」
「………」
 シンが黙々と賊を倒す

 最後の一人を倒してほっとひと息
「ふー。おつかれさん、ユーリ様」
「怪我は?」
「あ、無い…です」
「不安だな。ナオ、ヴェントの奴はどこに?」
「邪魔やから城ん中に送ってしもうたわ。呼んできてーや」
「全く…」
 シン、再び転移で消える

「あの…」
「ん? どうしたんや、ユーリ様」
「シンさん、今、消えたのは…」
「あー、おまいさん知らんかったんやな。
 シンは『転移能力』を持っとるんや。知らんかったんか?」
「は、はい…」
「む。なんかよーわからんって思うとるな」
「そ、そんなことないですよ…?」
「せやったら疑問形にしなさんな。
 ユーリ様は異世界から来なさった方や。
 こっちのことが何もわからんことは皆ようわかっとるんやで?」
「…私、は…。…そもそも異世界ってことが未だに信じられないんです」
「異世界から喚ばれてしもうたもんは皆そうや。心配せんでええ」
「そう、ですか…」

 シンがヴェントを連れて帰ってくる。少し疲れたような顔。
「ユーリ!
 大丈夫だった?怪我は?」
「大丈夫よ、ヴェント。
 それよりもナオさんが怪我したみたいだから、そっちを診てあげて」
「ナオは放っといても大丈夫だよ」
「なんや小僧。えらい酷い言い方やないか」
「どうせ怪我したとか言っても、魔法で衝撃を吸収してるから大したことにはなってないんだろ?」
「…もしかしてワレ、わしに追い出されたんを根に持っとるんちゃうやろな…」
「ばっ、そんなわけないだろう!?」
「なんや、図星か」
「―――っ、違う!」

「裕理」
「へっ、あ、はい」
「体調は問題ないか?」
「特に何も無いです。
 シンさんは? どこか怪我でも…」
「平気だ。
 ……俺が悪かった。本来ならばこのような事態を防ぐのが護衛の仕事なのだが…」
「そんな、私はこの通りピンピンしてますし、シンさんはちゃんと私を守ってくれたじゃあないですか」
「…裕理」
「はい?」
「……いや、なんでもない。
 念のため宮殿に戻ろう」
「なんだ、ユーリもう帰っちゃうのか?」
「皆まだちょっとドタバタしてるみたいだし、私なんて立ってるだけで何にも出来ないからね。
 また明日、遊ぼうね、ヴェント」
「…うん」
「なーにしけた顔してるんや、坊主。
 ワレは教会に出た損害をキッチリまとめて報告せなあかんのやぞ、司祭さん?」
「げーっ。あれめんどくさいんだよなぁ…。ナオ、手伝ってよ」
「嫌や。これも立派な守護者の仕事やと思うてやるんやな。
 ほな、わしは帰るさかい、気ぃ付けーや、お二人さん」
「はい、今日はありがとうございました」
「ああ」
「ちぇー、ナオの意地悪…」
 ナオ、転移魔法で消える
「じゃあ、俺たちも戻るぞ」
「はい。ばいばい、ヴェント」
「ばいばーい。…ちぇー」
 シンと裕理、教会を去る

 シンと裕理、歩いて移動
「ヴェント、大丈夫かなぁ」
「なんだかんだ言ってあいつは要領がいいからな。一人でも手際よく片付けてるだろう」
「ふふ。よく知ってるんですね、ヴェントのこと」
「ここの連中で一番付き合いが長いからな。それでも他の奴らと大して変わらんが」
「へぇ…」
 裕理の部屋に着く。
「今日のところ、やるべきことは残っていないな。
 どうする? もう休むか? まだどこかへ行くか?」

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