小説置き場。
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「うわ、凄い人……ねぇねぇ、」
「? なんスか?」
「もしかして、間引き?」
「そうなんっスよ。対象がかなりでかい町らしくて、間引きの範囲が広いのなんのって。迂回しようにも南の方の間引きも重なってるもんだからできないんスよ」
「ふーん、そっか……」
「兄さんは向こうに用事で?」
「そうなんだよねぇ。できれば早く行きたいんだけど。そっちは?」
「こっちも同じっス。向こうの町まで行きたいんすけど、手が足りなくて」
「へぇ……何人?」
「俺も合わせて三人っス。兄さんの方は?」
「二人と足手まといが一人、かな。ちょっと相手してくれる?」
「喜んで。俺はゴールドって言うんスけど、兄さんは?」
「カイトだよ。それじゃあ、場所を変えようか」
*
「ふぅ……兄さんお強いっスね」
「こっちも十分危なかったよ。他の子も君くらい強いのかな?」
「俺の命を預けられる存在っス」
「って事は中衛さんとか後衛さんかな。さてゴールド、チームを組んで一緒に間引きの中を突っ切らない?」
「俺達もそう言ってくれる人を探してたんスよ。一度全員集めてみませんか?」
「そうだね、それがいい」
*
「シルバー……“氷遣い”の?」
「そう呼ぶやつもいるらしいな」
「……何だ、それ?」
「僕らが知ってる限りの最年少発現者の二つ名だよ。憑依が得意で氷を自在に操る、という事になってる。噂が本当なら僕よりも先輩なはずだよ」
「結局は凄い人って事か」
「……そうだね、僕らと同じ召喚士だ」
「んじゃ、そっちの紹介を頼む」
「うん、僕はカイト。で、このおっきいのが相棒のサン」
「どーも、おっきい奴だ」
「こっちのちっさいのがジスト」
「……ちっさくて悪かったなこれから伸びるんだ!」
「ジストは戦力にならないから、それも考慮してほしい」
「そこまできっぱり言わなくてもさー」
「こういう時に曖昧に言うと後で痛い目を見るんだよ。それとも戦えるって?」
「いーえ全然」
「なら文句言わない」
「……その三人ではどれくらいやってきたんだ?」
「ナナシからここまで、かな」
「距離としては十分だな」
*
「あの、さ。サン」
「どうしたんだよ?」
「何でわざわざチームを組むの?」
「敵が多すぎるからだな」
「じゃあ何で他の人達はチームを組んで向こうに行かないの?」
「チームを組んでも、その中での連携が上手くいかなかったら意味が無いからだな」
「俺達は上手くいくの?」
「それは俺達次第だな」
*
「戦力確認。まず、憑依は? 基礎能力と特殊能力のどっちを重視してる?」
「俺は基礎重視の電気。一応雷は落とせるが、脅しくらいにしかならないな」
「俺は特殊能力特化だ」
「まぁシルバーは三匹憑依だから基礎も十分上がってるぜ」
「三匹……凄い。僕とサンは基礎重視で、サンは悪が少し使える。クリスは?」
「あいつは憑依は使わねーな。得物が弓だから、今回は戦況把握と後方支援に徹して貰うと思う」
「わかった。三人の普段の役割分担は?」
「俺はずっと前」
「後寄りの中衛、クリスが後だな」
「ポケモンはどれくらい使う?」
「俺は使わん」
「俺はエイパムとマグマラシが多いな。クリスは弓の時はネイティオを足場にするくらいで、弓を使わない時はベイリーフも同時に使うな。カイトは?」
「僕は憑依してない子の指揮はジストにお願いしてるから、実質使わないみたいなものかな。サンは使わないよ」
「だが、今回は移動用以外は出さない方がいいだろうな」
「そうだね。敵か味方かわからなくなりそうだ」
*
〇ジョウト組 学パロ
「クリス!」
「何よ、ゴールド」
「お前、スカートの下に体操服ズボンは反則だろ! 男のロマンを何だと思ってやがる!」
「……あんたがスカートの中を覗かなかったらいいだけの話でしょうが!」
「ぶへっ! ……ついでにその脚力も反則だろ……」
「って事があったんだよ」
「確かに反則だな」
「だろ? お前ならわかってくれると思ってたぜシルバー!」
「……いや、脚力の方が」
「…………」
クリスならスカート下に体操服着てくれると信じてる! ブルー姉さんは着ない、サファイアは気にしない(そしてルビーに怒られる)、お嬢は金持ちってよくわからない。イエロー? 彼女は未知の世界(=誰も知らない)かなぁ。
スカートの丈はブルーはかなり短め(でも冬は長くすればいい(関西人万歳)、クリスは校則守って年中膝丈だといいよ(それでどうしてゴールドがスカートの中身を知ったのかは疑問だが)。で、私服の時は短めだったり。
*
****
ねぇゴールド。
なんだよ?
まちのそとにみずうみがあるでしょ?
おー、あるな。
そのほとりにね、すごくきれいなはながさいてるんだって。
花ぁ? それがどうしたんだよ、ルビー?
ゴールドはみにいきたくないの?
えぇ? おれはべつに……
なーんだ。つまんないの。
花なんかよりもチャンバラしようぜ! ほら、来いよ!
チャンバラじゃなくてけんどーだよ。というか、またグリ兄にまけたの?
っ、うっせーな! いいからやるぞ!
*
ああ夢だ、とゴールドは思う。それもとびきり悪い夢。なぜなら、あの最悪の日の終わりまでこの夢は終わらないのだから。
*
太陽が森に乗り移ったようだっだ。辺りは夜とは思えないほどに明るくて、辺りは夜とは思えないほどに騒がしい。ヨルノズクの群れが逃げ惑って宙を舞うその下で、町の男達が湖から水を汲み上げている。そして、そこから少し離れたところを走る二つの子供の影があった。
二人のうちの長身の方がもう片方の手を引いて夜の闇の中に逃げこむ。しばらくして二人が足を止めると、息を整える間もなく長身の方がもう片方の肩に掴みかかった。
「何があったんだ、ゴールド!」
「わっかんねぇよ!」
グリーンに肩を掴まれたゴールドが反駁する。正面の兄の顔をキッと睨み据えて肩に置かれた手を振り払った。低い森の悲鳴の中に息の上がったグリーンとゴールドの呼吸音が混ざる。
ふぅ、とグリーンが大きく息を吐いた。珍しく声を荒らげていたグリーンの瞳にいつもの冷静な色が宿る。
「……悪い。ゴールド、何が起きたのか話してくれないか」
グリーンに真っ直ぐに見つめられて、ゴールドにも徐々に落ち着きが戻ってくる。熱気に当てられた思考も、湖からの湿気を帯びた風で冷まされて元に戻りつつあった。ぽつぽつと、ゴールドは話し出した。
*
ゴールドとルビーが喧嘩して、ついゴールドの手が出過ぎる事はよくあった。それくらいルビーは強かった。それでも今回は意識まで飛ばしてしまって、流石にゴールドも反省していたのだ。
だから、湖の花を摘んできてやろうと思った。
「湖の花?」
「ルビーが話してたんだよ。湖のほとりにきれいな花がさいてるらしいからそれを見に行きたいって」
行ったはいいものの話の花は見つからなくて、日が暮れかけた時には諦めて帰ろうとした。
「そしたら、おれ、見たんだよ」
「……」
「町のやつが、ちっさいポケモンをいじめてたんだ」
酷い怪我だった。本当に死んでしまいそうなほどに。思わずゴールドが止めに入ると、そいつらはゴールドも標的にしだした。
「そんな顔すんなよ。全員兄貴よりもたいしたことなかったし。人数多かったのはたいへんだったけど」
そして、それは起こった。
「急にポケモンが燃えだしたんだ。そんでそのままあいつらにつっこんで、あばれて、それで森に火がうつった。びっくりしてたらうしろからガツンとやられて、気が付いたら周りは完全に燃えていて、……そーいやー兄貴どうやってあの中に入って来たんだ?」
「少し、な。……それじゃあゴールド、お前は何もしてないんだな?」
「してねぇよ。あんまりにもタイミングよく燃えるからおれもおどろいたけどさ」
「そう、か……。そのポケモンは?」
「さぁ? 気が付いたときにはいなかった」
*
「? なんスか?」
「もしかして、間引き?」
「そうなんっスよ。対象がかなりでかい町らしくて、間引きの範囲が広いのなんのって。迂回しようにも南の方の間引きも重なってるもんだからできないんスよ」
「ふーん、そっか……」
「兄さんは向こうに用事で?」
「そうなんだよねぇ。できれば早く行きたいんだけど。そっちは?」
「こっちも同じっス。向こうの町まで行きたいんすけど、手が足りなくて」
「へぇ……何人?」
「俺も合わせて三人っス。兄さんの方は?」
「二人と足手まといが一人、かな。ちょっと相手してくれる?」
「喜んで。俺はゴールドって言うんスけど、兄さんは?」
「カイトだよ。それじゃあ、場所を変えようか」
*
「ふぅ……兄さんお強いっスね」
「こっちも十分危なかったよ。他の子も君くらい強いのかな?」
「俺の命を預けられる存在っス」
「って事は中衛さんとか後衛さんかな。さてゴールド、チームを組んで一緒に間引きの中を突っ切らない?」
「俺達もそう言ってくれる人を探してたんスよ。一度全員集めてみませんか?」
「そうだね、それがいい」
*
「シルバー……“氷遣い”の?」
「そう呼ぶやつもいるらしいな」
「……何だ、それ?」
「僕らが知ってる限りの最年少発現者の二つ名だよ。憑依が得意で氷を自在に操る、という事になってる。噂が本当なら僕よりも先輩なはずだよ」
「結局は凄い人って事か」
「……そうだね、僕らと同じ召喚士だ」
「んじゃ、そっちの紹介を頼む」
「うん、僕はカイト。で、このおっきいのが相棒のサン」
「どーも、おっきい奴だ」
「こっちのちっさいのがジスト」
「……ちっさくて悪かったなこれから伸びるんだ!」
「ジストは戦力にならないから、それも考慮してほしい」
「そこまできっぱり言わなくてもさー」
「こういう時に曖昧に言うと後で痛い目を見るんだよ。それとも戦えるって?」
「いーえ全然」
「なら文句言わない」
「……その三人ではどれくらいやってきたんだ?」
「ナナシからここまで、かな」
「距離としては十分だな」
*
「あの、さ。サン」
「どうしたんだよ?」
「何でわざわざチームを組むの?」
「敵が多すぎるからだな」
「じゃあ何で他の人達はチームを組んで向こうに行かないの?」
「チームを組んでも、その中での連携が上手くいかなかったら意味が無いからだな」
「俺達は上手くいくの?」
「それは俺達次第だな」
*
「戦力確認。まず、憑依は? 基礎能力と特殊能力のどっちを重視してる?」
「俺は基礎重視の電気。一応雷は落とせるが、脅しくらいにしかならないな」
「俺は特殊能力特化だ」
「まぁシルバーは三匹憑依だから基礎も十分上がってるぜ」
「三匹……凄い。僕とサンは基礎重視で、サンは悪が少し使える。クリスは?」
「あいつは憑依は使わねーな。得物が弓だから、今回は戦況把握と後方支援に徹して貰うと思う」
「わかった。三人の普段の役割分担は?」
「俺はずっと前」
「後寄りの中衛、クリスが後だな」
「ポケモンはどれくらい使う?」
「俺は使わん」
「俺はエイパムとマグマラシが多いな。クリスは弓の時はネイティオを足場にするくらいで、弓を使わない時はベイリーフも同時に使うな。カイトは?」
「僕は憑依してない子の指揮はジストにお願いしてるから、実質使わないみたいなものかな。サンは使わないよ」
「だが、今回は移動用以外は出さない方がいいだろうな」
「そうだね。敵か味方かわからなくなりそうだ」
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〇ジョウト組 学パロ
「クリス!」
「何よ、ゴールド」
「お前、スカートの下に体操服ズボンは反則だろ! 男のロマンを何だと思ってやがる!」
「……あんたがスカートの中を覗かなかったらいいだけの話でしょうが!」
「ぶへっ! ……ついでにその脚力も反則だろ……」
「って事があったんだよ」
「確かに反則だな」
「だろ? お前ならわかってくれると思ってたぜシルバー!」
「……いや、脚力の方が」
「…………」
クリスならスカート下に体操服着てくれると信じてる! ブルー姉さんは着ない、サファイアは気にしない(そしてルビーに怒られる)、お嬢は金持ちってよくわからない。イエロー? 彼女は未知の世界(=誰も知らない)かなぁ。
スカートの丈はブルーはかなり短め(でも冬は長くすればいい(関西人万歳)、クリスは校則守って年中膝丈だといいよ(それでどうしてゴールドがスカートの中身を知ったのかは疑問だが)。で、私服の時は短めだったり。
*
****
ねぇゴールド。
なんだよ?
まちのそとにみずうみがあるでしょ?
おー、あるな。
そのほとりにね、すごくきれいなはながさいてるんだって。
花ぁ? それがどうしたんだよ、ルビー?
ゴールドはみにいきたくないの?
えぇ? おれはべつに……
なーんだ。つまんないの。
花なんかよりもチャンバラしようぜ! ほら、来いよ!
チャンバラじゃなくてけんどーだよ。というか、またグリ兄にまけたの?
っ、うっせーな! いいからやるぞ!
*
ああ夢だ、とゴールドは思う。それもとびきり悪い夢。なぜなら、あの最悪の日の終わりまでこの夢は終わらないのだから。
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太陽が森に乗り移ったようだっだ。辺りは夜とは思えないほどに明るくて、辺りは夜とは思えないほどに騒がしい。ヨルノズクの群れが逃げ惑って宙を舞うその下で、町の男達が湖から水を汲み上げている。そして、そこから少し離れたところを走る二つの子供の影があった。
二人のうちの長身の方がもう片方の手を引いて夜の闇の中に逃げこむ。しばらくして二人が足を止めると、息を整える間もなく長身の方がもう片方の肩に掴みかかった。
「何があったんだ、ゴールド!」
「わっかんねぇよ!」
グリーンに肩を掴まれたゴールドが反駁する。正面の兄の顔をキッと睨み据えて肩に置かれた手を振り払った。低い森の悲鳴の中に息の上がったグリーンとゴールドの呼吸音が混ざる。
ふぅ、とグリーンが大きく息を吐いた。珍しく声を荒らげていたグリーンの瞳にいつもの冷静な色が宿る。
「……悪い。ゴールド、何が起きたのか話してくれないか」
グリーンに真っ直ぐに見つめられて、ゴールドにも徐々に落ち着きが戻ってくる。熱気に当てられた思考も、湖からの湿気を帯びた風で冷まされて元に戻りつつあった。ぽつぽつと、ゴールドは話し出した。
*
ゴールドとルビーが喧嘩して、ついゴールドの手が出過ぎる事はよくあった。それくらいルビーは強かった。それでも今回は意識まで飛ばしてしまって、流石にゴールドも反省していたのだ。
だから、湖の花を摘んできてやろうと思った。
「湖の花?」
「ルビーが話してたんだよ。湖のほとりにきれいな花がさいてるらしいからそれを見に行きたいって」
行ったはいいものの話の花は見つからなくて、日が暮れかけた時には諦めて帰ろうとした。
「そしたら、おれ、見たんだよ」
「……」
「町のやつが、ちっさいポケモンをいじめてたんだ」
酷い怪我だった。本当に死んでしまいそうなほどに。思わずゴールドが止めに入ると、そいつらはゴールドも標的にしだした。
「そんな顔すんなよ。全員兄貴よりもたいしたことなかったし。人数多かったのはたいへんだったけど」
そして、それは起こった。
「急にポケモンが燃えだしたんだ。そんでそのままあいつらにつっこんで、あばれて、それで森に火がうつった。びっくりしてたらうしろからガツンとやられて、気が付いたら周りは完全に燃えていて、……そーいやー兄貴どうやってあの中に入って来たんだ?」
「少し、な。……それじゃあゴールド、お前は何もしてないんだな?」
「してねぇよ。あんまりにもタイミングよく燃えるからおれもおどろいたけどさ」
「そう、か……。そのポケモンは?」
「さぁ? 気が付いたときにはいなかった」
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