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小説置き場。
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緑と紅がメイン。チラッと藍と金。

皆ニセモノすぎてどうしようかと思うくらいにニセモノです。特にグリーン。

サファイアを訛らせようとするとついついこってこての大阪弁を話させてしまいそうになります……福岡弁むずかしい。「なか」と「けん」と「とよ」と「ばってん」があればなんとなくそれっぽく聞こえるかなぁとか思ってみた。

ポケスペに一人称「ウチ」のこってこて大阪弁女の子キャラが欲しい。アカネがこれか?
折角HGSS編やってるわけだから、コトネちゃんポジションに是非! おじいちゃん達がコガネ付近だからあり得るって!


 



 記憶の中のルビーはまだ五歳だった。俺なんかに似てしまったかと我ながら思ってしまうことも少しあったが、それでも美化されきった思い出の中ではルビーはいつも屈託のない笑顔で笑ってくれていた。それが当然だと、信じ込んでいた。だが、

「……兄さん」

 憎悪にも近いような感情を映し込んだ紅の瞳を見て、それは幻想なのだと悟った。あの町の中、一人置き去りにしたルビーが自分に笑いかけてくれることなど、あり得やしなかったのだ。


 *


 会いたくなかった、忘れていたかった。だって、会ってしまったら聞かざるを得なくなってしまうから。忘れてしまったら楽になれるのに、でもこの思いだけはいつになっても消えてくれない。

 どうして、僕を置いて行ったのですか?

 答えなど聞きたくはない。どんな素晴らしい回答でも、事実は消えやしないのだ。この人が、ゴールドの後を追って町を出たということは。僕一人を町に残したということは。この人なら残された僕がどういう扱いを受けるのか、分かっていたはずなのに。唯一置いて行ったヒトカゲの言葉を僕は理解できない。

 本当は、分かっているのだ。どうしようもなかったということ。あれがこの人ができた最善だったということ。でも分かったところで、この人を恨めしく思う気持ちが無くなることはないのだ。


 *


「肝心な時に言葉が足りないのはルビーとそっくりさね。過去は変わらん。けどこれからはまだ決まっとらんやないの。グリーンさんはルビーが嫌いやったから出で行ったん? 違うやろ? ルビーは妙に頑固なところがあるけん、私の話なんて聞いてくれなか。本人の話でないと。ほうら、早う行って仲直りしてきいよ」


 *


「お前なら、上手く立ち回れるかもしれないと思ったんだ。お前は他人の感情の機微を読むのが上手かったからな。だが、だからこそ余計に疲れるということにまではあの時の俺は思い至らなかった。嫌な役目を押し付けてしまったな、ルビー。本当に、すまなかった」
「……一つだけ、聞いてもいいですか?」
「ああ」
「僕は、まだあなたの弟ですか?」
「当たり前だ。今までも、これからもお前は俺の弟だ。不甲斐ないこの俺を、お前は兄と呼んでくれるのだろう?」
「はい、兄さん」


 *


「……敬語は使わなくてもいいんだぞ」
「いえ、癖みたいなものですので」
「サファイアやエメラルドには使ってないみたいだが?」
「言い直します。癖なのは年上の人に敬語を使うことです」
「癖なら改めようと思わないのかお前は」
「これから、少しずつ努力しますから……ね?」


 *


「へ? ルビーが敬語? あいつが?」
「……と、いうことはお前には普通なわけか」
「ふつーもふつー。っていうか兄貴もそんなこと気にするんだな」
「文句あるのか?」
「いやないけど」


 *


「お前さー、兄貴には敬語なんだって?」
「そうだけど」
「んでオレにはタメ語だろ? どっちかに統一したら?」
「そう言われてもね。兄さんは年上だし」
「オレも年上じゃあねえの」
「ゴールドは……ゴールドだし。兄って感じじゃあないよね」
「まぁ実際血は一滴も繋がってないしなぁ」
「……そうなの?」
「あれ、お前知らなかったっけ。兄貴とお前は腹違いで、兄貴とオレは父親が違うんだぜ」
「……でも、僕たちは兄弟だよ」
「偶には可愛いことも言うじゃねぇか」

 

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