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小説置き場。
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 微妙に節分ネタ


 吸血鬼ってのは人間と比べて寿命が長い。めちゃくちゃ長い。それがどーした、ってオレも昔は思ってたぜ? だけどよ、オレも歳をとらなくなって 痛感した。暇すぎる。だからオレは外の人間達のところにふらふらと出歩いて退屈凌ぎをするわけなんだが、どうにも吸血鬼ってのは人間と係わり合いたくない らしい。お前ら人間の血を吸うんじゃなかったのか。って違う違う。人間嫌いな吸血鬼様達の退屈凌ぎは、何故か揃いも揃って、読書だったりする。
  そんなこんなでオレのゴシュジンサマは読書に耽っている。何を読んでるのかはさっぱりわからん。それはオレが馬鹿って意味ではなくて、書かれている文字が 現在使われているものと違うからだ。あまりの退屈さはついにオレにだって本を読ませたりするのだ。まぁ、その方がシルバーと話合うし。
 シルバー の真横に座る。思った通り、オレを気にも止めない。手に今日外のガキ共から貰った豆を掴み、シルバーの視線を遮らないように口元へ。唇をぐい、と押すと少 し開いた口腔の中に豆を落とした。オレが手を離すと、視線は完全に本に向けたまま、シルバーがそれをかみ砕く。
「……なんだ、これは」
 喉を鳴らして豆を嚥下したシルバーが漸く意識をオレに向ける。
「福豆」

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