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小説置き場。
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 小噺を7つくらい。全てに4主(シアン)がいますw
 シアンは本質的に光なんです。小間使いのときは曇ってましたが軍主になって磨かれていきます。群島に降り注ぐ鮮やかな太陽のような希望なんです。で、その強烈な光によって齎される影の部分が罰の紋章なわけです。
 と、言うわけでなかなか妙な性格ですが(かくいう自分がキャラをつかめていない)、仲良くしてやってくださいな。

 初っ端はリボーンとのWパロっぽいです。


 あれ?シアンは部屋に入ってから違和感を覚えた。知ってる人の声がする。自分がこのよくわからないところに来る前に一緒にいた人物――テッドだ。
「だから俺だって何がどうなってるか聞きたいくらいだっての!」
「まだ白を切るつもりか?さっさとどこのファミリーの連中に頼まれたか話せ!」
「ついでにどーやって入ったかもなー」
 2対1で尋問されていてなかなか頭に来ているようだった。でもここがどこだかもわからない状態であんまり敵を増やさないで欲しいなぁ、などとシアンが考えていると、ドアが開いて声が一段と大きくなった。テッドの顔が見える、と思った瞬間にテッドがシアンを見つけた。
「シアン!」
「ボス!」
「ツナじゃん」
 同時に尋問していた二人もシアンをここまで連れてきた人物に気付いたらしく、声をあげていた。…ってちょっと待て、ボスって言わなかったか一名。

*****

「はじめまして、アルシュタート女王陛下。この度女王騎士に、と推薦されたシアンと申します」
「あなたの話はフェリドから伺っております。そう堅くならずに、普段通りで構いません」

*****

「いや、こんなに群島がもつとは思ってなかった」
 そもそも各島ごとに独自の仕組みを持っていた群島が、一つに纏まるのは難しいだろう。人数・規模が大きくなるとそれだけ纏まるのにも苦労する。少数派は切り捨てられ、いずれ制度は瓦解する。それでも群島開放戦争で群島が纏まれたのは、ひとえに共通の敵の存在によるものが大きいとシアンは思っていた。
 あの戦争からもう、三百年ほどたった。群島諸国連合は完全に一つの国家と見なされ、周辺諸国とは比べ物にならない海軍と世界でも有数の造船技術を持つようになった。今の所戦争も起こっておらず、北の大陸と南の大陸を結ぶ中継点として交易も盛んだ。

*****

 

「笑え」
「はぁ?」
「笑えよテッド!
 お前そんな顔して人生楽しいか!?」
「お前には関係ない」
「ある」
「何がだよ」
「テッドがんなブスッとした顔してたら俺が楽しくない」
「お前の都合じゃねーか」
「悪いかよ!?
 なぁ、今までに何があったのかしんないけどよ、そんな顔して生きてもつまんないだけだろ?」
「…前に何がわかる」
「お前のことなんかなんもわかんねーけど、お前が今全然楽しくないのはわかる。
 なぁ、笑えないなら俺がお前を笑かしてやる。だからさぁ、もっと楽しもうぜ?」
「…断る」
「なっ…ちょ、お前これ軍主命令!聞け、笑え!」
「冗談じゃない。んな意味のない命令聞けるか」
「…くそう、確かに笑ってるといえば笑ってるから言い返せねぇ」
「どーかしたか?軍主さんよ」
「だぁーっもうその軍主さんって言い方も腹立つ!普通に呼べよ!」
「やだね」

******

「あっははははははは!ははは!あーおもしろい」
「…シアン様」
「こらこら、一国の王族が一般人に様なんか使うなよ」
「立場を考えろということでしたら、そっくりそのままお返ししますよ」
「ちゃんと公式の場では大人しくしてたじゃないか」
「少しは自分の発言が周囲に与える影響を考えてください!」
「そんなの、『なんだこの無礼者は』から始まって最終的にはここから追い出されるだけだろ?俺は王宮に来て騎士長閣下の顔が見れればそれでよかったから別にそれでも構わん。あ、でもお前の奥さんと子供も見てみたいな」
「何しにきたんですかあなた」
「お前の顔見に来たってさっき言わなかったか?あんなに生意気だったお前が、どんな大人になったのかを見てみたくなったんだよ。ほんっと、ガキの頃からは想像つかんほど立派になったよなぁ。ま、それは俺の想像力不足とも言えるけど」
「…………」
「んじゃ、忙しい中邪魔したな。この部屋間諜塗れだし、お前も暗殺とかには気をつけろよ?」

*****

 何が起こったのかわからない、という顔をしていた。女王騎士全員を地に伏せたシアンは、その顔を眺めながらも無感情に剣をしまう。予想外だった。女王直属の騎士と言うくらいだし、このファレナの中でもトップクラスの使い手が集まっているのかと思えば、ただの普通に強い人の集まりである。これならば自分が徹底的に戦い方を仕込んだフェリドがあっさりと周囲に認められたのも当然だ。所詮は政治のコマの一つに過ぎないのか、と軽い失望を感じつつ、フェリドに頼まれた仕事の一つを思い出す。戦力強化とはこのことか、と。
「フェリド、いくらなんでも弱すぎるんじゃねーの?」
「そう言うな。これで彼が女王騎士になることに異存がある者はいないな?」
 最後の言葉は何も言えなくなった観客達への言葉だった。流石にここまでの実力差を見せ付けられて反対できる者はいなかったようで、誰も何も言わなかった。
「それではシアン、明後日には任命の儀を行う」
「あれ、時間空くんだ?」
「服を仕立てたりするからな。今から女王陛下にお目通りをする。来てくれ」

*****

「…どう思った?」
「女王騎士のことか?やはり一番まともだったのはガレオン殿だな。あの年齢まで戦闘職につけるくらいだ、経験が他より違う。惜しいのはザハーク殿。あれは間違いなく叩けば伸びるな。他の連中は多分もう遅い。っていうかあの弱さは何だ?あれだと下手したらどっかの国の精鋭部隊の兵レベルだぞ?彼等は将軍じゃない。実際に剣を奮うこともあるのだろう?」
「それだけ先代の王位継承権争いが激しかったということだ」
「有望な者は引きずり降ろされたってわけか。実際に兵の数は減っていなくとも、指揮する人間がいないとくれば、アーメスがファレナを攻めるのも納得だな」
「正直言って、国力をここまで疲弊させた本人になんとかしてほしい気持ちだ」
「そんなことしたらさらに落ち込むんじゃないのか?」
「それもそうだ。ところでシアン」
「ん、どうした?」
「陛下への謁見が済んだ後、子供達を見てくれないか」
「…戦で最も傷つくのは子供達、か」
「父上が、どうして俺の元にあなたを寄越したのか、今ならその気持ちがわかるような気がするな」
「ふぅん、どんな気持ちだ?」
「少しはこの人の楽天家っぷりを見習ってくれ、ってところか」
「スカルドはもっと馬鹿になってくれ、だったよ。全く失礼な話だ」

 

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