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小説置き場。
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とりあえず場面っぽいのを作ってみた。

アイクもセネリオもかなり偽者ですね。特にセネリオが酷い。アイクに対してくだけすぎ。
でもこれくらいの軽口の応酬ができるアイセネがいい……。実際だとセネリオが重過ぎるんだもの。



 第一王子は生まれてすぐに亡くなって
 第二王子がぷつりと死んで
 残った者は変わり者の第三王子

 そう、世間で評されていても王国の第三王子アイクは全く気にしなかった。
 王宮に上がったのはちょうど十二歳となったとき。それまでは何も知らずに城下町で平民として暮らしてきたのだ。
 転機が訪れたのは五年前。息子に王位を継がせたい現王と王弟との間で権力争いが勃発している最中、その王子が急死したのだ。誰もが王弟の勝利かと思った。だが、そこで王は落胤であった第三王子を世間に公表したのだ。
 そうして突如として政界に現れた一人の子供、それがアイクだった。
 迷惑な話だ、と常々思う。華やかな王宮は下町で泥塗れになりながら育ったアイクにとっては窮屈で堪らなかった。五年も経った今でも慣れない。自分の姿を捜し求める侍従たちから逃れるために上った木の上でアイクは一人、ため息をついた。

  *  *  *  *  *

「捜しましたよ、アイク」
「セネリオ……」
「本当に、突然いなくなるんですから……僕がどれだけ捜したことだか……」
「すまん、セネリオ」
「まさかあのアイクが王宮なんて似合わない場所にいるとは思いませんでした」
「お前もそう思うか? 俺もどうしてこんなところにいるのかわからん」
「逃げましょうか」
「どういうことだ?」
「そのままの意味ですよ。あなたにこんな籠は似合わない」
「……できるのか?」
「僕を誰だと思ってるんですか」
「天才魔導士セネリオ様、だな」
「……僕としては軍師とか参謀のほうが嬉しいのですが」
「頼んだぞ、セネリオ」
「はい、お任せください」

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