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後者は特にネタバレ激しいです。本文そのまんま。
第三部 2章 冒頭 鳥翼勢の会話
ネサラ
ティバーン!
まだ見えないが、
ベグニオンはもう近い。
兵を休ませといたほうが
よくないか?
ティバーン
そこらの島に降りて
小休止といくか。
ティバーン
そら。
ネサラ
!? …っと!
………ユクの実?
ティバーン
食えよ。
毒なんざ入ってねえから。
ネサラ
はン…
ずいぶんお優しいことだ。
いきなり、こんなことされると…
何か裏があるんじゃないかと
勘ぐっちまうんだが?
ティバーン
昔、セリノスで開かれていた
鳥翼の会合じゃあ――
俺とラフィエルとで、
年下のやつの面倒を見てやってたろうが。
ネサラ
まったく記憶にないねぇ。
ティバーン
……ラフィエルと、
リュシオン、リアーネ。
それにロライゼ様………
セリノスの生き残りは、たったこれだけだ。
ネサラ
…ロライゼ様とリュシオンだけだと
思っていた頃からなら……
倍になった計算だけどな。
ティバーン
……あの時、もっと
早く気づいていればな。
助けられた命も多かったろうによ。
ネサラ
…うちのもうろくジジイだけじゃなく、
あんたも大概セリノスびいきだな。
ティバーン
別にセリノスだけが特別じゃない。
今回のようにキルヴァスが
鳥翼の仲間のために働くなら、
いくらだって手を貸してやるぜ?
ネサラ
やめろよ。
こっちは馴れ合うつもりはない。
ティバーン
鷹の民と鴉の民は、
元はフェニキスで共に暮らしていた。
いわば兄弟みてえなもんじゃねえか。
おまえが隠し事を
洗いざらいぶちまけるんなら、
本気で助けてやってもいいんだがな。
ネサラ
……隠し事…だと?
ティバーン
お前が突然、
キルヴァスの王位を継ぐことになった
経緯とかその辺を詳しくな。
ネサラ
……あ、あぁ…
なるほど…そのことか……
ティバーン]
いい機会だ、話してみろよ。
ネサラ
…そうだな。
この戦が無事に終わったら
聞かせてやってもいい。
ティバーン
まぁ、いいだろう。
今回の戦で鳥翼の結びつきは強まった。
同族で手を組むのも、悪くないだろうが?
ネサラ
……いいのか?
そんなに俺を信用して。
寝首をかかれるかもしれんぞ。
ティバーン
おまえのセリノスびいきは
俺の上をいくからな。
リュシオンとリアーネがいるかぎり
おまえは裏切らん。
さて、休憩はもう十分だろう。
出発するぞ!
第三部2章 拠点での会話「3兄弟」
(前章の訪問をボーレで行った場合)
ボーレ
いや、だからさ。
おれは言ってやったんだよ。
オスカー
どこまで本当かな。
おまえの話は
いつも大げさだから。
ボーレ
いまのは真剣だって!
兄貴だって、あれを見れば……
???
あぁ…やっと見つけた。
ベグニオン女性
オスカー… ボーレ……
2人とも懐かしいわ。
オスカー
……………
ボーレ
……よく
こんなところまで………
???
ここかっ!!
ベグニオン女性
!
ガリア兵
民間人だと思って油断した。
来いっ!
ベグニオン女性
い、いや…!
私の用はまだ……
オスカー
………離してあげてください。
その人は…私たちの知り合いです。
ガリア兵
そうなのか?
ならば最初からそう言えば
いいものを…まったく!
ベグニオン女性
…あ、ありがとう、オスカー。
はぁっ 怖かったわ。
ボーレ
………何しに来たんだ?
ベグニオン女性
…………………
あの子に……
会わせてほしいの。
オスカー
…………
ベグニオン女性
いっしょに居るんでしょ?
ヨファに会わせて!
ボーレ
……………っざっけんな!!
ベグニオン女性
っ!
ボーレ
自分で捨てたんだろうがっ!
親父とおれとヨファを…捨てて
男と逃げたじゃねえかっ!
それをいまさら、どの面下げて!
ベグニオン女性
……疲れていたのよ!
あの時、私はまだ若くて…
病気で寝たきりの
あの人を看ながら……
2人の子供を育てるなんて……
私にはとても…できなかった……
ボーレ
おれはいい…あんたとは
血の繋がりがないからな。
けど、ヨファは違う!
あんな小さいわが子を
よくも置き去りにしやがって!
ベグニオン女性
ごめんなさい……
ずっと後悔していたわ。
ずっとあなたたちを想っていたわ。
ボーレ
……あんたが出て行ってすぐ
親父は死んじまった。
兄貴がクリミア騎士団を
除隊して戻って来てくれなきゃ
おれとヨファだって………
ベグニオン女性
そんなことに…なってたの?
あぁ……私は
なんて過ちを……
ごめんなさい…許して……
ボーレ
…………帰ってくれ……
あんたに母親の資格なんかない。
ベグニオン女性
……ボーレ!
お願いよ…お願いだからっ!
ヨファを引き取りたいの。
いっしょに暮らしたいのよ!
ボーレ
あいつはおれたちの弟だっ!
誰があんたなんかに……!
オスカー
……待っていてください。
ヨファを連れてきます。
ボーレ
兄貴っ!?
ベグニオン女性
オスカー! ありがとう!
オスカー
誤解しないでください。
私もあなたを許したわけじゃない。
ベグニオン女性
………
オスカー
だけど、あなたが
ヨファを生んだ母親だということに
変わりはありません。
どうするかは……
本人が決めるべきですから。
ボーレ
兄貴………
オスカー
本当に…会わなくていいのか?
ヨファ
うん、顔もぜんぜん
覚えてないし……
他人と変わりないよ。
オスカー
ヨファ…
ヨファ
僕には大切な家族がいる。
オスカー兄さん、ボーレ……
それから傭兵団のみんながね。
他はいらない。
オスカー
…………
ヨファ
やめてよ。どうして
兄さんがそんな顔をするの。
僕は平気なのに。
オスカー
…じゃあ、あの人には
帰ってもらうからな。
ヨファ
もう来ないでて言っといて。
……迷惑だから。
オスカー
…………分かった。
ボーレ
……ヨファ……
ヨファ
…………僕さ、
ボーレのこと好きだよ。
喧嘩ばっかりしてるけど…
ボーレをちゃんと……
兄さんだって…思ってるよ。
…だから…だからさ……
どこかにやろうとなんてしないで。
みんなといっしょに居たいよ。
ボーレ
馬鹿野郎…
誰がそんなことするか。
手塩にかけて育てた大事な弟だ。
どこにもやんねえよ。
ヨファ
………うん……