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小説置き場。
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何を思ったのか10年後リボーンと幻水のWパロです…。
4主がボンゴレのところに飛んで行きました。




「獄寺さん」
 綱吉に気付かれないように服の裾を引っ張る。ボンゴレ十代目の右腕は未だにシアンを完全には信用していなかったが、それでもシアンの堅い表情から、何かあったことを悟ったようだった。綱吉に何か言って、食堂を離れる。
 先に退室していたシアンの隣に立つと、漸く口を開いた。何があったのか、と。
「食事に毒を混ぜられた…と思う」


  *****


 問答無用で例のガンもどきを突き付けられた。あのハルモニア直属暗殺集団のやつよりも数段性能がいい恐ろしい代物だ。かなり小型化・軽量化が進んでおり、弾の速さも段違い。種類によってはあの発砲音ですら消せると聞いて、背筋に冷たい物が走ったこともあった。何でそんなものが俺に向けられているのかは知らないが。
 一瞬だけ睨み合ったあと、何がなんやらよく分からない言語で怒鳴り散らされる。それは俺が使っている言語とは似ても似つかなかった。この調子なら理解するのにかなりの年月が必要かもしれない。随分遠くに飛ばされたもんだ。
 ボンヤリしていたら、急に体が動いた。甲高い金属音と、腕に走る衝撃。反射的に抜いた剣が、俺の身に迫った弾を弾き返していた。続きに備えて体の感覚を研ぎ澄ましていく。先程の破裂音によって数人がこちらにやって来ていた。足音が聞こえるのだ。そして敵は、情けなくも震えていた。確かに弾を剣で弾き返すのはやり過ぎだったかもしれない。
 俺に発砲してきた奴は、結局何もすることができなかった。一発目の発砲音の後で俺が睨みつけていた間に、他の人間が現れたからだ。
 最初の奴とは格が違う。近付いて来るだけで俺はそう思った。そのくらい、身に纏う雰囲気が圧倒的に違ったのだ。夜の闇にも完全に溶け込みそうな黒髪に、美人の域には楽々入りそうな中性的な顔立ち。完成された美しさの中でただ一つ、獲物を狙う肉食獣のような鋭い目だけが目立っていた。その澄んだ闇色の瞳が、ひたと俺を見据える。
 ピリピリとした、いっそ心地良い位の研ぎ澄まされた殺気をそいつに向けられて、俺はとりあえず剣をしまった。ここで敵対行動をとると後々まで面倒なことになりそうだ。
 今まで俺と相対してたやつが後で出てきたそいつに何かを言う。黒髪のそいつはそれを聞いて若干顔を歪ませた。そして、どこからか取り出したトンファーで相手を殴った。理不尽だなと思いつつも、その動きの速さに驚いた。ふと、少前までお世話になった少年軍主のことを思いだした。彼も同じ武器だ。力量は、なんとも言えなかった。対人間ならば黒髪のほうが向いている気がしたが、対モンスターでは彼の力じゃあ話にならないだろう。
 黒髪はそんな過去を懐かしむ暇すらも与えてくれなかった。一瞬で間合いを詰めると俺の喉を狙ってトンファーを振り上げる。それを一歩後に引いて避ける。またトンファーが唸る。またしても避ける。黒髪と目が合った。
 不意に黒髪はトンファーをしまった。そして何かを俺に言ってスタスタと歩きはじめる。言葉が分からない俺はただ立っているだけだった。それに気付いた黒髪が振り返って呆れたように何かを言って、今度は俺を引きずって歩きだす。さっきは着いてこいと言っていたようだ。

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