小説置き場。
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正直言って、家には近付きたくない。
俺の存在は空気と同じように扱われ、唯一俺の存在に気付く者はありったけの嫌悪と憎悪を煮詰めた眼差しで俺を見る。
「よぉ、俺の片割れにして我が一族の面汚し」
俺と全く同じ外見をしたそいつは俺の顔で俺を憎む。
「…よりにもよって出迎えがお前かよ」
「出迎え?妙なことを言うな。
お前、自分がそんなことをしてもらえる人間だと思ってるのか?
思い上がるのもほどほどにしとけよ。見てるだけで滑稽だぜ?」
「うるせぇ」
俺と全く同じ外見をしたそいつは俺の顔で俺を蔑む。
「どうしようもない愚か者だな。馬鹿は馬鹿らしく外で馬鹿やってる方がお似合いだぜ?」
「だからさ、お前もう帰ってくるなよ」
そこにあるのは明確な拒絶で。
帰る場所を持たない人間は一体どこに行けばいいのだろう。
(071220)
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