小説置き場。
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「おーおー、結構見てる見てる」
「何でわざわざファーストフードなんだ」
「いいじゃん別に。たまには贅沢させてよ」
「……キツイか?」
「一人暮らしとなると、生活費は約二倍だからねぇ。バイトしまくってようやくかつかつってトコ」
「そうか」
「そっちは?」
「最近は、大分マシになった。酒の量も減ったしな」
「おぉ、優司の頑張り伝わったんじゃない?」
「……」
「あいたっ。殴んなくてもいいじゃんか」
「五月蝿い」
「……ほら」
「へ?」
「腹一杯だ。食え」
「腹一杯って、まだ半分くらいしか食べてないじゃん」
「代わりにお前のを貰う」
「……それってまだお腹空いてるんじゃ」
「いらないのか? さっきから物欲しそうな視線を感じるんだが」
「いえいえいえ! 是非ともいただきますとも」
「……」
「さんきゅ、優司」
「さーて腹拵えもすんだし、本題に入ろう」
「微分だったか?」
「そう! 追試にひっかかったらバイトに行けないんだよ。お願いします、先生!」
「まずどこで詰まってんだ」
「優司といるとさ、ファーストフード追い出されないのがいいよな」
「?」
「ホントは長時間居座り禁止だから、勉強しようとすると追い出されるんだよ、あの店」
「へぇ」
「自覚ないなぁ……。店員さん、皆優司にびびって声掛けられなかったんだよ? 優司目つき悪いもんね」
「……ああ、お前の邪魔しようとしてた奴らか」
「仕事してただけなんだけどね……」
「今日はどうすんの?」
「ん……お前ん家泊まる」
「お父さんに連絡は?」
「初めからそのつもりで来た」
「それじゃあスーパー寄ろうか」
「だな」
*****
「和也」
「あれっ、優司、校門までお迎えとは珍しいね」
「今日暇か?」
「うん。どうかしたの?」
「見ろ」
「へ? えーっと、『お一人様お一つ限り』……。なるほど。それお父さん好きだもんねぇ」
「いいか?」
「勿論。ついでに俺も買い出ししようかなぁ……」
「とりあえず行くぞ」
―――――
以上高校生編
・和也→徒歩圏内の公立高校(ふつーのところ)。母親とは別居でバイトでぎりぎり生計を立てている感じ。
・優司→地元いわゆる不良公立高校にチャリ通。なのに医学部志望というぷちドラ○ン桜状態。中学時代はあまりちゃんとやってなかったから暇があれば勉強してる。元の頭自体はいい。家には父親だけ。中学時代にしょっちゅう和也のところに家出してきていたので未だにお泊り癖がある。口数が少ない。
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