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小説置き場。
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ちょっとグロかもしれない。
とはいっても、第3者が刺されたくらいですが。

 腹から背中までを突き通した長剣を抜かれ、その体は崩れるようにして前に倒れた。
 じわじわと赤い血溜りが広がっていく。
 一瞬の、ことだった。この俺が、全く反応できないくらいに。
 一体何が、起こったんだ。
 あいつは誰だ? 何でコイツは殺された? 俺はあいつから、護れるか? 家族以上に大切な、後ろの存在を。

「あ、ああ、」

 皮肉なことに、目の前で大切な者が殺されたというショックが、理奈に声を取り戻させかけていた。
 こんなことで、理奈の声を聞くことになるとは思わなかった。
 目の前の状況と、親を殺されたときの風景。
 それを重ね合わせて、どれほどの恐怖に理奈は震えているのだろうか。

 俺も震える手で、何とか背中の大剣に手をかけた。
 抜けるとは思った。勝てるとは思わなかった。
 それでも、俺は。
 護らないと、いけないのだ。

「てめぇ…何モンだ?」
「案ずるな。お前たちに用は無い」
「じゃあ何で、こいつを!」
「それに答える必要も無い」

 男は血に濡れた剣を振りもしないで、歩き去って行った。
 剣から滴った血が、廊下に点々と後を残す。
 それを追うこともしないで、俺はただ、床に座り込んだ。

 理奈が、心も引きちぎれたような声で叫んだのは、それからすぐのことだった。

 でも、何故か俺はただ呆然としているだけだった。
 体が動かなかった。
 心も動かなかった。
 まるで、昔の俺に戻ったみたいに。

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