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小説置き場。
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 気付いたら彼はいて。気付いたらおれは彼のモノになってて。それは当たり前の当然の事で、だから疑問に思った事はなかった。
 だけど、一人の人間が使い魔になるまでの過程を見てしまったおれは、気付いてしまった。
 使い魔になる前のおれは、本当はいたんじゃないだろうか?

「あいつが教えてくれないから、シルバーさんに聞いてるんです」
「なら、オレからは何も言えない。些細と言えば些細な事だが、ルビーにとっては重大な事なのだろう」



緑「レッド。お前ならなんとかできるんじゃないか?」
赤「うーん、できない事もないけど……いいのか?」
銀「……仕方がない、か」
藍「こうなると、ルビーは動けんったいもんね」
翠「どういう、こと?」
銀「ラルド。お前は厳密には、生きていない」
翠「……え?」
青「貴方は死んでいるの。ルビーはその死体の時を止め、魂を体に繋ぎ続けている……今も、ね」
翠「……つまり、ルビーが殆ど魔法を使えないのはおれに魔法を使いつづけているからで、その魔法は魂を操作する類……つまり、死神であるレッドさんの本業で、ルビーからおれの制御権を奪ってしまえば、おれに魔法をかけつづける必要の無くなったルビーは自由に魔法が使えて、帰ってこれる、と」
藍「その通りったい」
翠「わかりました。それじゃあ、おれはどうすればいいんですか?」
赤「別に何も。俺は死神だから、血も必要ない――けど、このくらいは必要かな」


「おれにも見えました。魂の色が。本当に、おれは死んでいるんですね」
「――生きていても死んでいても、俺達にはあまり違いはないんだ。だってここに、確かに存在しているからさ」
「でも不自然です」
「それを望む人がいるなら……それでいいんじゃないかな。俺は、そう思うよ」



紅「返してください、ラルドを」
赤「さっすが『女王』……思ってたよりも早いな」
藍「相手はどうしたと?」
紅「面倒だったから亜空間に空間ごと放り込んだよ。全く、ふざけた事をしてくれるよね。……ラルド」
翠「ル、ルビー?」
紅「おいで、消毒するよ」
赤「酷い言い種だなー」

金「なぁなぁ、『女王』って?」
銀「見ていれば分かるだろう。そのまんまだ」
金「女王みたいな性格……」
銀「それとそれに見合った実力、だな」
金「おまえも結構女王っぽいんじゃねーの?」
銀「じゃあお前は従者か?」
金「お、なんかかっけーじゃん」

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