小説置き場。
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実は「雲の向こう側」の続きみたいなものだったりする。
森の中でも少し開けた場所にピジョットを休ませ、それに凭れながらカイトも仮眠を摂ることにした。視界の端では漆黒の鳥が飛び回り、何となく嫌な予感がする。というか数増えてないか?そんなことを考えながらもカイトは意識を手放した。休めるときに休めないと体が持たないのだ。
膨大な書類で埋め尽くされた机。その一部分だけが綺麗に何も置かれていないのはノートパソコンを置く為で、横着してコースターも敷かずにコーヒーを置いていたせいで丸いシミがあった。壁が見えないほどキッチリ並べてある金属製の棚には、資料や論文が所狭しと並んでいた。大体どの棚に何が置いてあるのかは常に手伝わされていたから覚えている。自分の家とも言える、母の研究所。
今は夢を見ているのだとはっきりと自覚できた。ここを懐かしく感じられるのは、遠い場所に来てしまったからだろうか。
耳の奥底で微かに旋律が流れた。どこか物悲しく、だが美しい。聞いていると不思議と引き込まれ、旋律が頭の中を何度も駆け巡る。まるで幼子が母親の腕に抱かれるような安心感。懐かしくて、ずっと聞いていたくなって、次第に思考が止まっていく。この感覚には覚えがあった。これはなんという曲だ?あまりの旋律の心地良さに意識が吸い込まれる。遠い日の記憶。誰かに聞かせてもらったうた。そう、母さんの研究所で、ポケモンがうたってて…。急激に思考が働きだす。これは、―――滅びの歌。カイトは跳び起きた。
頭上の木ではヤミカラスの群がご丁寧にも滅びの歌を合唱していた。カイトの隣のピジョットは催眠術でもかけられたのかぐっすりと眠っている。道具類は一切もっていないカイトは縦髪を引っ張って何とかピジョットを起こした。寝起きと不快感で思いっ切りピジョットに睨まれたが、こんな状況で倒れるよりかは遥かにマシだ。
「ヤミカラスに滅びの歌を歌われたんだ。逃げるよ」
ピジョットに言い聞かせ、その反応も確かめずにカイトは逃げ道を探す。なるべくヤミカラスが少ない方向へ。ほとんど四方を囲まれていたが、逃げられそうな場所はあった。
膨大な書類で埋め尽くされた机。その一部分だけが綺麗に何も置かれていないのはノートパソコンを置く為で、横着してコースターも敷かずにコーヒーを置いていたせいで丸いシミがあった。壁が見えないほどキッチリ並べてある金属製の棚には、資料や論文が所狭しと並んでいた。大体どの棚に何が置いてあるのかは常に手伝わされていたから覚えている。自分の家とも言える、母の研究所。
今は夢を見ているのだとはっきりと自覚できた。ここを懐かしく感じられるのは、遠い場所に来てしまったからだろうか。
耳の奥底で微かに旋律が流れた。どこか物悲しく、だが美しい。聞いていると不思議と引き込まれ、旋律が頭の中を何度も駆け巡る。まるで幼子が母親の腕に抱かれるような安心感。懐かしくて、ずっと聞いていたくなって、次第に思考が止まっていく。この感覚には覚えがあった。これはなんという曲だ?あまりの旋律の心地良さに意識が吸い込まれる。遠い日の記憶。誰かに聞かせてもらったうた。そう、母さんの研究所で、ポケモンがうたってて…。急激に思考が働きだす。これは、―――滅びの歌。カイトは跳び起きた。
頭上の木ではヤミカラスの群がご丁寧にも滅びの歌を合唱していた。カイトの隣のピジョットは催眠術でもかけられたのかぐっすりと眠っている。道具類は一切もっていないカイトは縦髪を引っ張って何とかピジョットを起こした。寝起きと不快感で思いっ切りピジョットに睨まれたが、こんな状況で倒れるよりかは遥かにマシだ。
「ヤミカラスに滅びの歌を歌われたんだ。逃げるよ」
ピジョットに言い聞かせ、その反応も確かめずにカイトは逃げ道を探す。なるべくヤミカラスが少ない方向へ。ほとんど四方を囲まれていたが、逃げられそうな場所はあった。
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