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小説置き場。
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起 世界観説明
承 主人公1が主人公2を拾う
転 なんとびっくり生きてました?
結 面倒を見ることになったよ

 見上げると、少しばかり濁った空の向こうに太陽が輝いている。そこから何かが落ちてくる。落とし物だ。愛機の残存燃料に視線を走らせた。針が帰還には十分な量を指していることを確かめて、舵を切る。落とし物が大層な金になることをよく知っていた。


 綺麗な体だった。彼の造形の事ではなく、もっと単純に、空に落ちてから間もないという意味で、彼は綺麗だった。飛行士であるロットは落とし物の人間を何度か見たことはあるが、ふやけてブヨブヨになったそれらはもう人ではない何かだった。
「生きてるみてぇだな……でもどうすんだ、これ」
 ロットと同様に、しげしげと彼を眺めていた年長の飛行士が言う。
「いつもみたいに切り分けて、ってわけにはいかねぇだろ」
「葬式でもする?」
「名前も知らねぇのにか」
「うーん」
 どうしようか、とロットは目の前の体にもう一度視線を這わせた。彼が所有していた換金できる落とし「物」は全て体から取り外して、種類ごとにまとめて置いている。後は彼の体だけだったが、捨てるわけにもいかない。
 少女めいた顔立ちに、髪は立たせれば肩は軽く越すであろうプラチナブロンド。淡く色づいた肌は艶やかで、体格も華奢だ。身ぐるみを剥がされて下着すら身につけていない下半身にさえ目をやらなければ、彼を男だと断定するのは難しかっただろう。
「状態がきれいだから、もしかしたら売れるかな」
「死体を買う奴なんざロクな奴じゃねぇぞ」



 主人公1 ロット(陸斗(ほんとは「ろくと」))
 一人称おいらな感じの、素朴な馬鹿。赤ん坊の頃に飛行士養成所の近くに置き去りにされていた。飛行士の誰かが孕ませた子供じゃないのか、という事になって気のいい飛行士達によって育てられた。ガサツかもしれない。
 幼い頃から飛行機に囲まれて育ってきたため、飛行士になるのは早かった。14歳だけれどもパイロットとしては一人前と認められている。飛行機に関する知識に関してはよく知っているが、他は一般常識くらい(普通教育は無い世界)。今は図面を引く勉強をしてる。
 両親を知らない事については特に悩む様子もなく、けろりとしている。飛行士達に育てられることになった経緯も知ってる。

 主人公2 
 空から降ってきた謎の少年(16歳~17歳くらい)。中性的な顔立ちをしていて、体の線も細い。言葉が通じないが、その割にはすぐに現状に適応している(んだけど周囲は空から降ってきたという印象が強すぎてやけにあっさり適応したことには気付いてない)。
 本当は上の世界で海に捧げられたから落ちてきた。生まれた時から犠牲になることは決まっていて、葛藤などもかつてはあったものの既に自分の運命は受け入れていた(その過程で多少の性格の歪みがある)。そのため、何故か生きている現状に違和感を拭えなかったり。
 「どうせ死ぬから」と本人の希望はほぼ叶えられる環境で、ひたすら読書に打ち込んだ。記憶力・理解力共によく、古代語等の語学にも堪能。頭の回転が早く、観察力にも優れていたため、犠牲を取り消すという話も上がったほどだったが、その頃には本人は自分の運命を受け入れていたため、話にはのらなかった。
 物静かで他人に対しては一歩線を引いている。人に注目される事、監視されるのが当たり前だったため、他人の視線は気にしないし、他人にどう思われようとも気にしない。特大の猫を被っているため、外面では微笑んでいても全然違う事を考えていたり。嫌いな人ははっきりと嫌う。態度には出ないが。猫を被っているのは警戒心の表れ。主人公1にはそのうち猫を被らなくなるが、それも二人しかいない時だけだったりする。
 要するに、結構性格悪い。

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