忍者ブログ
小説置き場。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「は!? え!? ちょっ、優司! どういうことだよ! 説明しろって!!」
「落ち着け落ち着け、和也。目立ちすぎてるから場所変えるぞ」
「わかったよ……あんたは説明してくれるんだろうな?」
「説明するって、何を」
「と ぼ け る な」


「お前も二週間もいたら編入生がいかに目立つか分かっただろ。悪いことは言わないからしばらくは大人しくしとけって」
「それと優司が僕を避けた事に何の関係があるんだよ」
「優司も目立つんだよ。あいつ顔いいし、妙に能力持ちに顔が利くし、愛想悪いのが逆にかっこいいって」
「……モテてるんだ。かわいそうに。で、それが?」
「そこにほんの数日前に学園に来たばかりの凡人編入生がしゃしゃり出てみろ……すげー反感買うんだよ、この学校は」
「……理解したくはないけど、言いたい事は分かった。で、優司は何て言ったの?」
「へ?」
「僕の面倒をみるように、優司から頼まれたんだよね? 何て言って頼まれたの?」
「? えーっとな……『俺はあいつには会えないから、変わりに頼む』みたいな感じだったような?」
「ふーん……。ねぇ、優司の部屋番号、何」
「押しかけんのかよ! やめとけって! あいつマジで心配してんだぞ。金で揉み消せるからってとんでもないことする奴もいるんだからな」
「それは僕に酷い目にあって欲しくないっていう優司のわがままでしょ。僕が従う筋合いはない。そっちに言う気が無いんだったら、僕は皆に片っ端から聞いてまわるよ」
「俺だって、ダチが嫌がらせに遭うのは嫌なんだけどな……」
「心配してくれるのは嬉しいけど、やっぱり僕は嫌だよ、このままは。何で同じ学校にいるのに他人のフリしなきゃなんないのさ」
「……わかったよ。430だよ」

 *

「や。さっきぶりだね、優司?」
「……悪かった、和也」
「事情は聞いたよ。僕がここに慣れるまでは問題は起こしたくなかったんだよね?」
「ああ。どうせ、一波乱はあるからな」
「んで、明日からどうするの?」
「……和也。悪いが、多分、お前に反感を持つ奴はお前が思っている以上に多くなる」
「何で?」
「俺が能力者連中に目を付けられているからだ。ただの編入生には興味を持たない奴でも、俺の友人となるとちょっかいをかけだす可能性は、高い」
「能力者さんとなると、結構な学園の人気者さん達だね?」
「残念ながらな。だから先に、牽制しておく――上、脱げ」
「何する気なの……んっ」
「跡が消えそうになったら言ってくれ」
「……何の意味があるの、このキスマーク。見える位置でも無いし」
「俺の能力の気配がするから見えなくてもわかる奴にはわかる。意味はそのままだ。『俺のものだから手を出すな』」
「僕、優司に所有された覚えはないんだけど?」
「勝手に思わせておけばいいだろ。おまじないくらいに思ってればいい。ま、自分のケツは自分で守れよ」

拍手

PR
この記事にコメントする
NAME
TITLE
MAIL
URL
COMMENT
PASS   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
プロフィール
HN:
天樹 紫苑
性別:
非公開
カウンター







忍者ブログ [PR]

Designed by A.com