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小説置き場。
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ハイト・レック・ジェイドのみです☆
ルーク断髪前設定の割りにジェイドの性格が丸いのはハイトのせいだと思ってください……。



「待ってください! 生体レプリカは既に禁忌のはずです」
「禁忌なんて人間の知識欲の前には無力ですよ。基本的に研究者なんて己の知識欲に全てを捧げるような人間ですし。昔のあなただってそうだったはずだ」
「それ、は……」
 フォミクリーを少し真剣に齧れば、バルフォア博士の所業はすぐに想像できる。何人もの人間や死体を使って行われた実験結果を実に淡々と彼は論文に書いているのだ。それをどこから手に入れたのかは、マルクトから流れてくる噂でしかわからない。死霊使い、ジェイド=カーティスと。
 しかしハイトには目の前にいるジェイドと彼がかつて書いた論文とが上手く結びつかなかった。不意に昔の自分を突きつけられて、ジェイドはうろたえているようにも見える。それがハイトにはひどく人間的に思えた。禁忌だろうがなんだろうが、始めたのはお前じゃないかという考えをハイトは訂正した。ジェイドは十分に、そのことをわかっている。
「すみません、困らせるつもりはなかったんですけど……。この話、やめませんか?」
 少しはにかんでハイトが言うと、ジェイドも僅かに破顔した。
「あなたがそれでよろしいのでしたら」
 うん、やっぱりいい人だ。


「ハーイートー! それにジェイドも! メシできたぜー! 早く来いよ!」
 タイミングよく料理当番のレックが大声で二人を呼んだ。
「……今日はレックでしたか」
「博士、何ですかその微妙そうな顔は」
「彼に料理を教えたのはあなたで?」
「そうですけど何か」
「いやぁ、実に独創的なものを作るなぁと感心していただけですよ」
「そうやって遠まわしに僕に嫌味言うのやめてくれませんか!?」


 軽口を叩いているとレックの元に着いた。
「おっせーぞ、二人とも! っていたッ!」
「メシじゃなくて夕飯」
 レックの頭を弱くもなくどついてハイトが言う。
「どっちでもいいじゃんかそんなの」
「よくない。いざという時にボロが出るのは日ごろの物の言い方なんだからね」
「ちぇ。はーい」
「返事は短く」
「……はい」
 ふて腐れた様子のレックにハイトは微笑む。
「よくできました。それで、ご飯は何?」
「それは見てからのお楽しみ~♪ 今日はルークとの合作なんだぜ」
 レックが言ってのけた瞬間に視界の端でジェイドがげ、という顔をしたのをハイトは見逃さなかった。だがそ知らぬ顔をして聞く。
「そのルークがいないのは?」
「玉ねぎ切らせたから号泣中」
 あっちで顔洗ってる、とレックは川のほうを指差した。
 

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