小説置き場。
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僕は向かう。僕は歩く。あの時計塔に向かって。
それが彼女の望みだったから。
それが馬鹿みたいなこの世界に創られた馬鹿みたいな存在の僕の、たった一つの存在意義だ。
全ての始まりのあの場所へ。
忘れられた歌を、届けに行こう。
*
ひたすらに続く螺旋階段をただただ上る。ずぅーっと。反時計回りに。
機械の僕は疲れない。空気が薄くなっても稼動し続ける。
ずっと。ずっと。
僕はただただ回りつづける。
*
世界が始まった場所。天に最も近い場所。
ごう、と風が吹き抜けるその場所で。沈んでいく世界を見渡して。
僕は口を開く。喪われた言葉を、天へ届ける為に。
ゆっくりと終わってゆく世界の為に。
*
最後の音が空に吸い込まれていく。
彼女の望みは果たされた。
終わるのならいつかは始まる。
巡らないものなど存在しない。
だから僕は、瞳を閉ざした。
*
鐘が鳴る。
終演と開幕を告げる鐘が、鳴り響く。
あえて言うなら時計塔のうたのイメージ。あと途中でPaneも混じった。
僕はカイトのつもりだけど、きっとそんなことはどうでもいい。
下手に文章にするよりもビジュアルの方がいいと思った。
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天樹 紫苑
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