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緑と紅がメイン。チラッと藍と金。
皆ニセモノすぎてどうしようかと思うくらいにニセモノです。特にグリーン。
サファイアを訛らせようとするとついついこってこての大阪弁を話させてしまいそうになります……福岡弁むずかしい。「なか」と「けん」と「とよ」と「ばってん」があればなんとなくそれっぽく聞こえるかなぁとか思ってみた。
ポケスペに一人称「ウチ」のこってこて大阪弁女の子キャラが欲しい。アカネがこれか?
折角HGSS編やってるわけだから、コトネちゃんポジションに是非! おじいちゃん達がコガネ付近だからあり得るって!
「? なんスか?」
「もしかして、間引き?」
「そうなんっスよ。対象がかなりでかい町らしくて、間引きの範囲が広いのなんのって。迂回しようにも南の方の間引きも重なってるもんだからできないんスよ」
「ふーん、そっか……」
「兄さんは向こうに用事で?」
「そうなんだよねぇ。できれば早く行きたいんだけど。そっちは?」
「こっちも同じっス。向こうの町まで行きたいんすけど、手が足りなくて」
「へぇ……何人?」
「俺も合わせて三人っス。兄さんの方は?」
「二人と足手まといが一人、かな。ちょっと相手してくれる?」
「喜んで。俺はゴールドって言うんスけど、兄さんは?」
「カイトだよ。それじゃあ、場所を変えようか」
*
「ふぅ……兄さんお強いっスね」
「こっちも十分危なかったよ。他の子も君くらい強いのかな?」
「俺の命を預けられる存在っス」
「って事は中衛さんとか後衛さんかな。さてゴールド、チームを組んで一緒に間引きの中を突っ切らない?」
「俺達もそう言ってくれる人を探してたんスよ。一度全員集めてみませんか?」
「そうだね、それがいい」
*
「シルバー……“氷遣い”の?」
「そう呼ぶやつもいるらしいな」
「……何だ、それ?」
「僕らが知ってる限りの最年少発現者の二つ名だよ。憑依が得意で氷を自在に操る、という事になってる。噂が本当なら僕よりも先輩なはずだよ」
「結局は凄い人って事か」
「……そうだね、僕らと同じ召喚士だ」
「んじゃ、そっちの紹介を頼む」
「うん、僕はカイト。で、このおっきいのが相棒のサン」
「どーも、おっきい奴だ」
「こっちのちっさいのがジスト」
「……ちっさくて悪かったなこれから伸びるんだ!」
「ジストは戦力にならないから、それも考慮してほしい」
「そこまできっぱり言わなくてもさー」
「こういう時に曖昧に言うと後で痛い目を見るんだよ。それとも戦えるって?」
「いーえ全然」
「なら文句言わない」
「……その三人ではどれくらいやってきたんだ?」
「ナナシからここまで、かな」
「距離としては十分だな」
*
「あの、さ。サン」
「どうしたんだよ?」
「何でわざわざチームを組むの?」
「敵が多すぎるからだな」
「じゃあ何で他の人達はチームを組んで向こうに行かないの?」
「チームを組んでも、その中での連携が上手くいかなかったら意味が無いからだな」
「俺達は上手くいくの?」
「それは俺達次第だな」
*
「戦力確認。まず、憑依は? 基礎能力と特殊能力のどっちを重視してる?」
「俺は基礎重視の電気。一応雷は落とせるが、脅しくらいにしかならないな」
「俺は特殊能力特化だ」
「まぁシルバーは三匹憑依だから基礎も十分上がってるぜ」
「三匹……凄い。僕とサンは基礎重視で、サンは悪が少し使える。クリスは?」
「あいつは憑依は使わねーな。得物が弓だから、今回は戦況把握と後方支援に徹して貰うと思う」
「わかった。三人の普段の役割分担は?」
「俺はずっと前」
「後寄りの中衛、クリスが後だな」
「ポケモンはどれくらい使う?」
「俺は使わん」
「俺はエイパムとマグマラシが多いな。クリスは弓の時はネイティオを足場にするくらいで、弓を使わない時はベイリーフも同時に使うな。カイトは?」
「僕は憑依してない子の指揮はジストにお願いしてるから、実質使わないみたいなものかな。サンは使わないよ」
「だが、今回は移動用以外は出さない方がいいだろうな」
「そうだね。敵か味方かわからなくなりそうだ」
*
〇ジョウト組 学パロ
「クリス!」
「何よ、ゴールド」
「お前、スカートの下に体操服ズボンは反則だろ! 男のロマンを何だと思ってやがる!」
「……あんたがスカートの中を覗かなかったらいいだけの話でしょうが!」
「ぶへっ! ……ついでにその脚力も反則だろ……」
「って事があったんだよ」
「確かに反則だな」
「だろ? お前ならわかってくれると思ってたぜシルバー!」
「……いや、脚力の方が」
「…………」
クリスならスカート下に体操服着てくれると信じてる! ブルー姉さんは着ない、サファイアは気にしない(そしてルビーに怒られる)、お嬢は金持ちってよくわからない。イエロー? 彼女は未知の世界(=誰も知らない)かなぁ。
スカートの丈はブルーはかなり短め(でも冬は長くすればいい(関西人万歳)、クリスは校則守って年中膝丈だといいよ(それでどうしてゴールドがスカートの中身を知ったのかは疑問だが)。で、私服の時は短めだったり。
*
****
ねぇゴールド。
なんだよ?
まちのそとにみずうみがあるでしょ?
おー、あるな。
そのほとりにね、すごくきれいなはながさいてるんだって。
花ぁ? それがどうしたんだよ、ルビー?
ゴールドはみにいきたくないの?
えぇ? おれはべつに……
なーんだ。つまんないの。
花なんかよりもチャンバラしようぜ! ほら、来いよ!
チャンバラじゃなくてけんどーだよ。というか、またグリ兄にまけたの?
っ、うっせーな! いいからやるぞ!
*
ああ夢だ、とゴールドは思う。それもとびきり悪い夢。なぜなら、あの最悪の日の終わりまでこの夢は終わらないのだから。
*
太陽が森に乗り移ったようだっだ。辺りは夜とは思えないほどに明るくて、辺りは夜とは思えないほどに騒がしい。ヨルノズクの群れが逃げ惑って宙を舞うその下で、町の男達が湖から水を汲み上げている。そして、そこから少し離れたところを走る二つの子供の影があった。
二人のうちの長身の方がもう片方の手を引いて夜の闇の中に逃げこむ。しばらくして二人が足を止めると、息を整える間もなく長身の方がもう片方の肩に掴みかかった。
「何があったんだ、ゴールド!」
「わっかんねぇよ!」
グリーンに肩を掴まれたゴールドが反駁する。正面の兄の顔をキッと睨み据えて肩に置かれた手を振り払った。低い森の悲鳴の中に息の上がったグリーンとゴールドの呼吸音が混ざる。
ふぅ、とグリーンが大きく息を吐いた。珍しく声を荒らげていたグリーンの瞳にいつもの冷静な色が宿る。
「……悪い。ゴールド、何が起きたのか話してくれないか」
グリーンに真っ直ぐに見つめられて、ゴールドにも徐々に落ち着きが戻ってくる。熱気に当てられた思考も、湖からの湿気を帯びた風で冷まされて元に戻りつつあった。ぽつぽつと、ゴールドは話し出した。
*
ゴールドとルビーが喧嘩して、ついゴールドの手が出過ぎる事はよくあった。それくらいルビーは強かった。それでも今回は意識まで飛ばしてしまって、流石にゴールドも反省していたのだ。
だから、湖の花を摘んできてやろうと思った。
「湖の花?」
「ルビーが話してたんだよ。湖のほとりにきれいな花がさいてるらしいからそれを見に行きたいって」
行ったはいいものの話の花は見つからなくて、日が暮れかけた時には諦めて帰ろうとした。
「そしたら、おれ、見たんだよ」
「……」
「町のやつが、ちっさいポケモンをいじめてたんだ」
酷い怪我だった。本当に死んでしまいそうなほどに。思わずゴールドが止めに入ると、そいつらはゴールドも標的にしだした。
「そんな顔すんなよ。全員兄貴よりもたいしたことなかったし。人数多かったのはたいへんだったけど」
そして、それは起こった。
「急にポケモンが燃えだしたんだ。そんでそのままあいつらにつっこんで、あばれて、それで森に火がうつった。びっくりしてたらうしろからガツンとやられて、気が付いたら周りは完全に燃えていて、……そーいやー兄貴どうやってあの中に入って来たんだ?」
「少し、な。……それじゃあゴールド、お前は何もしてないんだな?」
「してねぇよ。あんまりにもタイミングよく燃えるからおれもおどろいたけどさ」
「そう、か……。そのポケモンは?」
「さぁ? 気が付いたときにはいなかった」
*
A.10C2=45(通り)
つーわけで、頭の中のキャラ像整理のためにも45通り書いてみる……?
組み合わせ書き出し(前後は関係ありません)
色つきの名前の上の行と右の列を見るといい感じ。書いたら
それにしてもクリス以降は色が決めにくい。
赤 | 赤緑 | 赤青 | 赤黄 | 赤金 | 赤銀 | 赤晶 | 赤紅 | 赤蒼 | 赤翠 |
緑 | 緑青 | 緑黄 | 緑金 | 緑銀 | 緑晶 | 緑紅 | 緑蒼 | 緑翠 | |
青 | 青黄 | 青金 | 青銀 | 青晶 | 青紅 | 青蒼 | 青翠 | ||
黄 | 黄金 | 黄銀 | 黄晶 | 黄紅 | 黄蒼 | 黄翠 | |||
金 | 金銀 | 金晶 | 金蒼 | 金翠 | |||||
銀 | 銀紅 | 銀蒼 | 銀翠 | ||||||
晶 | 晶紅 | 晶蒼 | 晶翠 | ||||||
紅 | 紅蒼 | 紅翠 | |||||||
蒼 | 蒼翠 | ||||||||
翠 |
「着いたね。ここが、始まりの町」
「俺の旅も終わりかぁ……結局南の方は周れなかったのな」
「時間が無かったからね。それじゃあジスト、お元気で。君と出会えて本当によかった」
「なんだか今生の別れみたいだな」
「事実、その通りだからね」
「へ?」
「僕は君にこの地方についての様々なことを教えてきたけど、一つだけ、君に教えていないことがある」
「何だよ」
「何だろうね。ヒントはそれなりに残してきた。今から言うのが最後にして最大のヒント」
「おう」
「ジスト。君がこのシチユウ地方に来た日が何日だったか覚えているかい?」
「んーと、日記を見れば……」
「じゃあ、外に出たら新聞を買うといいよ」
「何で」
「さぁ、これでお別れは終わり。時間が迫ってる。さぁ、乗って」
*
謎解き要素があれば楽しいよなーという、ただそれだけ。
文章だけじゃあ明らかに分かりにくいと思うので(まぁ絵があっても分かりにくいが)絵も導入してみた。
シチユウの設定です。空間が他の地方とは隔離されているのですが、そのついでみたいな設定。時間軸とか平行世界とかそんな感じ。
矢印の向きに時間が進んでます。内はシチユウ、外はシチユウ以外の地方の時間の進み方です。
図を見れば分かりますが、逆向きです。
シチユウで時が進めば、他の地方では時が遡ってます。これが分かればおっけー。
図中の1がジストがアサギの方からシチユウに紛れ込んだ時間です。
そして赤色矢印のように時間が経過して、シチユウ地方から脱出してカナズミに着きます。その時間が図中の2。
青色矢印は外の時間の流れには逆らってます。つまり、外では1より2は過去になります。
そしてシチユウで1よりも昔の話、スズシロ博士がシチユウに迷い込んだ(図での3)のは外では1よりも未来の話になります。
この説明だとジストはアサギからシチユウに紛れ込むよりも前にシチユウから脱出してカナズミにいます。
このときジストは外に二人います。これでばったり二人に会ったらとんでもないことになります。だから、一度シチユウに入ってから外に出るまでの間には時間制限があります。それを超えると、もう外には出られません。このパターンが博士であり、サファイアにあたります。
この制限時間ってのは、進入地点と脱出地点の物理的な距離によります。船でアサギまで戻ってる最中にもう一人がシチユウに入ってしまえば問題ないです。それと、シチユウに入ってしまう人間は『時空の狭間』のようなところを通ってきます。ここは時間の進み方がおかしいところ。
……なんかわけわからんな。
それで案内役のカイトがセレビィってのはどうだろうかというものだった。極端に言えばポケモンが人型をとってる、ってやつ。シンオウの神話に「昔は人もポケモンも同じだった」というのがあるんですよ。異種婚姻譚の伝承です。オスカー(英国)ですね!
私のこのセレビィのイメージはそれ。ちなみに「シンオウ神話時代」って書いてるやつのイメージはこれなんです。人であり、ポケモンでもある。「要するに擬人化だろ」って言われるんだと思いますが私は違うと思ってます。
そうそう、それでジストとカイトは名前変えようかなぁなんて思ったんだった。
憑依能力について。
・ポケモンのタイプによる能力
・ポケモンの種族による能力
・ポケモンの強さによる能力
の三つが付加。
憑依者にかかる負担は種族値の合計に比例。
複数匹を憑依させるときはその和。
ポケモンのレベルは負担には関係ない。
レベルは付加される能力の強弱に関係。
憑依するポケモンのHP・攻撃・防御・素早の強さは憑依者の基礎能力に、特攻・特防は憑依者の特殊能力の強さ・耐性に関係する。
タイプ相性は憑依でも存在する。憑依されてない人間はノーマルタイプ。
複数タイプのポケモンの能力の上がり幅は平均される。
大体の能力は特殊能力を付加するが、ノーマル・格闘・飛行・岩・鋼は該当する特殊能力がない。基礎能力が向上する。
ドラゴンタイプは特殊能力かつ基礎能力だが、負担が大きい。エスパーも負担が大きい。
タイプによる能力(未完)
無 基 平均的に上がる
炎 特 炎を出せる
水 特 水を出せる
雷 特 雷を落とせる
草 特 草の成長を操れる
氷 特 氷を出せる
闘 基 攻撃がよく上がる
毒 特 毒の生成・状態異常の治癒が可能
地 特 地面を操れる
飛 基 身が軽くなる
超 特 超能力が使える。負担大
虫 特
岩 基 防御がよく上がる
霊 特
竜 基・特 強力だが負担大
悪 特
鋼 基 タフになる
こんなに設定練っても戦闘描写苦手だから意味無いんだよなぁ。
ポケモンに技を仕掛けられたときの人間の対処法
・避ける
・音技は耳を塞いで大声を出して音をかき消す。自分の耳で技の音が認識できなければOK
・光技は目を塞ぐかゴーグル着用でかわす。
・精神的にくる技(うそなきとか、いばるとか、いかくとか)は人間には効かない。
状態異常
・基本は毒タイプのポケモンを憑依させて治療する/してもらう
・毒・まひは薬でも治る
・やけどは通常のやけどの治療と同じ。軽症のものは自然治癒で大丈夫。
・ねむりは起こせばいい。
・こおりづけは炎で溶かす。やけどに注意
・こんらんはなかなかならないが、なった場合もしばらくすれば治るし、攻撃を受ければ回復する。
・メロメロにはならない。
・呪いはかけてきたポケモンを倒せば解消される。
☆説明
ちょっと設定に偏りすぎた話だったのと、あまりにも長すぎたので……。
設定は結構増えてきたから喋らせてみた。
ホウエン組書こうと思ったけどサファイアの訛りは分かんないしルビーのタメ語も分かんないしラルドは性格自体謎だし。
未だにエメラルドを名前と認識できない自分がいる。ルビーのサファイアの呼びかけはサファとかサフィでもいいかなと思ったけど、愛称って勝手に設定すると凄い違和感覚える人が絶対いるんだよね。私はゴールドの「ゴー」はアウトな人。「シルちゃん」はいける。自分でもたまにそう呼ぶし。サファイアはサファよりもサフィ派ですけどそしたらTOAの白髪変人研究者の姿が脳裏に……orz
はい、話違うね。
☆前話
グリゴールビで三兄弟とか考えてる自分の異質さを思い知った。
なんでこの組み合わせなんだろーとか考えても考えても……? よくわからん。
原因は多分ルビーなのですよ。寝てるときに見る夢の中で何故か奴はリザードンを使っていたのです。
更にゴールドが町追われた設定は決定で、しかも実はそれなりにいい家ということにしておこうとも思っていて、ルビーを考えるとこいつも坊ちゃんっぽいよなぁと思ってたら、じゃあ兄弟にしちゃえば良いじゃんと天啓到来?
うん、設定作った順番で言うとゴールビが先。それになんでグリーンがくっつくことになったのか……? さっぱりわからん。
しかもこの三人を兄弟にすることに決めてから設定まとめノート見返してみたら、同じ歳で能力発現することになってるんですよ! ここまできたら運命感じません?
ほんでつらつらとえげつない過去を捏造して、いい感じにルビーがどろどろになって、私的には満足してるんだが。
グリーンは苦労人長男気質、ゴールドは用意周到でも楽天家、ルビーは天才肌ゆえにマイペース てんで似てないのですが、共通点は結構策略家なところ。ゴールドで首を傾げるかと思いますけど、エメラルド編でアオギリにつかませた腕が実はマジックハンドだった、ってシーンを思い出していただければちょっとは、わかりやすいかな……? ゴー君は天才じゃあありません。シル君は天才なんですよね。ただゴールドは家がスペとはかけ離れてるから性格はちょっと影響でるかもしれんな……。
さてはて、ここまでくると未だに何も考えていないレブルを考えなきゃですね。
レッドは発現が遅めで、へたれ。ということだけは漠然とある。ブルーお姉さまは一人で孤独に戦ってそうな感じですかね。シルバーいないし。
☆キャラ概観
・レッド
この妄想のレッドは白のへたれです。召喚士の能力発現の年齢制限って、純粋にポケモンと心を通わせられる年齢制限なんですよね。だから遅めの発現のレッドはそれだけ純粋ってこと。死が隣にあるようなこの地方で、真っ当な幸せな家庭で育ってきたということ。子供っぽくて、皆を照らす太陽みたいな。スペじゃあこの役割はゴールドのような気もするんですけどね。この妄想のゴールドはちょっと病んでましたから。発現は遅いがグリーンとかブルーとかと肩を並べられるくらいには強いです。才能、というかポケモンの力を引き出すコツを最初から知っていた感じかな。
・グリーン
長男であんまり親子関係も上手くいってない家育ち。弟達の面倒を見てきたから、他人の世話をしたり他人を支えるのは無意識のうちにおこなえる。でも逆はできない。コツコツ努力家。ブラコンじゃあないけど弟達は本当に大切に思ってる。家族だもの。
・ブルー
この人は未だにイメージを掴みきれていない。クリスもサファイアも召喚士としては幸せな部類に入るので、ブルー姉さんは結構辛い過去だったりするんじゃないかなぁと思う。それを一人で乗り越えた、凄く強い人。グリーンとは結構昔からの知り合いだけど、一緒になってつるむようになったのはレッドがいるようになってからだと思う。レッドの温かさに惹かれた人。恋じゃあないですけど。
・イエロー
白→黒。
初めは純粋だったんです。でもね、黒くならないとやっていけないのシチユウ地方って。黒っていうか、純粋だとどうしても人一倍傷ついてしまうから、その自衛として純粋さを捨て去ろうとしている感じ。そういう黒さ。何も知らないままの子供じゃあいられなくなって大人の汚さも知って、真っ白ではいられなくなったという黒さ。だから基本的に皆黒だよ、といっておく。
・ゴールド
性格捻れ第一号。もう最近の時点では普通になってるんですけど、昔は人間不信とかで大変だった人。三兄弟の家は親がダメな感じなので、ゴールドの楽天家っていうのはもう都合のいいことしか見たくない、という過去の願望から生まれた癖が主な原因で形成されたのではないでしょうか。
二年くらい仙人生活をしていたから気配を殺したりするのは得意です。
・シルバー
諦観と傍観な人。シルバーのイメージは……いじめっ子がどっか行ってクラスにぽつんと残されたいじめられっ子? みんな余所余所しくて一人孤独にクラスから浮いている、そんな感じ。周囲も周囲で下手に話しかけたら今度はイジメの標的が自分になるのではないかと互いに互いを見張ってる。でも放っておくのは忍びなく思ってる、そんな感じ。シルバーは物心ついたころからそんな感じなので慣れてるからもはやなんとも思わなくて、周囲の気持ちも感じてそれを受け入れている。シルバーはクラスの皆が好きなんです。自分から話しかけにいく子がクリス、誰もいないときにシルバーの方から話しかければ相手するのが他の面々、だけどめんどくさいからシルバーはそんなことしない。基本暗い、でも白。人間の黒さを知った上で白さを信じられる白。
村よりも森にいることが多いくらいなんで野性の本能的なものが結構備わってる。気配には敏感。第六感がある。
・クリス
自分が正しいと思ったことを貫き通す人。納得できないことには従わない。ある意味理想家。でも理想しか見てなくて現実を知らないんじゃなくて、現実を知った上で、それでも理想を貫き通すタイプ。(……ってこれアビスオリキャラの誰かもこんな性格だったような)
・ルビー
性格捻れ第二号。ゴールドとは違って元が聡いから余計に泥沼にはまっちゃってました。かつての自分の兄達への信頼を疑いだして、でも心のどこかでは信じてる自分がいて、その自分を理性は疑いだして、みたいな自分で自分を疑うにつれて自分が二つに分かれちゃいそうになる感じ。信じてる自分は疑う自分を拒絶するようになって、疑う自分も信じてる自分を認めない。でもどっちも自分。矛盾。これが主要な捻れ要因かと。後はこれを外に吐き出せる相手がいなかったってことですか。
サファイアに全部ぶちまけてからはすっきりしたみたいです。サファイアに依存気味。
・サファイア
天然ルビー専用カウンセラー。野生児ですけど、本質的にはお母さんみたいな懐の深さを持ってる人じゃないかなぁ。自然に長く触れてきた人って、自分や人間のちっぽけさをよく知ってると思うんですよね。だからくよくよしない、前向き。自然の中で暮らす限り、一人で暮らしても平気な子だと思います。
・エメラルド
この子もあんまり考えてないんだよなぁ。召喚士に至る経緯は凄く平和的な子です。召喚士になっていろんな事を経験しても結局は前向き。悲観的な傾向のあるルビーとは対照的。
結論。
白→レッド、シルバー、クリス、サファイア、エメラルド
黒→グリーン、ブルー、イエロー、ゴールド、ルビー
おお、ちゃんと半々になった。
☆CP(組み合わせ)概観 思いついたのだけです。
一般的なの
・赤緑
逆にしたら本当にお兄ちゃん(緑)の甘える場所がなくなるので順番は固定です。てかレッドは総攻めだな。皆を癒してあげてください。
・赤青
上の通り。レッドはみんなのお母さんw
・赤黄
イエロー黒なんですけど、でもイメージはスペ本編な感じで。
・金銀
金はツンデレではなくて鬼畜系Sに近いと思います。銀もツンデレじゃあない……かな? じゃれあい。
紅にとっての藍が金にとっての銀です。無自覚に救済してる。銀は金の危うさを承知の上で傍観してますね、きっと。
・銀晶
コンビです。恋愛じゃあないの! それでもあえて×表記するなら晶×銀です。銀受けです。銀は一人でも平気ではあったかもしれないけど、やっぱり晶の存在は嬉しかったんですよね。んで晶は晶で放っておけない、みたいな。でも銀は一人でどっかにふらーっと行ってしまうので晶は追いかけるのが大変です。
・金晶
こいつらは、銀を愛する同士です(言い方キモい 後ろから銀を見守ってるイメージです。単体同士ではめちゃくちゃ仲がいいわけではないのかもしれない。二人っきりになったらなんとなく気まずい、みたいな。(それって恋じゃねというのはスルーで
・紅藍
相互扶助? 紅は藍に多大に寄りかかってますけど、藍もそれなりに紅に寄りかかってるんだよ、ってこと。ただ紅は藍がいなきゃ生きていけないだろうけど藍は紅がいなくても生きていけます。
・紅翠
友情ね、友情。紅は藍がいるからBLダメ。悲観的な紅を「なんでそう暗いほうに考えるんだよ」と軌道修正してあげる役割だと思います翠って。藍は「そうかもねぇ」って感じで、悲観的だろうが楽観的だろうがなるもんはなる! みたいな思考回路なんであてにならなさそう。紅は藍でかなりまともな方向に軌道修正されるんですけど、翠もちょっとその手伝いをしてるかなと思います。
マイナーなの
・緑金
手の焼ける弟と世話焼きな兄貴。
・緑紅
お互いになんとなく申し訳なさを持ってる。緑は甘やかすのは天才的に上手いから緑の手にかかれば紅だってブラコンになりますよきっと。
・金紅
兄弟ってよりも友達? 兄弟愛はどっかにあると思うけど、性格は合わないと思う。同属嫌悪に近いものがありそう。
・緑銀
緑は銀可愛がるだろーなー。でも銀の方が召喚士としては先輩だから教えあったりしてると思う。
緑さんの絡みっぷりすげぇw あとラルドだけじゃん男w
☆ふと思ったこと
・シルバーはこの10人の中で一番フェミニストだと思う。女の子と男の子で扱いの差が激しい。女の子って男の子に比べると弱いものですから、弱いものには優しくしないとという意識がかなり働いているイメージがあります。子供に対しても同様で、だからラルドだけは女の子みたいな扱い。ラルド複雑、みたいな(笑
・兄さん(グリーン)は男女平等に助けるタイプですよ。
・ルビーは正直サファイア以外はどうでもいい。でも処世術として、フェミニストの皮を被ってます。だから仲良くなると扱いは男女平等に悪くなる(最悪だこいつ まぁ、扱いが悪くなるほどルビーが信頼してる人間ってほとんどいませんけどね。
・レッド・ゴールド・エメラルドはそんなこと気にしてないと思うな!
☆一人称・二人称
ちょっとまとめとかないとまずいかなーと思いまして。
まず「俺」について。
私は普段は滅多にカタカナとかひらがなとか使わないんですけど、スペキャラは差別化のために導入しようかと思います。レッド・グリーンが「俺」でゴールド・シルバーが「オレ」でエメラルドが「おれ」。
シンオウ組はダイヤが僕でパールが俺だったと思うから、全部ひらがな?
イエローは「ボク」カタカナ指定。
ブルーはあたし? 私?
クリスは私だよね。サファイアは……なんだったっけ。お嬢は私と書いて「わたくし」と読む、と思う。
ルビーは僕だったと記憶してるんですけど、この人は漢字でいいや。ダイヤがひらがな。
一回単行本総ざらいしたほうがいいですね。んで表でも作らないとわかんなくなりそうだ。
二人称って言うのは、ゴールドは「てめー」じゃなくて「おめー」っぽいなと思っただけです。
☆どうしようルビーがツンデレっぽくなる……orz
緑 11/22 16歳(5章時)AB
青 6/1 16歳(5章時)B
黄 3/3 14歳(5章時)A
金 7/21 B
銀 12/24 AB
晶 4/30 A
紅 7/2 O
藍 9/20 O
単行本よりまとめてみたのですが、ラルドの誕生日はどこに書いてあるんだっけ……? 後シンオウ組も知りたい。
こうしてまとめてみると、皆イメージ通りの日に誕生日が来てると思う。
さて、本日はイエローの誕生日ですねv
イエロー、お誕生日おめでとー!
イエローもキャラ像がまとまっていない一人なので文章はかけませんが、一応シチユウ設定でマサラ組に祝ってもらおうかと思います。
*
「ささ、ここに座って。真ん中よ?」
「え、ええっと……?」
「それじゃレッドとグリーン」
「隣座るぞ、イエロー」
「……この椅子に三人掛けは無理がないか?」
「つべこべ言わずにはい、座った座った」
「あ、あの……?」
「よーしオッケー! じゃーいくわよ、イエロー!」
「は、はぃ?」
「「「誕生日おめでとう!」」」
ほっぺにキス×2 v
……!?!?
「れれれれれレッドさんにぐぐぐぐぐグリーンさん!?」
「おー、イエロー真っ赤だなぁ」
「うんうん、いいわねーこの構図」
「さて、始めるか」
「な、何をですか?」
「誕生日パーティーだよ。まぁ、いつもとそんなに変わらないんだけどな」
*
オチがないw イエローの頬にレッドとグリーンが両側からいっぺんにキスって萌えませんかという話。レイエもグリイエも好きだよーv
・シチユウ編・ワニノコの話続き。
言い訳(長い)
七歳児の口調って何ですか……漢字の基準は一応基準は小学二年生までで習ったような気がする字です。でもシチユウって明らかに現代社会よりも成人するのが早い(私の認識では大学生はまだ子供)から、子供の成長具合もちょっとは早いのかなーとか思うと葛藤。もっと小4くらいでよかったかも。あと、かなへの開き具合が結構適当。「沢」に関してはひらがなにするとわけが分からなくなるので漢字で喋ってもらいました。それと地の文は結構固めのつもり。そうしたらさ、台詞のひらがなとの対比で幼く見えるかなーとか。問題はこのシルバー達と同い年のときにゴールドが町から追われてるのですが……大丈夫かなぁ? ああそれにしても流れが適当すぎる。でも携帯って長文打つのに向いてないんだよ! 見返しがめんどくさいから! シルバーとクリスとワニノコの心の動きをもっと把握するのと、地の文での時間調節が課題。
・アビス会話(ハイト+ラディウス)
言い訳
どっちもオリキャラなのにアビスに分類してごめんなさいでもこいつらは私の中ではアビスキャラなんだ……! とりあえずラディウスの口調はこんなのはどうだろうかという実験的な会話。
・シチユウ設定 間引き
言い訳
カイトの台詞長い。もうちょっとスマートな説明文が書けるようになりたいです。まぁ、間引きとそれによる背景設定はしっかり説明できたと思うんですけど……長い。読みたがる人がいるかどうか。あとかなりシリアスな設定ではあるなと思いますね。生と死。こういうのを混ぜないと捕食者と獲物の共生に納得がいかない自分が恨めしい。
・おまけ スペ ゴールド+シルバー
但しこれよくよく考えるとゴールドが手料理をシルバーにご馳走してる構図なんですよね……
ルクティアの超振動に引きずられてハイトとレックの間でも超振動が起きて、レックだけチーグルの森にまで吹っ飛んで超振動の影響でハイトと記憶が混ざっちゃって、結局ハイトに記憶を移しちゃって、レック自身は記憶喪失になる、ってのは大方決まりで。この記憶喪失ってのは思い出だけの記憶喪失で、レックが今まで得た知識の方は全然記憶障害になってない、と。
このときのハイトをどうするかなぁと思っていたのですが、オリキャラのラディウスくんに頑張ってもらいましてガイと一緒にマルクトに向かうというのはどうだろうか。んでケセドニアでガイがディックを雇うというのはどうだろうか。
ラディウスは赤毛緑瞳の落ちぶれ上流貴族、つまりは中流で、フィンはラディウスの従兄弟でお爺ちゃんがファブレ公爵の母方のはとこくらい? ほぼ他人、くらいのルークつき使用人さんです。
性格は二人ともあんまり考えてなかったのですが、キムラスカ版ピオジェでいいんじゃないかと最近思ってきた。
ラディはハイト・レックと学園が同期で友人。普通は貴族は教養科なのだが、自分から譜業科(平民が大多数。中には奨学生制度で入学した貧民(ハイトとレックみたいな)もいる)に入ってきたまぁ、変人。というか家庭教師を散々つけられて教養科で学ぶことなんか全部頭に入ってる。身分を気にしない開けっぴろげな性格で、研究室なんかにもしょっちゅう遊びに来るような感じ。社交界からは道楽に耽っていると思われている。でも王位継承者だからラディを利用しようとする輩が後を絶えなくて、だからまだ仕事が決まらない。本人の希望としては技術系がやりたいようで、研究室訪問もそのためのコネ作り。学園時代にすっかり譜業科の皆さんには馴染んでいるので皆驚かないとかそんな感じ。遊んでいるだけのように見えるが実際はそうではない。キムラスカ貴族として国(民)を栄えさせることを望んでおり、その為には慣習をぶち破ることも厭わない。王位を継ぐべきは自分ではないと考えているが、考えが変われば自分から玉座を狙いに行くくらいの野心はある。
フィンはルーク付きの使用人兼家庭教師。ルークに対しては常に敬語だが、言っている内容は謙遜もへったくれもない。貴族として知っておかなければならない一般常識などをさりげなーくルークに仕込んでいる。とはいえルークよりも年下なので、屋敷でこっそり人を呼んで勉強させてもらっている。常に敬語全開なのも、常に笑顔だけど実際の感情は違うということも、そういう人に物事を説明されることも、厭味をいわれることも、ルークはフィンで慣れっこなので普通の人がジェイドに感じるような胡散臭さをルークはあまり感じていない。
捏造緑っ子はヴェントです。イオンレプリカの数は原作より減らしてます。ディストが別人に近くなってるんで。さらにディストはレプリカ作成に関してはジェイドを超えているくらいの人ですから、身体能力を弄るのも計算の上でやってます。能力が被験者よりも劣化してしまうのは仕方が無いので、どこを劣化させるか・どこを被験者レベルにするかを弄ってレプリカを4体作成。まぁ、実験でもあったことに違いはないのですが。平均的に劣化させたのがイオン、体術を集中的に伸ばしたのがシンクで、極力劣化を少なくしようとしたのがフローリアンで、譜術に特化させたのがヴェントです。なんでフロが導師じゃないかというと、成長が遅いからです。ディストは捨てる気は初めから無くて、導師にならなかった子は自分で世話をするつもりでした。そしたら勝手にヴァンとかが緑っ子を拾っていくというね(笑 ヴェントの名付け親はカンタビレ。ディストが押し付けました。譜術の潜在能力は被験者よりも高いのですが、やりすぎて発話能力が失われてしまった子。譜術は無理かと思いきや、無詠唱で譜術を使いこなす。髪は染めてるから緑ではなくて赤茶色(生え際をごまかすために始終帽子を着用)、瞳は譜眼をいれたので真っ赤。カンタビレが後見人となってますが、ある程度戦えるようになったらシンクの補佐をさせてます。ヴェントはシンク・イオンがイオンレプリカであることを知ってますが、シンク・イオンはヴェントがイオンレプリカであることを知らない。日常会話はディストが自作した液晶付きキーボードでやってます。デュラララ!! のセルティみたいな感じ。後は笛を数種類。中にはシンク専用もある。
当家のルーク↓
「……それはちょっと頼み方がおかしいんじゃねぇの? お前らは俺に協力を要請することしかできない。俺を無事に送り届けないと、和平なんて言ってらんねぇだろ?」
「おや。どうやらただのお馬鹿貴族ではないようですね」
「うるせっ。で、まぁそれはそれとして。俺はお前らへの協力、っつてもまぁ俺の話が何処まで叔父上に通じるのかは甚だ疑問だが、そいつを約束しよう。バチカルに無事、着いたら叔父上に和平締結を進言してみる」
「おや、まだ私は何も言っておりませんが」
「形式だけの言葉なんて時間の無駄だろ、内容は一緒なんだから。で、俺がお前の話を聞くならお前が俺の話を聞くのも道理だよなぁ?」
「そうですね。あなたの要求は?」
「ティアとハイトの拘束の解除。要するに、あいつらの国境侵犯を無かったことにして、俺と一緒にバチカルで降ろせってこと」
「わかりました。まぁ、初めからそのつもりでしたけどね」
・グリーン・ゴールド・ルビーが三兄弟。能力覚醒はみんな7歳の時。
結局のところ三人とも家出。本当に兄弟かと疑うくらいに似てない。グリーンはお祖父ちゃん似でゴールドがお父さん似でルビーはお母さん似。
グリーンは努力型の天才。覚醒時には既に召喚士(という名称はまだ一般的では無かったため化け物使いとかその程度)のことは知識として知っていて、酷い迫害にあうことも知っていたからあろう事か周囲に全く気づかせなかった。一人が召喚士ということは、兄弟も召喚士になりやすいということも知っていたので弟達を心配してということもある。親が典型的なポケモン嫌いだったので親に話そうとは思いついてもいない。自分と弟達の為にこっそりかなり勉強、おかげで知識はある。
ゴールドは兄とは違って楽観的な「なるようになる」思考。覚醒はグリーンとは違って大騒ぎになってしまい、町を追い出される。放っておくわけにもいかないグリーンも一緒になって町を出るも、ゴールドに大雑把なところを教えたくらいで逸れてしまう。そこからはポケモンの力を借りて一人で森をふらふらして実戦経験をやたらと積む。運動神経は抜群にいい。んで、2年くらいしてシルクリとばったり出会う。
ルビーはいわゆる天才さん。優秀な長兄を見てきたので実年齢よりも精神年齢が高い傾向があって、頭の回転も早いのにゴールドと遊ばされてたせいか運動も得意と言われるレベル。兄二人が失踪したおかげで親の重圧を一人でうけることになり、少々屈折した性格になった。ゴールドと一緒に消えたグリーンが所有していた本などからグリーンも召喚士だったのだろうと当たりをつけ、多分自分もなんだろうなとは薄々自覚。ばれたらどうなるかは次兄が身をもって示してくれたので長兄のように周囲に悟られまいとする。ただし、自分を置いて行った兄達への感情は複雑。特にグリーン。それで覚醒が7歳の時。しっかり誤魔化していたのだが、自分だけは家出などさせるまいと過干渉な親、それから歳をとってだんだん思慮深くなるにつれてますます複雑になる兄達への感情、常に他人に能力に気づかれまいと気を張る生活、兄達の件を受けてその弟であるルビーに貼られたレッテル、などなどが重なって重なってついにぶっつんと何かが切れて10歳のときに町を出る。その頃にはもう精神構造がなかなかに曲がりくねっていたのだが、純朴なサファイアと出会って徐々にマシになりつつある。
で、グリーンはルビーを置いていったらやばい事になるとは思っていましたが、放っておいたらゴールドはよく分からないまま死んでしまうに違いないという思いでゴールドに着いて行きました。あと当時まだ5歳のルビーを町から連れ出すべきか判断が下せなかった。町にいるほうが幸せなのではないか、みたいな。ルビーの置かれた状況は起こりうると思われた状況の中でも一番酷い、一番ありそうにない状況なんですよ。ゴールドは混乱していて自分のことで手一杯、ルビーのことは考えられなかった。しばらくしておいルビーは!? とグリーンに突っかかってたり。お兄ちゃんって大変ですね、グリーンさん。9歳でこれだからね。
ちなみにグリーンとゴールドは再会を果たしてます。というかグリーンが一方的に探してた。ゴールドははぐれちまったもんはしょうがねぇ、くらいの考え方で碌に人にも会わず仙人生活してたわけで(必要最小限度のものを分けてもらうくらいにしか他人と接触していない。町で住人達に掌を返すような扱いを受けたおかげで人間不信気味)、見つかりようが無かったんですよね。シルバーとクリスと行動を共にするようになってからは街なんかにも顔を出すようになって、それでようやくご対面。町を出てから3年後くらい? 子供の頃の3年はかなり長い。仲間を見つけて上手くやってるゴールドを見て、グリーンも安心したみたいです。それからは基本的にゴールドについては放置。ルビーは気になるものの(このときルビーはグリーンやゴールドが覚醒した7歳より一つ上の8歳)、町には近づけない。召喚士達の間でもグリーンの町は召喚士嫌いと有名で、なかなか情報が入って来ない。ルビーが町から出てようやく再会です。ひと波乱あったもののサファイアが仲裁に入ったおかげで仲直り。まぁ、ルビーからすれば5歳の頃にいなくなった兄達の記憶なんて結構曖昧なんですけどね。
現在の時点でルビーとゴールドは再会してません。ただ召喚士同士の情報網でゴールド達の話は結構聞くからルビーはまぁ探さなくていいいかと思ってる。ゴールドはなるようになるの人なので探してません。グリーンを探さなかったように。
んで、互いの呼び方。グリーンは呼び捨て。ゴールドは兄貴とルビー、ルビーは小さい頃はグリ兄、再会した時にはグリーン兄さんでゴールドは今も昔も呼び捨て。ルビーはゴールドを兄だとはあんまり思ってない。
・上の三人の話を書いていたらシルバーは凄く平和だなと思った。村八分で済んでますからね。
で、シルバーの世話をしている「おばさん」は昔に子供を亡くしているのですが、その子供がレッドです。実は死んでなかったオチ。レッドはよくいる戦災孤児の一人として育っていて、親は死んだものだと思っててそれを受け入れている。「おばさん」も子供は死んだものだと思っている。レッドの名前は育った村の人間がつけたものだからシルバーも気付かない。実はレッドとシルバーが義兄弟だ、という話。まぁこれは裏設定になるんだろうけど。シルバーは「おばさん」を母親だとは思ってません。自分を受け入れてくれて育ててくれた恩人くらいの認識です。
シルバーとクリスの村は閉鎖的な村ですが、召喚士達の間では自分達の能力を明かしても大丈夫だという評価を下されている数少ない村です。但し他の村との交流も皆無なのであんまり知られていませんが。一応シルバーという召喚士を受け入れている村ですからね。クリスの覚醒のときもその時は怯え、拒絶したものの、クリスをつれてシルバーが村を出て行ってからはそこまですることは無かったのではないか、と反省気味なくらい。シルクリの帰郷も故郷を追い出された召喚士にしてはかなり早い方です。
▽背景設定
シルバー・クリス→7歳
戦争終結から9年・現在から8年前
この時点でシルバーと契約しているのはニューラのみ。
終戦間近になると人間は主に海沿い、ポケモンは内陸部を占領。戦争中に放棄された都市の近くの村。村から少し行けば廃墟に出るが、ポケモンの巣窟となっていて危険。村は都市に使われていた石材と、周辺の木を組み合わせて出来てる。村は内陸部のため、周囲は森。都市は放棄されてから10年以上経過。舗装された地面からも若木が生えてる感じ。子供が歩ける範囲に沢があり、水ポケモンも多数棲息。村周辺では草ポケモンや虫ポケモン、淡水系の水ポケモンや森の中にいそうな獣型ポケモン、鳥系、廃墟にはゴーストタイプとか。
子シルバーの髪型どうしようorz 昔っから長かった、てことでいいかな?
ヤミカラスは友達です!
▽本編
だからやめようと言ったのに! なんで石なんて投げちゃうんだろう。やっぱりおこっちゃったじゃないの!
盛大に文句を心の中で吐きながら、クリスは慣れない森を走っていた。前では我先にと逃げ出した友人達が走っていて、後からは水色の影がひょこひょこと子供達を追いかけまわしている。時折その水色は威嚇の水鉄砲を発射してきて、その度に子供達は悲鳴やら歓声やら(クリスは確実に悲鳴の方だ)をあげて走る速さを上げた。
今も、クリスの視界の端で水柱が駆け抜けた。思わず後を振り返って、大きく顎を開いた水色の姿を確認すると同時にがつ、と右足に嫌な予感。ぐるんと世界が回りだして、それからすぐに肩に衝撃。クリスが足を引っ掛けた根の主も少し揺れて、葉が二枚ほど落ちていく。
痛い。
強かにぶつけた肩と膝と、体の下敷きになった右腕が特にじんじんする。クリスの目に涙が溜まっていく。それでも泣いている場合じゃあないと自分を叱咤して、クリスは左腕を支えにして起き上がった。もう友達の姿は見えない。置いて行かれた、そう思うと更に泣きたくなった。だがクリスには泣く間もなかった。
「だいじょうぶ?」
突然声が降ってきた。
クリスが顔を上げると、 枝に危なげも無く腰掛ける人影があった。きれいな赤銅色の髪に、銀色の瞳。
「シルバー?」
するすると身軽にシルバーが降りてくる。
「はでにこけたな。立てる?」
シルバーが座り込んだままのクリスに手を差し出す。その手を借りて、何とかクリスは立ち上がった。じんじんはする。でも、立てないほどじゃあない。礼を言おうとシルバーの方を向くと、突然スッ、とシルバーの目が細まる。唐突な変化に驚いたクリスを気にも留めずに、シルバーは彼女の後ろに立った。釣られて振り返ったクリスの目に水色の影が写った。そうだ、にげないと!
「……なぁ」
襲い掛かろうとした水色、逃げようとしたクリスの両方が固まる。シルバーの剣呑な様子は綺麗さっぱり消えていた。
「このワニノコからにげてこけたのか?」
この、という代名詞から何を指しているのか検討をつけ、とりあえずクリスは頷く。
「わにの、こ……?」
「こいつの種族名。どんなものでも、名前があればそんなにこわくない」
シルバーがワニノコと呼んだ水色の前で屈む。おいで、とシルバーが呼ぶとそのワニノコは先程までクリス達を追い掛け回していたのが嘘のように大人しくシルバーの腕に収まった。彼がワニノコを検分する。その間、ワニノコは暴れもしないのを見て怖ず怖ずとクリスは近付いた。だが撫でてみようと手を伸ばすとワニノコは口を大きく開けた。
「きゃっ!」
びっくりしてクリスは身を引いた。ぽこん、とワニノコの頭にシルバーの拳骨が落ちる。ワニノコの頭と共に上あごも下がって口が閉じられた。不服そうにワニノコが唸る。クリスはいつシルバーが噛み付かれるかはらはらしたが、シルバーは平然とうるさい、と文句を言っていた。全身を隈なく見て、ワニノコを解放する。
「それで、おまえたちはこいつに何をしたんだ?」
「ちょっと、石をなげたり、とか……」
目線だけで呆れた、とシルバーが言う。慌ててクリスは弁解した。
「わ、わたしはやめよう、って言ったよ?!」
「止められなかったら意味がない。こけるくらいですんでよかったな。気の短いやつなら大けがだぞ」
じぃ、とワニノコがシルバーを見上げている。シルバーがしっしっ、と手を振るとワニノコはとてとてと歩いていった。
「かえろう。歩けるか?」
「う、ん……だいじょうぶ。……あれ?」
妙な光景を見てクリスは声をあげた。
「どうした?」
「あのワニノコ、もどってきてる」
「はぁ?」
二人の前まで来たワニノコはそのまま通り過ぎ、しばらくして頭をきょろきょろ。それからまた戻ってきて、を繰り返す。
「どうしたのかな?」
「……まさか」
何度目かに戻ってきたワニノコをシルバーが摘み上げる。
「かえる方向がわからなくなった?」
そうだ、と言わんばかりにワニノコが手足をばたつかせる。
「おまえ、ポケモンだろう……」
呆れながらシルバーはワニノコを地面に下ろし、軽く辺りを見回す。クリスにはどの方角も同じように見えたのだが、シルバーには違って見えたらしい。
「おれはこいつを沢にかえす。おまえは先に村にかえれ」
「えぇ!? あぶないよ、シルバー」
「おれはあぶなくない。おまえは早くかえって、村のみんなを安心させた方がいい。おまえをさがしにみんなが森に入ったら、それこそあぶない」
「そ、そうだけど……わたし、一人でかえれるかなぁ……」
そっちか、と言わんばかりにシルバーが息を吐く。少し視線をさ迷わせた後、スタスタと歩いて赤い木の実をもぎ取ると、シルバーはピィーー、と指笛を鳴らした。森の中の空気がそれだけで引き締まる。程なくして、バサッ、という羽音と共に真っ黒な鳥がシルバーの腕に止まった。その鳥にシルバーがもぎ取った木の実を差し出す。それから小声で鳥に囁いていた。凄い、と純粋にクリスは思った。普通だったら逃げ出すようなポケモンと対等にやっているのだ。シルバーなら何でもできるんじゃないか。そんな事も思っていると、シルバーにおい、と呼びかけられる。
「こいつはヤミカラス。村までおまえをつれて行くようにたのんだから、ついていってかえるんだ」
おれはこいつをおくるから、とシルバーが足に引っ付いているワニノコを指差すと、腕に止まっていたヤミカラスがバサッ、バサッと羽ばたいて少し遠くの木に止まる。それからクリスの方を向いて、促すように二度鳴いた。
「ま、まって!」
クリスが走りだそうとして、痛みに足を止めた。それから早歩きに切り替えると、ぎこちなくも歩き始めた。なんとか無事に村には辿り着けそうな様子を見て、シルバーは反対方向に歩き出した。少しして、シルバー! と名を呼ぶ声がした。
「どうもありがとー!」
振り返るとヤミカラスに追い付いたクリスがシルバーに手を振っている。それにシルバーは手だけを振り返すと、また沢に向かって歩きだした。その表情が、普段よりほんの少しだけ緩んでいた。
「結構レプリカって便利でしょう?」
言葉を失ったガイを振り返って、ハイトは苦笑した。
「? 便利って、何が?」
「掃除要らずだねってこと」
「うん? ……あぁそっか、普通は髪が残るもんな」
自分の身から離された瞬間から形を保てなくなる自分の一部を眺めながら、なんてことはないようにレックが言う。
それを恐ろしいと、どこかでガイは感じてしまった。
「……本当に、俺達とは違うんだな」
「まぁなー。けど大体は同じだから、一つ大目に見てくれよ」
人間とよく似たそうじゃない生き物が知らないうちに側にいた、ということにガイは思わず身震いした。
「あれ、ガイはどうしたんだ?」
「びっくりしたみたいだね。さっき出ていったよ」
「早く慣れてくんないかなぁ。髪の毛ごときで驚いてたらこの先身が持たないと思うけど」
「未知の事を受け入れるのには時間がかかるものだよ、レック」
「そうかぁ?」
「研究所の皆は例外だって。あれは未知のものを見つけたら飛び付いて理解したがる人種じゃない」
「そっか」
*****
「レック……? レックなんだね?!」
廊下の角を曲がってやってきた人影が見えた瞬間、どくんと心臓が鳴って、俺とその人以外が辺りから消失した。
走ってくる。白衣を乱して、髪を揺らして。俺とそっくりな、顔で。心からの安堵の表情がそこにはあった。明らかに彼は俺を知っていた。それは俺をいくらか不安にさせるはずだったが、それでも俺はその不安を遥かに上回る喜びを確かに感じていた。俺はずっと、この人に会いたかった。俺はこの人を知っている。記憶からは失くなってしまっても、心が、覚えている。
「レック!」
力加減も何もなく、ひたすらに強く抱きしめられる。それを何の抵抗も無く受け入れる自分がいる。彼の体温が嬉しくて愛おしくて、名前も付けられないような激情が沸き起こる。
「本当に、本当に心配したんだから……」
ああ、と納得する。あの自分には慣れない名前はこの人のものだったのだ、と。誰よりも俺の事を愛してくれる、この人の名前だけは忘れなかった。例え自分の名すらわからなくなっても。
「ハイト」
ぽつりと零した俺の声に、答えるように腕の力が強くなった。それからすぐに解放される。
「ごめん、びっくりしたね」
ハイトは少し照れたように笑って、ようやく俺はここが研究院の真ん前だった事を思い出した。途端に恥ずかしくなって顔に血が昇る。それを見てハイトは声を出して笑った。
「とりあえず、部屋に戻ろうか」
差し出された右手。果たしてそれを取っていいものかと俺は戸惑う。確かにこの人は俺が知っていた人だが、でもこの人について俺は何も知らない。記憶を無くした俺が、この人に歓迎されてもいいのだろうか。
「レック?」
多分俺はレックというんだろう。でも俺には、記憶がない。この人が求めているレックとはきっと違う。
「僕が信じられない?」
わざわざ俺を下から覗き込んでそう聞かれて、俺は咄嗟に首を横に振った。違う、そうじゃない。信じられないのは、自分自身だ。もう一度ハイトに緩く抱き寄せられる。
「大丈夫。大丈夫だから……」
ね? と至近距離でハイトに笑われると、もう俺に抵抗はできなかった。問答無用で手を引かれ、そのまま歩き出す。俺の手を引く白衣の後ろ姿を見て、俺はこの人には一生敵わないに違いないと何となく思った。
*
研究室の扉が乱暴に開かれる。その衝撃で部屋自体が揺れて、ちょうどグラフを描いていた僕までも揺れた。むっときて首を捻って扉を見る。息を切らせた同僚と目があった。
「ハイト、レックだ!」
言われた言葉の意味を理解した時には今までしていた事も忘れて走り出していた。
「どこ!?」
「受け付け!」
開け放たれたままの扉をくぐり抜け、走行厳禁の廊下をなるべく静かに走る。受け付けに繋がる廊下を曲がると、足が一瞬止まった。
「レック……? レックなんだね?!」
僕がそこには立っていた。正確には僕のレプリカだ。僕を見て目を見開いている。僕にとってかけがえのない、世界にたった一人しかいない僕の半身。やっと、帰ってきた。
「レック!」
駆け寄って思う存分抱きしめる。腕の中のレックの存在を全身で感じ取る。ただただ、僕と同じである事に安堵する。
「本当に、本当に心配したんだから……」
珍しくレックは身じろぎもしない。何かがおかしい。か細い声で名を呼ばれて、ようやく僕は思い出した。
記憶だ。
何故か超振動が起きてしまったあの時に、記憶を司っていた第七音素の混信が起きたらしかった。今僕にはレックの分の記憶もあって、つまりはレックには記憶が無い可能性が高い。今の今まですっかり失念していたが。
僕の記憶を失ったレックはそれでも僕と似ているのだろうか。そんなことが頭を掠めた。
「ごめん、びっくりしたね」
レックを腕から解放すると、しばらくしてから真っ赤になった。いつもならこれくらい平然としているのに、と思うと少し面白い。
「とりあえず、部屋に戻ろうか」
手を差し出してみて、その手が空を切る事に驚いた。
「レック?」
声をかけてようやくレックが不安げな顔をしている事に気付く。まだ、僕は他人なのだ。
「僕が信じられない?」
レックの顔を覗き込む。レックはすぐに首を横に降って、それでもだんまりを決め込んだ。目が不安に揺れている。安心できるようにレックに笑いかけて、もう一度抱き寄せた。レックは拒む気配もなく、すんなり身を寄せた。
「大丈夫だよ。大丈夫だから……」
強張った体から徐々に力が抜けていくのが分かった。最後にぽん、と頭を一つ叩いて、レックの手を掴む。
「さ、行くよ」
まだ少し不安げな顔。それでもレックは、僕の手を取った。
*****
01.告白
蝉が鳴いている。しかしそこだけは静まり返っていた。少年が何度も口を開き、そして閉じる。だが一瞬だけ蝉が鳴き止んだ、その時――。(63字)
(100210)
*****
腕の下の上気した頬とか、少し乱れた赤い髪とか、うっすらと滲む汗とか。見る度に本当にこいつは綺麗だと思う。でもそれよりももっと綺麗だと思うのは、
「シルバー」
「何だ」
こんな時でも意思の強い、涙で潤んだ銀色の瞳。名を呼べばそれを隠していた瞼がゆっくりと開いて、そこに俺を映し込む。
「綺麗だよ、お前」
「またそれか」
「そうとしか言いようがねぇんだ」
真っ直ぐその銀色を覗き込む。だがすぐに視線は逸らされた。まだ、慣れてはくれないらしい。赤い髪を宥めるように撫でて、耳元で囁きを一つ落とした。
「続き、いいか?」
俺の声から逃れるように身を少しよじって、それでもこいつは掠れた声で了承を答えた。そんな愛しい愛しい恋人に口付けを送る。
夜はまだ、明けない。
(100210)
言わなきゃわかんないだろうがポケスペのゴシル。シルバーは美人さんという事で。シルバーが好きで好きで参っちゃってるゴールドとまだあんまり自己肯定ができないシルバー。
しっかしこの文は年齢制限いるのかね。いらないよねぇ?
*****
「馬鹿でも風邪は引くんだな」
「……るせっ」
「あまり騒ぐな。辛いのだろう?」
「んなこと、ねぇよ……」
「はぁ。……俺が離れればいいだけの事か。大人しくしてろよ、ゴールド」
「……っ。まて、よ」
「どうした?」
「いったら、やだ」
「……仕方のない奴だな。寝付くまで、だからな」
「おー」
「……」
「…………」
「…………」
「……シ、ルバー」
「何だ」
「……ひまだ」
「そうか」
「なんか、はな、せよ」
「注目の多い奴だな……」
(100213)
あれ、シルゴ? この後はゴールドに反駁させて体力を消耗させないように、本当に下らない話を延々としてあげたんだろうシルバーは。
後シルバーに看病経験があるのかと言うと、昔風邪引いた時にワタルに看てもらったことがあるようです。うん。
*****
いくら野生ポケモンが凶暴化したシチユウでも、ポケモンが町を襲う事は少なかった。それは町に特別な何かがあるからではなく、町が人間の縄張りだとポケモン達には理解され、迂闊にちょっかいをかけると手酷いしっぺ返しをくらうとポケモン達は知っていたからである。だから、人間の縄張りだと思われていないような小さな集落は常にポケモンに襲われるという危険性を孕んでいた。そしてシチユウの人間の殆どが、そんな集落に住んでいた。
季節は秋から冬にかけて。山の中の木々はすっかり丸裸になり、地面に落ち葉のカーペットが敷き詰められる頃。ざく、ざく、と音を立てて枯れ葉の海に足を沈める二つの人影があった。
*****
・スズシロ博士の指示のもと召喚士についてのデータを集める召喚士達
・ブラック
・ブラウン
・グレイ
・オレンジ
召喚士発生直後の召喚士達で、スズシロ博士に心酔。当然カイトとも知り合い。歳は20代後半~30歳前後くらい。召喚士歴は15年が最長。発現が早過ぎるシルバーは召喚士歴だけでいうなら彼らと同等。
・特に初めの頃の召喚士達は迫害が激しかったため、召喚士同士の繋がりが強い。
・町と呼べるほどの集落にはたいていその町を拠点とするベテラン(10年越え)召喚士がいる。ジムリーダーの感じ。彼らが周囲のポケモン達を適度に仕付けるおかげで町はほとんど襲われない。
・最年長の召喚士はウイルスを散布した年に17歳で能力発現した人。現在30歳と少し。
*****
「ゴールド?」
「今日は何もしねーよ。大丈夫か? 酷い顔してんぜ?」
「……お前にそんな堪え性があったのかと驚いてるだけだ」
「かーわいくないなぁ。そんな事言うなら襲うぞ?」
「一度言った事は守ったらどうだ」
「……お前、俺とやんの嫌い?」
「今はな。……普段はそうでもない」
「……可愛すぎだってのこの馬鹿野郎」
「…………」
「おーい、シルバー?」
「……」
「……寝てる」
「……」
「俺は眠れねぇよ……この馬鹿」
*****
なんでゴシルってこんなんばっかり……。二人とも素直すぎて気持ち悪いorz
男の子同士ですら友情設定がどんどんエスカレートしてBLに至ってしまうような性分なのに、男女って相当気を使わないとまずいですよ。男女間の友情の成立条件は互い以外に恋愛対象がいることだと信じている割にはそんな人いないしね。
で、シルバーの過去設定。
最初に契約したポケモンはニューラです。碌に口も利けないような歳で契約してます。だから得意属性は氷。次がワニノコかな、と思ってます。同じ村の子供達が親の言いつけを破って度胸試しに森に入って、子供のワニノコを見つけてちょっかいをかけるんですよ。別にいじめてるわけではなくて、もっと無邪気に? 石を投げつけたりして。そうこうしてたらワニノコが怒って襲ってきて、みんな逃げ出すんだけどクリスが逃げ遅れて。ワニノコに噛み付かれかけたところを間一髪シルバーが助けて、みたいな話(どこのヒーローだ)。シルバーは腕に噛み付かれて血も出てる状態なのですが、ニューラが憑依しているので体はだいぶ頑丈になってます。だから大した怪我ではない。だけどそれを見て動揺したクリスはなかなか村に帰ってくれなくて、でもシルバーはこのワニノコを親のところに帰したくて、仕方が無いからニューラに強制連行させる、と。それでようやく一人(と一匹)になったシルバーが生身で親のオーダイル達のところに一人で行って、みたいな。ちなみに村近辺のポケモン達はシルバーが躾けたおかげか村の人間達に対しては寛容です。共生者、という認識。だから親オーダイルも子供の喧嘩ということで放置気味。別に人間に対して怒ってるわけではなかったりする。んでワニノコを親のところに帰したシルバーなのですが、当のワニノコにどうも懐かれてしまってずるずると契約に至る、と。ちなみにそのワニノコを親オーダイルの元に帰すところに丁度旅の召喚士が通りかかって、シルバーが襲われてると勘違いして(何せ腕から血)ワニノコ親子に攻撃してきかけたのをシルバーが止めたりもしてます。
人間はポケモンを食用とするのか。ポケモンはポケモンを食用とするのか。
……謎だ。ゲーム中でもヤドンの尻尾は珍味とか言ってるからやっぱり食べるのか? ヒメグマの毛皮、とか存在するのか?
まぁ、人間がポケモンを食べるのはよっぽどのことがない限りありえないということにしよう。道端の雀を焼き鳥にはしないよね、って話。ポケモンの方はどうなのかと言うと、まぁ食べちゃえ、うん。動物が動物を食べることはままあることだ。ただ肉食のポケモンは少ない、ということで。……でも具体的に何が何を食べるのと聞かれたら考え込まざるを得ない。ピジョットがキャタピーを?ケムッソを? しかし人間がポケモンの食物連鎖に組み込まれたらあっという間に全滅しそうなんだが。じゃあどうして現代社会において人間は殆ど動物に食われる事が無いのか。やっぱり生息地域の違い? それと動物はポケモンと比べたら非力だから?
ついでにポケモン世界に動物が存在するのかどうか。現実世界の動物の代わりにポケモンが存在しているのか、動物もいて更にポケモンもいるのか。ただ「でんきねずみポケモン」とかいるわけだからやっぱり動物は存在してないとまずいよなぁ。ポケモンが様々な能力を持っているのはやはり自分の身を守るためだと思うのだが、何から?
昔はポケモンを主食とする動物がいたが、ポケモンが人間と手を組んでそいつを絶滅させたというのはどうだろうか。それとも、ロストテクノロジー的な感じで過去の人間が人間を決して襲わないように動物を弄って生まれたのがポケモンとか? 過去の人類が伝ポケを参考にして遺伝子をいじくり回して生まれたのがポケモン、そして動物は絶滅、言葉だけが現在に残ってるとか? それとも普通にゲーム画面には全く出てこないがポケモン世界にも犬とか猫とか、そういう動物が存在して、ポケモン達はそれを食べているとか。うーん。
例え意思の疎通がはかれるとしても、例えば人間は人間を食べて生きているとしたらやっぱり人間は意志の疎通が図れる人間を殺して食べるしかないと思うんだ。やっぱりポケモン世界は理想郷で現実にはありえないのか。ああもうポケモンは霞を食べて生きてればいいよとは思うがでも無機物はかなり容赦なく食べてるんだよなぁ。ココドラとか。あとトロピウスのバナナって美味しいんだよね。
生き物は生きている限り他の命を奪うしかない。やっぱりポケモンという一種の生き物を描こうと思ったらこのことは避けて通れない。でもそれを真正面から受け入れる勇気が私にあるのだろうか。
捕食者と獲物の共生は果たしてありえるのか。「あらしのよるに」は実際にはありえるのか。
まず私のポケスペ二次創作におけるジョウト組の基本方針について説明。
ポケスペ二次創作界における ゴークリ←シル の構図が大っ嫌いなんです。公式相手に片思いすることの不毛さといったら!(ゴークリを否定してるわけじゃあないんだ勘違いしないでくれよ! ゴークリ好きだから! ただシルバーのことを考えると純粋に(ルサのごとく)楽しめないだけで!)
そして私はシルバーが大好きなのです(可哀相だから幸せにしてやりたい)。だからむしろ ゴー→シル←クリ な感じで。シルバー総愛されみたいな。ゴークリはむしろシルバー攻同士のノリで仲がよければいいんじゃないでしょうかね。
ただ、スペ本編では ゴークリ←シル ではないと思ってます。二次創作は基本的にCPを組むことが前提になってて、そうしたらジョウト組が三人である以上私の中で平和的に解決はしないんですよね。あくまでも私の中の話で、他人の考えについてどうこう言いたいわけじゃあないです。
で、以上のことを踏まえてパロ(シチユウ)設定。
ゴールド・シルバー・クリスの三人で仲がよければいいと思います。三人なんです。
ゴークリ+シルバー じゃなくて ゴー+シル+クリ なんです。三人でピッタリ歯車が合う感じ。
シルバーとクリスが幼馴染で、そこにゴールドが乱入という形になります。
シルバーは身寄りが無い+かなり幼い頃から召喚能力を発揮 ということで孤立しがち(とはいえ流石に村の子供を餓死させるわけにもいかないから一応世話はされていた)だった。クリスはそんなシルバーにも分け隔てなく接してた。クリスは聡い子供だったので、大人がダメということを鵜呑みにする子じゃあなかったんです。シルバーは召喚士だから一緒に遊んじゃだめ、でも何で召喚士と一緒に遊んだらダメなの? という感覚で。ただクリスは大人受けがよかったから(大人の指示で道理が通ってることなら素直に聞く。要するにわがまま言わない。受けが良かっただけで可愛がられていたわけではない)、シルバーと遊んでも村の中に溶け込めてた、という感じ。
状況が変わったのはクリスに能力が発現した時。皆が掌を返したようにクリスから遠ざかる。親からも気味悪がられて酷く傷ついたクリスを、シルバーが強引に村から連れ出した。それが二人の始まり。
んで村から出てすぐにゴールドと知り合って三人でつるむようになります。
能力の発現順は シル→ゴー→クリ になります。シルバーは召喚士歴が長いから制御は安定してるんだけど実戦が少ない、ゴールドは発現してすぐに村から追い出されたクチだから実戦経験だけは豊富、という感じ。ゴールドとシルバーは互いに知らないことを吸収しあってきて、クリスは二人からしっかり教えてもらったから凄く伸びが良かった、という感じです。
・ホウエン組
こっちはジョウト組とは対照的にルサ+エメラルドになります。エメラルドがああもうこのバカップルは……っ! と思いながらも二人と付き合っていく感じです。ルサの共通の友人。
で、エメラルドがちょっと可哀そうだから贔屓します。すぐにポケモンと心を通わせられる、つまりは契約が得意。しかも契約してないポケモン達までエメラルドに自主的に協力してきたりする。要するにポケモンから愛され体質なわけですね。契約はしてないがラティ兄妹が相棒です。
役割分担はサファイアが格闘、エメラルドが頭脳労働、ルビーはサファイアのカバー となっているはずなんだが、格闘はルビーが一番得意で作戦立案もルビーの方が得意、召喚はエメラルドが一番得意、でサファイアは第六感つまりは勘が働くタイプだったりする。ちなみにエメラルド、格闘のほうはてんでダメ。
・イエロー
他のカントー組はまだ何も無いんだ……。カントー組はイエロー含んだ4人でつるんでます。
で、この設定においてイエローは黒。
優しい子なんですけど、レッド達があんまりにも無茶ばっかりするから「心配かけないで下さいって何度も言ってるのにそれでも怪我するんだったら僕もう診ません」という具合にぷっつんいっちゃいました、という。
医者の卵でもあり、医学で治せる傷は診ないor法外な金額を要求するのが基本方針。
但し命に関わるような重症は自分を省みないで治療します。
その希少な能力ゆえにしょっちゅう誘拐まがいのことをされ、妙に肝が据わっている。
こりゃ死んだ、と確かにジストは思った。テッカニンから人間が逃げられるわけがなかったのだ。既に数回受けた連続斬りの傷からもそれは明らかだった。もう一度食らったら、それで終わりだ。そしてもう一度テッカニンが構えに入ったのを彼は認めた。死んでたまるかという思いが無かったわけではない。だが、テッカニンがよほどのポカをやらかしてくれない限り、避けることはできない事をジストは確信していた。
だが彼は生きていた。だから何が起こったのか理解できなかった。地面にはあのテッカニンが体液を流しながら落ちていて、自分の目の前には何やら細長い棒を持った少年が背を向けて立っている。もう動かないポケモンを見て、ああ助かったのかと漠然と感じていた。
「ふぅーっ。何とか間に合った。ナイスサポート、クリス!」
キャップ帽を前後逆さまに被った少年が斜め後の木を振り仰ぐと、いつの間に登っていたのか、少女が枝から軽く飛び降りてくる。手に持っているのは弓だ。
「もぅ……突然走りだしたりしないでよ。びっくりしたじゃない」 おそらく彼女が『クリス』なのだろう。少年が悪ぃ悪ぃと軽く謝り、それからジストの方を向いた。
「で……つい助けちまった訳だが、今の時期に町の外に出るってこたぁお前自殺志願者か?」
何か話し掛けてきているという事だけをジストは認識した。
「おーい、大丈夫かぁ?」
キャップ帽の少年がジストの顔を覗き込む。金色の瞳に射抜かれてようやく話し掛けられた内容を反芻した。
「あー悪い、さっき護衛してくれてたやつと逸れてしまってだな……そいつも何か言ってたんだが、この時期って何があるんだ?」
ジストの言葉を聞いて二人が顔を見合わせる。答えは背後から聞こえてきた。
「今は『間引き』の時期だ」
何の気配もなく現れた第三の存在にジストは振り返った。いつの間にか赤い長髪を持った少年が立っている。
「まびき……?」
「お前、『間引き』も知らねーのか?」
キャップ帽の少年が金色の瞳を瞬かせる。
「外から来たからあまりこの地方の事はわからないんだ」
「外……?」
「俺も実はよく分かっていない。ただ、一緒に来ていたやつがそう言ってただけで……」
「そいつの名は?」
赤髪が口を挟む。
「カイト。スズシロ・カイト」
「! あのスズシロ研究所のところのやつか!?」
身を乗り出してきたキャップ帽の少年から身を引きつつ、ジストはそれは知らないけど……と答えた。
「ちょっと三人とも、話はもうちょっと落ち着ける場所でしない? 流石にここは危ないわ」
「っと、そうだったな……バクたろう!」
キャップ帽の少年が金色の瞳を伏せてそう言うと、彼の隣に炎を背負ったポケモンが姿を現す。『召喚』だ。喚びだした少年がそのポケモン、バクフーンの頭を優しく撫でる。
「燃やしてやれ、バクたろう」
バクフーンの背中の炎が息絶えたテッカニンを包み込む。これまでに何度も見た、殺されたポケモン達とテッカニンの姿が重なって、ジストは吐き気を堪えた。このポケモンを殺すという習慣にはジストは慣れられなかった。ジストにとってポケモンはよき隣人であり、友人なのだ。殺すだなんて、とんでもない。
完全にテッカニンが灰になった事を見届けるとキャップ帽の少年はバクフーンを再び宿した。
「んじゃとりあえず基地まで戻るか。お前もそれでいいな?」
ジストは頷いた。
*
『基地』は大木の洞(うろ)をポケモンの技で整備した所だった。ジストも何度か泊まった事がある。
「さて、それじゃあ自己紹介でもしましょうか」
少女の一声で自己紹介が始まった。やはりこの少女がクリスで、金目キャップ帽はゴールド、銀目赤長髪はシルバーと名乗った。
「それで、お前は何者なんだ」
シルバーが問いかける。
「俺はジスト。何者か、と聞かれてもどう答えればいいのかわかんないんだけど……まずこれを見てくれ」
ジストはこの地方に来てから大切にしまいこんでいたモンスターボールを取り出した。三人がきょとんとした顔をする。
「何だそれ?」
「モンスターボールって言って、」
言いながらジストが開閉ボタンを押すと赤い光がボールから漏れ、炎を纏った一匹のポケモンが姿を現す。
「嘘っ、ポケモン!? どこから来たの!?」
三人が三様に驚く中、そのポケモン、ギャロップはジストに擦り寄ってくる。
「中にポケモンを入れる事ができるんだ。このシチユウ地方の外には普通に出回っている。これで外から来たってこと、分かってもらえた?」
「信じられないような話だがな」
「俺からすればここの方が信じられないよ。……それで、カイトによると俺はここに迷い込んでしまったらしい。この地方から外に出られる所は一つしかなくて、カイトもそこに向かう予定だったからついでに送ってくれる、という話だった」
「でもお前そいつとは逸れちまったんだろ? これからどーすんだよ?」
「それは……」
ジストは言葉に詰まった。この地方から出る、それが彼の目標だ。だが一人では行けない。だからといって他人を雇えるような物もない。結局、カイトの親切心に付け込むしか無いのだろうか。
黙り込んでしまったジストに三人が顔を見合わせる。目線で会話した後、クリスの口が開いた、その瞬間にシルバーが鋭い声をあげた。
「敵かっ!?」
ほぼ同時にキィンと澄んだ音。ジストが驚いて基地の入口に目を向けると、鋭く尖った氷が何本も生えている。クリスが険しい顔で弓に手をかけ、ゴールドは入口に殺到し、勢いそのままに突きを繰り出す。そしてあれ、と呟いた。
「人じゃねーか」
「珍しいわね、シルバー」
気配を間違えるなんて、とクリス。
「わっりぃこっちの勘違いだわ。無事か?」
ゴールドが入口から身を乗り出して聞いている。返答はジストがよく知っている声だった。
「勘違いで殺されかけて堪るか……。そっちにオレの知り合いがいんだろ。邪魔すんぞ」
「……サン?」
入口を半分くらい塞いでいる氷を器用に避けながら、サンは基地に入って来た。
「ったく……人間でこの威力って、何匹憑かせてるんだよ……」
ぼやいているのはシルバーの氷についてだ。当のシルバーは警戒を解いたゴールドとクリスとは対照的にまだ神経を張ったままでサンの挙動を見張っている。
「ジスト、おめーの知り合いか?」
「うん。友達のサン。サン、カイトはどうしたの?」
ゴールドに返事を返し、サンに問い掛ける。
「あー、それは後でな。うん、と……お前達がジストを助けてくれたんだな?」
「ええ、まぁ……」
「礼を言う。森の中に放り出す事になったから心配してたんだ。んでさ、折角だからついでに近くの『村』にまでこいつ送ってやってくんねぇか?」
「! サン、どういうことだよ!?」
*****
長いから休憩。なんか文章になってませんね。初めは『間引き』の説明にするはずだったんだけどな……。
なんでこう……ねぇ?
いわゆるセトーチ地方の今までの設定をベースにしたオリ地方で、オリキャラがメインだけど脇役にポケスペキャラ(パロ)が登場という好き勝手な感じ。こんな設定見たことない。
と、いうわけで、ざっくりとメモ。
世界観設定
舞台はジョウトとホウエンの間のシチユウ地方。いわゆる中国・四国地方辺り。セトーチやめたのは山陰とか四国の太平洋岸の方を瀬戸内とするのは乱暴すぎたかなと思ったからです。関東、上都、豊縁、深奥、七雄、な感じで漢字変換してくれると嬉しいが、当然名前の由来は四(国)+中(国)=シ+チュウ→シチユウで。
ここからぶっ飛んでくるが、この世界観設定の目的は「スペキャラをポケモンと共闘させたい!」なのであしからず。
少し昔まで、シチユウ地方では他のどの地方よりも工業等が発達していた。その分環境破壊も激しく、ついに野生ポケモン達が人間に対して反旗を翻した。対抗して人間達も武器を取ってポケモン達と戦うが、戦いが長期化するにつれて人間側が劣勢に。んでどういう経過か人間側は今までの科学技術を放棄し、自然の中で細々と暮らしていくようになった。その「科学技術の放棄」の中に「モンスターボールの放棄」も含まれていて、これは若き頃のスズシロ博士(つまりはそれなりに最近の話です、これ)が発明した特殊なウイルスをポケモン達に空気感染させることで、ポケモンがモンスターボールに反応しなくなるというものだった。そういうわけでトレーナーは成り立たなくなり、人間はポケモンを畏怖の対象としてみるようになった。
そうこうしてポケモン達と人間との交戦状態が終結し、人間達は科学技術を失った平和を手に入れた。のだが数年後には例のウイルスが自然に進化し、人間にもかかるようになった。
ウイルスに感染した人間のうちの一部は人間でありながらモンスターボールのような能力を有するようになった。ポケモンを一時的に自分の体に取り込めるようになったのだ。彼らは取り込んだポケモンをある程度使役することができた(要するにトレーナーっぽいってことです)。が、その能力ゆえに他人からは排斥された。
人々はその能力を「召喚」と呼び、その能力を持つ人間を「召喚士」と呼んだ。
召喚士は排斥されたが、しかしポケモンを使役する事のできる召喚士の力は人々にとっては必要不可欠だった。隣町に行く時ですら命懸けなのだ。そのため召喚士は普通の人々とは距離をとりつつも、交易や郵便などで生計を立てている。最近となっては普通の人の中にも体を鍛え、召喚士のような事をする人も現れつつあるが、そういう人はかなり稀。
書き忘れてたが、ウイルス頒布の際にウイルスやウイルスに感染しモンスターボールで捕獲不能となったポケモン達が他地方に流出しないようにシチユウ地方は他地方と空間が遮断されている(これには他地方の伝説と呼ばれるポケモン達が協力している。特にパルキアかな?)。唯一西端の港町からホウエン地方のカナズミシティに出る事ができる。空間が遮断されていても何故かシチユウ地方に迷い込む人間がいたりもする。
召喚士
召喚能力の発現は子供の頃のみ。一般的に20歳を越すと大丈夫だと言われている。召喚士同士の子供は全員、召喚士と普通の人間との子供は半分くらいが召喚能力を発現するようだ。普通の人間同士の子供でも召喚能力を発現する子供は生まれるが、昔に比べると数が減った。
召喚士はポケモンと心を通わす事でその身にそのポケモンを宿せるようになる。この過程を「契約」と呼んでいる。
一人が使役できるポケモンの数には限りがあり、能力が強くなるにつれて数が増える。現在では最高で6匹が確認されている。宿さずともポケモンが勝手に召喚士に着いていくというパターンもある。
召喚士は宿したポケモンを自身に「憑依」させる事ができる。憑依させると身体能力が格段に向上し、そのポケモン固有の能力も有する事ができる(ポケモンの技が使えるようになる感じ。イメージは魔法だが)。通常一人の人間に憑依できるポケモンは一匹だが、稀に複数のポケモンを憑依させられる召喚士がいる。
*****
世界観設定はこんな感じ。要するにトレーナーも武器を持って戦うという事です。
んじゃスペキャラ設定に入ります。
皆召喚士です。年齢差は赤緑青・金銀晶・紅藍翠・金剛真珠白金の三人ずつが同い年でそれぞれ二歳差で、黄は赤緑青と金銀晶の間。ただしシンオウ組は読んでないからわかんない。
外見は原作と変化なし。瞳の色は皆さんカラフルなようで。面倒なので名前は略称でいきます。
あと名字は原作通りではないかもしれない。黄とか藍とか。
・ホウエン組
藍は格闘メイン。
紅は毒針等の暗器メイン。だけど組み手をしたら藍より強い。
翠は銃もどき。パチンコかな?
紅が一番召喚士歴が長く、うっかりシチユウに迷い込んでしまってさらに召喚能力まで得てしまった藍を拾って二人でやってきた所に翠が入った、という感じ。
・ジョウト組
金はキュー、晶は弓が武器。銀は憑依が得意で水をよく使う。
・カントー組
赤緑青は未定。黄は珍しく治癒能力を持っている。
オリキャラ
・カイト とりあえず男の子。おそらく主人公。昔は海斗という字を当てるつもりだったけど、今はマラカイト(孔雀石)のカイトです。主要キャラは宝石名か色名にしようかと思ってるんで。
・サン カイトの相棒。自ら志願した生体実験によって人間の姿も取れるようになったブラッキー♂。
・ジスト 主人公その2。他地方(シンオウを想定してるが未定)出身で、アサギの方からこの地方に入ってしまった。独自設定が強すぎる世界観なので彼にカイトが説明するという形で世界観を説明していくつもり。名前は当然アメジストから。
・スズシロ博士 カイトの母親。他地方のロケット団みたいなの(ロケット団に非ず。一応ゲームの時間軸と同じくらいに考えてるんで)で研究者として様々な生体実験をしていた模様。その時にポケモンが人間の姿もとれるようなる技術を開発したが、流石に良心が咎めて組織を裏切ってこの地方にやってきた。現在は改心して普通の研究者をやっている。ちなみにスズシロは大根のことです。多分。
「おーおー、結構見てる見てる」
「何でわざわざファーストフードなんだ」
「いいじゃん別に。たまには贅沢させてよ」
「……キツイか?」
「一人暮らしとなると、生活費は約二倍だからねぇ。バイトしまくってようやくかつかつってトコ」
「そうか」
「そっちは?」
「最近は、大分マシになった。酒の量も減ったしな」
「おぉ、優司の頑張り伝わったんじゃない?」
「……」
「あいたっ。殴んなくてもいいじゃんか」
「五月蝿い」
「……ほら」
「へ?」
「腹一杯だ。食え」
「腹一杯って、まだ半分くらいしか食べてないじゃん」
「代わりにお前のを貰う」
「……それってまだお腹空いてるんじゃ」
「いらないのか? さっきから物欲しそうな視線を感じるんだが」
「いえいえいえ! 是非ともいただきますとも」
「……」
「さんきゅ、優司」
「さーて腹拵えもすんだし、本題に入ろう」
「微分だったか?」
「そう! 追試にひっかかったらバイトに行けないんだよ。お願いします、先生!」
「まずどこで詰まってんだ」
「優司といるとさ、ファーストフード追い出されないのがいいよな」
「?」
「ホントは長時間居座り禁止だから、勉強しようとすると追い出されるんだよ、あの店」
「へぇ」
「自覚ないなぁ……。店員さん、皆優司にびびって声掛けられなかったんだよ? 優司目つき悪いもんね」
「……ああ、お前の邪魔しようとしてた奴らか」
「仕事してただけなんだけどね……」
「今日はどうすんの?」
「ん……お前ん家泊まる」
「お父さんに連絡は?」
「初めからそのつもりで来た」
「それじゃあスーパー寄ろうか」
「だな」
*****
「和也」
「あれっ、優司、校門までお迎えとは珍しいね」
「今日暇か?」
「うん。どうかしたの?」
「見ろ」
「へ? えーっと、『お一人様お一つ限り』……。なるほど。それお父さん好きだもんねぇ」
「いいか?」
「勿論。ついでに俺も買い出ししようかなぁ……」
「とりあえず行くぞ」
―――――
以上高校生編
・和也→徒歩圏内の公立高校(ふつーのところ)。母親とは別居でバイトでぎりぎり生計を立てている感じ。
・優司→地元いわゆる不良公立高校にチャリ通。なのに医学部志望というぷちドラ○ン桜状態。中学時代はあまりちゃんとやってなかったから暇があれば勉強してる。元の頭自体はいい。家には父親だけ。中学時代にしょっちゅう和也のところに家出してきていたので未だにお泊り癖がある。口数が少ない。
むわっとした熱気が全身を包み込み、シャワーのように蝉の鳴き声が降り注ぐ。
そんな夏休み真っ盛りの八月初め、柏木和也は小学校の校門の前に立っていた。荷物は何も持っておらず、薄手の長袖のTシャツは汗で背中に張り付いている。一歩足を踏み出すと、短パンのポケットに入れた鍵がキーホルダーとぶつかって僅かに音を立てた。
今日は小学校の飼育当番なのだ。
地元の少年野球が校庭で練習している脇を通り過ぎ、正門とは校庭を挟んで反対側の飼育小屋に向かう。緑色に塗装された金網が壁代わりのその小屋は、高学年になった和也が何度もドアで頭をぶつけるくらいには小さかった。入ってすぐの部屋には兎が四羽、右手の部屋には鶏が五羽飼われていて、鶏の部屋にはどこから入り込んできたのか雀が三羽、屋根の近くで忙しなく飛んでいる。鶏の部屋とは反対側にあたる左手の部屋では羽のほとんどが抜け落ちた孔雀が堂々と歩き回っていた。そんな飼育小屋には当然ながら鍵がかかっていて、飼育当番は職員室にまで鍵を取りに行かなければならないのだが、和也がその事を思い出したのは小屋に着いてからだった。
照り付ける太陽に、命を削って鳴き続ける蝉。じわりと滲み出る汗にうんざりしながら踵を返しかけた和也だったが、飼育小屋の裏手から聞こえた物音に動きを止めた。もしかして、との思いで飼育小屋裏の餌小屋に向かう。扉の鍵は開いていた。ぎぃ、と建て付けの悪いドアを開くと、中では和也の同級生の安藤優司が、兎の餌がたんまり詰まったポリバケツに塵取りを突っ込んでいるところだった。
「来たんだ、安藤」
意外な心地がして和也は呟いた。本来は二人一組の飼育当番の、和也の相方が優司だ。だが先生の言い付けなどは簡単に破り、授業もしょっちゅう抜け出すような優司がわざわざ飼育当番の為に学校に来るとは和也は微塵も思っていなかった。
「来なかったらあいつらご飯食いっ逸れるじゃねぇか」
固形状の兎の餌を塵取りいっぱいに掬いとった優司がポケットに挿していた鍵を和也に投げ渡す。
「開けといてくれ」
ポリバケツの蓋を閉めながらの言葉に、わかったと和也は頷いた。
優司は優秀な当番だった。一体誰から聞いたのか、食べ残しの古くなった固形餌をまとめ、小屋内に貯まった糞と共に堆肥置場に捨てに行くよう和也に指示を出した。和也が帰って来た頃には、普段はどうやっても水の出ないはずの、飼育小屋脇に引かれた水道からいとも容易く水を出して泥のついた水入れを洗っていた。渇ききった校庭に小さな川ができている。突然の洪水に驚いた蟻が一匹溺れていた。
「詳しいんだね」
「去年委員だったからな」
蝉の暑苦しい鳴き声に水音が混ざるだけで随分涼しく感じる。
「後は何するの?」
「孔雀と鶏のところのやつも洗う」
優司が洗っているのは兎小屋の水入れらしい。顔を上げた優司と目が合った。優司の真っ黒な瞳はただ一言持ってこいとだけ言っていた。
孔雀のところから水入れを取るのは簡単だった。和也の存在を歯牙にもかけないのだ。対照的に大変だったのが鶏だ。何故かやたらと和也の後を付けてくるため、兎小屋に入ってしまわないように気を使う必要があった。そのせいで入る時と出る時の二回、和也は入口で頭をぶつけている。そうこうして回収した泥がこべりついた水入れを持って、和也は水道に向かった。優司がしゃがんだ状態で綺麗になった水入れに水を貯めている。少し丈の短いTシャツが上に寄って、背中が少し出ていた。
笑ってやろうと和也がそこに目を留めると、痣のようなものが背中にはあった。ほとんどの人なら痣のようなもの、で済まされるもの。だが和也にとってそれはあまりにも身近なものだった。それの正体に気付いた瞬間、和也の脳裏に母親の怒鳴り声が響く。
――どうして言うことをきけないの!
――静かにしなさい!
普段は優しすぎるくらいに優しい母親だ。だが、一度怒るとどうにもできなかった。物を手当たり次第に投げ付けられた事も、気が済むまで殴られた事も何度もある。でもあの痣はそれとは少し違う。あれは、火のついた煙草を押し当てられた時にできる火傷の痕だ。ごめんなさいごめんなさいやめてお母さん、熱いよ……。
ひとしきり暴力を振るった後、母親は部屋を出ていく。それからしばらくして、今度は泣きながら和也に謝るのだ。
――ごめんね和也、痛かったよね。ごめんね、ごめんね……!
怒らせると怖いが、それでも優しい母親が和也は大好きだった。他の大人は嫌いだ、皆してお母さんを責めるから――。
「おい、柏木――?」
優司の声と共に母親の声は消え去った。入れ代わりに空気いっぱいに広がった蝉の声が和也を駆け抜ける。纏わり付く湿気が和也に今いる場所を思い出させた。気付けば、優司が目の前に立っていた。
「あれ、どうかした?」
「どうかしてるのはお前だ。熱中症か?」
優司の濡れた手が和也の額に触れる。ひんやりしていて気持ちがいい。熱と共にさっきの母親の声の余韻も消えていきそうで、和也は目をつぶった。少しして、優司の手が離れる。
「あんまりよくわかんねーな」
「大丈夫だよ、ちょっとくらっとしただけだし」
笑い方を忘れた顔で無理矢理笑顔を作って和也は笑いかけた。優司がそれって大丈夫か……? と呆れながら呟く様子に、作り笑いは成功したようだと和也は胸を撫で下ろした。それでも訝しげな顔をしている優司をごまかす為に、そういえば、と和也は口を開いた。
「さっき背中見えてたよ」
途端に優司の雰囲気が硬くなった。失敗した。よりにもよってこの話を切り出すあたり、自分で思っていたよりもあのフラッシュバックに追い詰められていたのかもしれない。
「見たのか?」
信じられないほど低い声で優司が問い掛ける。そこで和也はようやく優司も同じであることに思い至った。顔が、上げられない。
「……うん」
気付くべきではなかった事に気付いてしまった。和也が自分の痣を隠すのに必死なように、優司もまた努力していたはずだった。和也の様子を見て優司も何か感じたのか、低く呟く。
「……お前もか?」
和也の体がびくりと跳ねる。思わず交差した黒色の瞳も揺れていた。すぐに地面に視線を落とし、和也は僅かに頷いた。それに優司が気付いたのかはわからない。永遠のように感じられる僅かな沈黙が流れた。蝉の声に、バッティング練習を始めた少年野球チームの球音が空に吸い込まれる。
「誰にも言うなよ」
優司はそう言うと、和也の手から砂やら糞やらで汚れた水入れを奪い取った。それから立ち尽くしたままの和也の前で兎の水入れと同じように洗いだす。
「柏木」
顔は水道に向けたまま、優司が呼び掛ける。先程までの声音が嘘のように、軽い。
「水、兎のところに持ってけよ」
働く事を放棄していた和也の頭がようやく回りだした。優司の隣に置かれた水入れを取りに行く。
「ねぇ安藤」
ふと思い付いて和也は口を開いた。
「何だよ」
「俺も洗いたいんだけど」
優司がなんとも微妙な顔をする。
「……楽しい事でもねぇぞ」
それでも優司は言いながら、脇に置いた水入れを持って立ち上がった。
(100201)
*****
こんな小六いてたまるか。
大きくなると和也が上っ面だけの社交的人間、優司が医者志望の素行不良になって、高校は別だけど大学は同じになるのかなぁと思っています。
・スノウの腕~流刑くらいまでです
・性格安定してません。イメージが結構変わるんで
・初期メンバーはタル・ケネス
・我が家の4主はまさかの魔法派です
*
目を見開いたまま崩れ落ちる人影。その背中に生えたナイフを見て、シアンは頭の片隅である情報としてそれを受け止めた。
死んだ。模擬海戦で死亡と見なされるよりもずっと早く、簡単に。
「先輩……?」
彼の名前は何と言っただろうか。顔合わせの時に聞いたような気もするが、どうも思い出せない。それでも館の食堂や訓練所で、この船の中で彼は確かに生きていたというのに。
これが、死。これが、戦場。急に現実味を伴った死の恐怖がシアンの背筋を通り過ぎた。それでも、震えは意地で止める。
――俺は、絶対に死ぬわけにはいかない。
絶対という言葉ほど曖昧な言葉はないと、どこかではわかっていたけれど。
*
「……ッ!」
畏怖と不安と恐怖と絶望をぐちゃぐちゃにかきまぜたような、とにかく禍々しい気配を感じた。そして圧倒的な質量をもって魔力が、眼帯の男の左手から溢れ出す。剣を握る右手に脂汗が滲んだ。これほど濃密な魔力をシアンは今まで感じたことがなかった。
極限なまでに緊張したこの空間で、両目が飛び出た気味の悪い男が怯えたように叫ぶ。確かに、こんな魔法を食らって生きていられる人間がいるとは思えなかった。
「逃げろ! そいつ紋章を使う気だ!」
眼帯の男を取り囲んでいる騎士達に叫ぶ。だが、男はシアンを嘲笑うかのように、ゆっくりと左手を高く掲げた。
「遅かったな」
魔力が爆ぜる。おぞましい悲鳴が空気を揺らす。それに現実の断末魔の叫びが加わっていく。それらを意識から切り離して、シアンは自分の周囲にできる限り強力な魔法障壁を展開した。急激な体内の魔力の減少にシアンの意識が飛びかける。その時に、一瞬だけこの場に不釣り合いな、オルゴールの音色が聞こえた気がした。
*
辺りは静まり返っていた。先程までいた騎士達が、もう誰も、いない。海に落ちたわけではないのはシアンにはわかっていた。赤黒い光の中で、人が灰となって崩れ去る様子を確かに見たのだから。
「次は……お前なのか?」
茫洋とした男が言う。その目に、諦観を浮かべて。
*
普段は何とも思わない船の揺れが気になった。思うように力が入らない手足を叱咤して、何とかいつもの型通りに構える。
「一撃で殺してやろう……」
ひどく陰鬱な声だった。それなのに、あれだけの紋章の力を開放してどこに力が残っていたのか、しっかりとした踏み込みで男は走って来る。体の筋肉の使い方から隙の大きい大技が来ると踏んだシアンは男に呼吸を合わせ、最小限の動きで攻撃を避ける。その刹那に渾身の一撃を叩きこんだ! 一撃で決めないと、もう立っていられるかもわからないほどシアンは疲労していた。朦朧とした意識の中で、誰かが自分の名を叫ぶのが聞こえた瞬間、シアンは意識を手放した。
*
目が覚めた。よくある天井の木の板目が、どことなくいつもと違うような気がして、上半身を起こす。やはり、知らない部屋だった。だが調度からガイエン海上騎士団船籍の船であることはわかる。体の隅々にまで力を込め、特に体に異常がないことを確かめてシアンはベッドから降りた。立ち上がった瞬間目眩を感じたが、それ以外は概ね問題はない。船の構造に大体の見当をつけて歩き始めると、思った通りの場所で甲板に出られた。
潮風が心地いい。船縁に腰掛けて海を見ると、小船に乗ったスノウの姿が目に入った。よかった。無事だ。あの時あの船に乗っていて、それでも生きているなんて奇跡に違いない。
「スノウ!」
彼が生きていること、それだけが救いだった。誰が何と言おうと自分だけは彼の行動の全てを肯定しようと思う。スノウの選択を否定することは、スノウの死を望む事と同義だと気付いてしまったのだから。
だからシアンは小船に乗っている彼を笑わない。むしろ誇らしくすら思う。
――よくぞ、生きて帰って来てくれた。
*
「何か、言っておきたいことはありますか」
副団長の声は何時にもまして硬い。敬愛していた団長を失って、今にも折れそうだ。
「副団長。流刑船の上からで構いません。どうか、あの船で亡くなった皆を……弔わせてもらえませんか。できればあの船の泊まっていたところで」
「……いいでしょう」
一瞬の激昂を封じ込めて副団長は言った。続けて他には? と問いかける。
「本当に……本当に、スノウは俺が団長を殺したと、そう言ったのですか?」
答えなどわかりきってる。それでも否定の言葉をどこかで期待している自分がいて、聞かなければいいにと自分の中のどこかが自分を嘲笑う。
「彼は、見た通りのことを言っただけよ」
その肯定とも否定とも取れない返答に、彼は俺が団長を殺したということを否定はしなかったのだということだけが思い知らされた。
*
「ここよ」
カタリナに呼びかけられてシアンは振り返った。頷いて了解を示し、そのまま船室に向かう前にもう一度海を眺める。海の色、風の匂い、空の高さ。全てが、あの日と同じだった。
この船が流刑船を連れてラズリルを出発する前の話だが、シアンが船に白い花を積み込むのを見てポーラは眉をひそめ、ジュエルは泣いた。
――何よっ、それ! まるで死にに行くみたいじゃない!
みたいも何も流刑なんてほぼ死罪と同義じゃないか、とシアンは思ったものだったが、流石にそれは口に出していない。だからジュエルは泣いているのだ。
群島では海葬が一般的だ。死者は柩に納められ、海に流される。重りの付いた柩の中には次第に海水が流れ込み、重みを増した柩は海中に沈んでゆく。海で生まれた人間は、こうして母なる海に還るのだ。その時に死者の旅路を彩るのが、真っ白な、花。
シアンの目的は墓参りだったのだが、二人の目にはそうは見えなかったらしい。流刑となった人間に対する人情味のある反応としては当然である。
「シアン。早く来なさい」
カタリナの声がシアンを回想から現実へと引き戻す。海に撒く花を取りに船室に入ると、シアンが運びいれた量よりも更に多くの花が置いてあった。
「副団長。花、多くないですか?」
「あなたの話を聞いて、自分も花くらいは、という団員が結構いたのよ」
早くしなさい、と促されてシアンは、真っ白な花束を抱え持った。
微睡むように波に抱かれて、白花は揺れる。
母なる海は偉大で雄大だ。だが時には人間に牙を向き、容易に命を奪う。
波に呑まれる白の花弁が、海に沈む自分のように見えてシアンは手を握りしめた。砂となって消えていった騎士達の声にならない怨嗟の叫びを聞いた気がした。
――どうしてお前は生き延びたのだ。
その答えを、シアンは知らない。
*
手紙は届いただろうか。泣きじゃくるジュエルをどうすることも出来ず、あの時はポーラに託した。
――スノウには内緒で、こいつを屋敷の使用人に渡してくれないか。
――使用人……?
――ああ。使用人だったらだれでもいい。頼まれて、くれるか?
――はい。お渡しします。
スノウには内緒で、という面倒な条件をつけてしまったが、あの生真面目なエルフだったらちゃんと届けてくれただろう。それに団長がいなくなった今、海上騎士団におじさんを止められる人材はいない。スノウはきっと忙しいはずだ。そうして主が不在の屋敷で皆が仕事をしている様子が目に浮かんだ。スノウと自分が「友人」だったのなら、彼らと自分は「家族」のようなものだと思っている。遺書を書いたつもりではなかったが、きっとそう思われるのだろう。あるいは、自分でも気付かないうちにそのつもりになっていたのかもしれない。海に出る時はいつだって死を覚悟している。母なる海は、いつだって平等に不平等だ。
「どうした、シアン。考え事か?」
「タル。寝れる時には寝とけよ」
「お前もな。それで、どうしたんだ?」
「こんな時に考える事は一つしかないだろう?」
「……皆のことか」
「あれ、二つかもな」
「シアン」
「悪ぃ。この船の行き先を考えてた」
「……」
「いっそ船の墓場まで流されるのも一興かな。もしかしたら昔俺が乗ってた船があるかも」
「シアン」
「心配性だなぁタルも。俺は別に死にたがってるわけじゃないって」
「俺達は絶対、生きてラズリルに帰るんだ」
「そうだな。また皆に会いたいよ」
*
(100108)
以上で連作終わり。4主の性格わけわからん!
ルーク達が王宮から出るとハイトが立っている。
ル「ハイト!? お前、今までどこに行ってたんだよ!?」
ルークの問いにハイトは控えめな笑みを零す。
ハ「皆さん初めまして。この度皆さんに同行させていただくことになりました、ハイト・フローレンスと申します」
以前とのギャップの大きさに一同は声も出ない。かろうじてティアが聞く。
テ「……ハイト、記憶が戻ったの?」
ハイト、少し困った顔。
ハ「戻ってるといえば戻ってるんですけど……多分皆さんが思っている『ハイト』と僕は別人だと思います」
ル「どういう意味だよ?」
ハ「僕は記憶喪失になっていません。皆さんと一緒にバチカルまで来た彼が、どうやら僕の名を名乗ってたみたいなんです」
ガ「ということは……そっくりさんってことか? 双子か?」
ハ「はい、そんな感じです」
テ「一緒に来たあの子の本当の名前がハイトではなくて、あなたがハイトなのね?」
ハ「そうです。ややこしくてすみません」
ル「本当にややこしいな。それで、あいつの名前は何て言うんだ?」
ハ「レックです。もう記憶は戻っているんで、また会う事があればそう呼んであげて下さい」
ル「あいつは来ないのか?」
ハ「はい、所属研究室が違うので。ところで、皆さんのお名前を伺ってもよろしいですか?」
ガ「そうか、ハイト……じゃない、レックじゃあないからな。俺はガイ・セシル。ルーク付きの使用人兼専属護衛だ」
ル「俺はルーク・フォン・ファブレだ」
テ「私はティア・グランツ。神託の盾騎士団所属よ」
ジェイドはハイトの顔を見たまま考え込んでしまっている。
テ「大佐?」
ジ「ああ、すみません。マルクト帝国軍第三師団師団長のジェイド・カーティス大佐です」
ハ「ありがとうございます。ガイさん、ルークさん、ティアさん、それと……カーティス大佐、ですね」
三人を順番に見回しながらハイトが確認する。
ジ「姓の方には馴染みがないのでできればジェイドとお呼び下さい」
ル「その顔でさん付けなんかされると鳥肌が立つっての。呼び捨てでいい」
*****
夕日によってか、血によってか赤く染まった戦地に人影が一つあった。無数に転がった死体の間を無造作に歩きながら、返り血一つ付いていなかった軍服を赤く汚して死体の検分をしている。目に止まった俯せの死体を足で裏返してみると胸にぽっかりと穴が開いていた。男が溜息を付く。
「即死じゃあ意味が無い」
実験の為には身体の損傷が直接の死因でない、傷みの少ない死体が必要だ。
「次の時はもう少し加減するか」
氷の譜術を大規模に展開したのはこれが初めてだった。綺麗に凍死してくれればと考えていたが、譜に氷片で対象を貫くという記述があったのだろう、蓋を開けてみれば普通の戦場とほとんど変わらなかった。違いがあるとすれば地面がぬかるんでいることだけだ。
男がしばらく探していると、ようやく傷の少なそうな身体を見付ける。余計な傷を付けないように慎重に引き上げると、それはうっすらと目を開いた。
「だれ……だ」
「なんだ、生きていたのか」
途端に男は興味を失い、かいがいしく身体の汚れを拭おうとしていた手を止めた。この死体の海の中で生存者などいるはずがないと思い込んでいたようだ。らしくない失敗に、今回はこのくらいで切り上げるかと考える。
立ち去ろうとした男の背に待て、と声が投げ掛けられた。
「誰だ、って聞いてんだろ……ッ!」
先程まで死体の海と同化していた人間が、立ち上がる。
「驚いた。随分と軽傷なんだな」
「そりゃ俺は譜術を売りにしているからな、っと」
第七譜術を展開して大きな傷を塞いでいく。譜術を売りにしていると自称しているだけあってマルクト人では無い割には確かに展開速度は早い。
「お前がジェイド・カーティスだな?」
「ああ」
「指揮官の首を頂けりゃあ、それなりに金が下りるんでな。――一戦お相手願おうか!」
ディック、と名乗った男とジェイドとの戦いはそう長くは続かなかった。ジェイドの部下が駆け付けて来たからだ。ディックは自分の不利を悟ると直ぐさま逃げて行った。引き際の良さは傭兵らしい。久しぶりに負った傷が譜術によってみるみる塞がっていくのを眺めて、ジェイドは第七音素を自分で扱う術は無いものかとぼんやり考えていた。
*****
うーむ謎文。ディックがかなりあっさりしてる。ちなみにディックは本気でジェイドを殺しにかかる気は無く、ジェイドの戦闘能力についての情報を集めて軍に売るのが第一目的でした。
「傭兵? ……生き残りがいたのか」
「そうだって言ってんだろ。首は無理だったがあの死霊使いとも少し戦った。奴の情報はそっちだって欲しいだろ。もっと上の人間を回せ」
「傭兵隊は捨て石だったんだろ?」
「そうだ。無駄な犠牲は払いたくなかったのでな」
「その無能な軍人さんのおかげで何人もの奴が死んだけどな」
「誰も死ななければそれは戦争ではない」
「しゃあしゃあと……それで、指揮官殿が何の用だ?」
「近々ホドで大規模な作戦を行う予定でな」
「おい、」
「即戦力はいくらでも欲しい。私がお前を雇おう」
「拒否権はねーのかよ」
「機密を知っている人間を簡単に野放しにすると思うか?」
「お前が勝手に話したんだろーが」
「さて、どうする?」
「こんにゃろ……受けりゃいいんだろ」
「それは何よりだ」
*****
ル「師匠(ししょう)!?」
デ「何かわからんけどここは俺にまかせろ」
ル「悪ぃ、頼んだ!」
デ「報酬はツケとくぞ。さっさと行け!」
ジ「ルーク、彼は?」
ル「あー、昔屋敷にいた奴。数年前にクビになったんだよ」
ジ「それはまた、どうして?」
ル「俺を無断で屋敷から連れ出したから。まぁ断ったところで許してなんか貰えなかっただろうけどな」
ジ「そうですか……」
ル「それにしても、お前ら知り合いだったんだな」
ジ「はぁ?」
ル「違うのか? ディックはお前を知ってたみたいだぞ」
ジ「ディック、と言うのですか、彼は」
ル「おう。俺に体術を仕込んだ師匠だ」
ジ「なるほど。野戦に慣れるのが早かったのはそのためですか」
ル「あー、まぁなぁ……師匠、稽古の時は平然と鉢植えとか投げてきたからなぁ……。って、やっぱり知ってんのかよ」
ジ「ええ、思い出しました。一度戦場でお会いした事がありました」
ジェイドが手袋を脱いで左腕を見せる。傷痕が残っている。
ジ「これが彼に付けられた傷です」
ル「ジェイドでもやられる事があるんだな」
ジ「当たり前です」
*****
レ「こいつは音素砲の砲門か。流石に一般人に見せるのはまずいんじゃないのか? ……って操作は無理か。指揮官によるロックが掛かってるな。個人認識は固有振動数で、か。んで……固有振動数の採取は声紋からか? 登録振動数は……っと。うーん、そこまでは割り出せないか」
ジ「何をしているのですか」
レ「操作できねぇかと思って。ロックをかけてる指揮官ってお前?」
ジ「ええ。よくご存知のようですね」
レ「そのようだな。なぁ、機関部見せてくんねぇ?」
ジ「お断りします」
レ「ケチだなー」
*****
ル「なぁレック」
レ「なんだよ」
ル「俺はアッシュのレプリカなんだってさ。本当はあいつがルークで、俺は……偽物なんだ」
レ「何言ってんだ」
ル「え?」
レ「お前に本物も偽物もあるかよ。お前はアッシュか?」
ル「……違う」
レ「じゃあルークでしかありえないだろ」
ル「そうだけど、でも!」
レ「俺はお前と話す時は、お前と話していたつもりだよ。キムラスカの王族のルークという名前の人じゃなくて、目の前にあるお前の人格に話してた。お前が自分を否定するということは、お前を肯定していた俺や皆も否定することになる。それでもお前は自分は偽物だとかいう寝言を言うつもりか?」
ル「…………いいのか? 俺は、この名前も身分も母上も全部あいつから奪ったっていうのに、全部忘れてのうのうと暮らしてたんだ。だからあいつに返さなきゃいけないのに、……怖いんだ。返したくないんだ。全部俺のもんだ、ってどっかが言い張ってる。なぁ、これでいいのかよ?」
レ「そいつはアッシュと相談して、自分達で決断を下すところだと俺は思う。ただお前らが勘違いしてそうだから一つだけ言っておくけど、一人が二人になったところで大して違いは無い。アッシュに返してお前も持ってる、って事もできるからな」
ル「そ……っか」
レ「ま、とりあえずはお前がアッシュをよく知って、アッシュを他人として受け入れる事だ。そんでアッシュを好きになっちまえばいい」
ル「はぁ?」
レ「そしたら、アッシュのレプリカであることも誇りになる。俺はハイトが大好きだから、ハイトのレプリカで俺は心底嬉しいと思ってるよ」
ル「そんなもんか……って、レプリカっ!?」
レ「お前まだ気付いてなかったのか?」
ル「だって、お前ら、双子だって……」
レ「一番初めに言い出したのはお前だろ。つーか俺とハイトは『似てる』のレベルを通り越して『同じ』じゃねーか」
ル「双子ってそういうもんじゃねーのかよ!?」
レ「どんなに似てる双子でも少しは顔は違うっての。……ってそうか、知らないのか」
ル「屋敷に一組いたけどあいつら似てねーし」
レ「ま、レプリカなんてそうそういないから仕方ないけどな」
ル「なんか悔しいな……」
*****
ガ「あぁ……ルークの奴大丈夫かなぁ」
ハ「すみません、わざわざ来てもらって」
ガ「それは構わないさ。確かに前衛がアッシュ一人となるとしんどいからな」
ハ「ルークなら、大丈夫ですよ」
ガ「なんでそう断言できるんだよ」
ハ「レックを見ていてレプリカがどうのこうのって悩めるわけはないでしょうし、開き直りも早いんじゃないですか? 誰かに似て」
ア「……それは俺の事か」
ハ「へぇー、自覚はあるんだ」
ア「……とにかく、あいつは体を治すのが最優先だ」
ハ「落ち着いたらなるべくはやく外殻に上ってほしいところだけどね。魔界の障気の影響はまだ未知数のところがあるし」
ア「そんなところにあいつを置いて来たのか?」
ハ「レックだってそんな事は分かってる。それに今ルークに必要なのは同じレプリカであるレックでしょう?」
ア「まぁそれもそうだが……というかなんでお前がこっちにいるんだ?」
ハ「ヴァンには少し興味があって。何の為にルークのレプリカを必要としたのか。知らなくてもいいんだけど、やっぱり自分達のルーツは知っておきたいじゃない」
*****
ジ「ハイト! あなたは、もしかして……」
ハ「皆には言わないで下さいね。余計な心配はかけたくないんです」
ジ「…………」
ハ「そんな顔をしないで下さい。覚悟はしていましたから。それに、僕もレックもディストも、まだ諦めてはいません」
ジ「そう、ですね……私も私が導きだした結論が間違いであればいいと、思います」
ハ「おや、博士が自分の論を疑うなんて珍しい」
ジ「ええ、本当に」
ハ「本当は博士の智恵もお借りしたいのですが、僕等が助かったところで生きる世界自体がだめになったら意味がありませんしね。博士はそちらを優先してお願いします」
ネタは「俺設定版アビスでCPを組んでみる」で。
一応CPの設定は作らないつもりですが、公式ではありえないのを勝手に組むのが腐女子の職業病と言いますか。
ぼんやり作った組み合わせはあるんで、それは●で、他は○でいきます。
あ、お察しの通りBL(行き過ぎた友情)かただの友情です。
●ルークとアッシュ
当家版だとルークが短髪(究極の受)にならないし、二人とも基本的にツンデレなんですよね。私はアッシュも受っぽいと思ってます。ただ原作ではそれを上回る受がいたから攻なだけで……(ALのことね)。ツンデレ×ツンデレってどうよと思いつつ、多分当家版だとルークが一応攻、かぁ? という感じ。
●ハイトとレック
この二人は「背伸びして子育てした親」と「しっかり育った子供」のイメージです。もう背伸びしなくていいよ、の意味でレックが攻のつもり。まぁどっちも互いが大好きなんで逆でも全然あり。
○ルークとレック
レプリカs。こいつらは友情ですね。基本的にレックが先導しそう。
○アッシュとハイト
被験者s。これまた受同士なんですけど……どっちかって言うとアッシュが攻かなぁ。ここは馬が合う組み合わせです。
○ルークとハイト
やんちゃと保護者。やっぱりルークが攻かなぁ?
○アッシュとレック
一番よくわかんない組み合わせ。普段はルークやハイトを間に挟んでる。本質的に似てるから同族嫌悪みたいなのがあるのかも。仲悪いわけじゃあないです。
●ファブレ公爵とディック
こんなん作ってごめんなさい! 本編時だと公爵様は60歳近いんで、メインはホド戦争以降位です。ほら、シュザンヌさんは体弱いからあんまりきついことできないじゃないですか。それでディックが代わりに、みたいな。シュザンヌさん公認です。ディックは傭兵やる前は身売りで稼いでたとかで抵抗が無かったりする。ただこの二人は体ありきの友情です、うん……。
○ディックとジェイド
ホド戦争絡み第二弾。こっちは本編中にディックが勝手に絡んできたらなぁと思ってる。ジェイドの性格って悩みますよね。鬼畜にするかツンデレにするか(自分に)鈍感にするか……。こいつらの場合はジェイドはノンケにしてディックの片思いくらいでいいかも。
○ラディウスとアッシュ
誘拐前ルーク(アッシュ)と誘拐後ルークが別人だと断じたのはラディだけです。他の人は誘拐のショックで記憶喪失になって残念ながら以前とは正反対の性格になってしまった、という認識でした。「昔のルーク様なら……」という感覚ですね。ラディは別人だから会っても意味がないというわけでルークとは一回位しか会ってませんでした。
で、ラディはイイ性格・腹黒・策略家というイメージの子なので当然、攻です。
○フィンとルーク
フィンはきまじめ・頑固・お目付け役の感覚です。ルークの傲慢さに救われた人。ファブレ家よりもルーク単体に忠誠を捧げている感じ。ま、ただの使用人なのですが。ルークは公式の場で敬語全開で喋らないといけない時はフィンとジェイドを参考にしてます。発言内容までマネしそうになってよく失敗しますが。
フィンは片思いですね。
○ラディウスとフィン
フィンは絶対ラディウスに遊ばれてると思います。ラディはフィンを気に入ってるんですよ。わかりにくいですけど。で、フィンはわかりにくいラディをちゃんとわかっている数少ない人。わかった上で遊ばれてあげてます。何ていい子なんだ……。
○雪国師団長とジェイド
この人は軍学校時代からの数少ないジェイドの本当に普通の友人です(ジェイドの友人という時点で普通じゃないという意見多数)。とにかく押しが強くて根性があって明るくて熱い感じです。攻ですね。
○近衛兵長とピオニー
この人はピオニー一人旅時の護衛さんです。この人は受かなぁ。
●アレクとカンタビレ
まぁ言うまでもないけど。でもこいつらはいつまでたっても友情のままだなぁ。
ひとまずBLはこんな感じ。
NLはレックと研究員の子で一組目。裏設定くらいですかね。レックのお嫁さんです。ハイトは生涯独身。多分レックのところに転がり込んでる。
もう一組はディストの部下達です。男女一人ずつ、ホド出身の人をヴァンから回されたんです。ただハイト達が城から逃がされてしばらくして女の方が自殺というとんでも設定がありますが。そんで残された男とディストでCP組めるかなぁなんて思ってますが。
ダアト勢の外見年齢近い組(カンタビレ・イオン・アッシュ・シンク・アリエッタ・アニス・追加緑っ子)も仲良しです。あんな軍の中の子供達だもん。仲良くなるでしょ。少なくとも顔見知りではあるはず。アレクはそれを少し離れて見てる感じです。
「何、してるんだ?」
「ハイトとレックの墓参り」
「だがお前は……」
「うん、生きてる。僕の中にハイトの記憶もレックの記憶も、感情も、全て残ってる。でも、『僕』がこうして存在する以上、二人は死んでしまった」
「そう、か……」
「でも二人は生きている」
「おい」
「僕の中に」
「……結局のところ、お前はお前、ハイトはハイト、レックはレック、……そういうことか」
「僕にもよくわからない。僕は僕を定義しない。アッシュがそう思うのなら、そう思えばいいんだと思うよ。僕は僕だけど、多分ハイトにもレックにもなれるから」
「そんなことはねぇだろ。ハイトはレックを知らなかった。レックはハイトを知らなかった。どちらも知ってるお前が、どちらかになることはできねぇ。お前はお前だ、レックハイト」
「そっか。そう呼ばれると、なんだかくすぐったいな」
「自分の墓参りは終わったか?」
「うん、もう終わり。付き合ってくれてありがとう、アッシュ」
(100104)
もしハイトとレックで大爆発が起こったら、の話。当家のアシュルクは完全同位体ではないので赤毛には大爆発は起きてないです。レプリカsをどうやって生かすかを考え中。ハイトとレックに関しては大爆発で統合されちゃうかもだけど。
そう言った男は実に苦々しい顔をしていた。対照的に告げられた子供達は淡々としている。
「殺すんですか? 僕達を」
「そんなことできるわけがないでしょう」
男が子供二人を両腕に抱え込む。二人の肩に顔を埋めた。
「ですが、私ではあなた達を逃がすことはできません。だから、逃げてもらいます」
「それって逃がすのと変わらないのでは?」
「全然違いますよ。失敗すれば、あなた達は死にかねない」
男の子供を抱える腕に力が篭る。
「このような手段しか取ることの出来ない私を許してください」
その搾り出したような声に、子供二人は顔を見合わせた。
「許してくれ、だって。ハイト」
「そうだね。レックはどう思う?」
「ディーが悲しいのは、やだ」
「僕も同感。だからディスト、そんなに悲壮な声を出さないでくださいよ。よく分かりませんけど上手くやればいいんでしょう?」
「何すんの?」
顔を埋めたままのディストは黙ったまま。
「ディスト?」
「ディー?」
ハイトとレックがディストの銀色の髪に視線を落とす。
「あなた達という人は……折角人が真面目に深刻に言っているというのに」
「真面目じゃない深刻ってどんなの?」
「さぁ?」
「こら! 人の話は最後まで聞く!」
「「はーーい」」
「はいは短く!」
「「はーい」」
「……もういいです。いいですか、あなた達は完全同位体です。それは分かっていますね?」
「何回も聞いた」
「同じく」
「完全同位体同士では互いの音素を干渉させて超振動を発生させることができます」
「そうらしいですね」
「難しい話だったらオレまだわかんないぞ」
「やってください」
未だに顔を上げずにディストは言ってのけた。
「どうやって?」
「……つまり、コツとかも何もわからない状態で超振動を引き起こして僕とレックを分解して、ここじゃないどこかに再構成しろと?」
「物分かりがいいですね、ハイト」
ディストが顔を上げた。
「再構成に失敗すれば即ち死です。私はあなた達二人のこの場からの消滅を持って処分したと報告します。ですからせいぜい派手にやってくださいね」
「……どうやって?」
「わかりました。レック、基本的な制御は僕がするから。失敗したら一緒に死んでくれる?」
「おう! ハイトが一緒なら怖くないぞ!」
「嬉しいけど断言されてもなぁ……ありがと」
「あぁそれと」
ディストが二人から手を離して短剣を取り出した。
「気休めですが、これでレックの髪を切ってください。理論的には乖離した第七音素が超振動の助けになるはずです」
「オレの髪切っちゃうのか」
レックの髪は長いところで腰くらいまである。
「嫌?」
「そうでもない。けど、勿体ないなぁって」
レックが自分の髪を摘んで弄ぶ。
「そのナイフは差し上げます。護身用にするなり、売り飛ばすなりしてください。それなりの値にはなるはずですから」
それでは、と言ってディストは踵を返し、だがすぐに振り返った。
「本当に、すみません」
「謝らないでください、ディスト」
「必ず、生きて下さい」
「はい、必ず。今まで長い間お世話になりました」
「こういう時はさようならって言うのか?」
「ううん。またね、だよ」
「そっか。じゃあまたな、ディー」
「僕たちにはまだあなたが必要です。これからもよろしくお願いしますね」
笑顔の二人に釣られてディストも少しだけ笑みをこぼした。
「本当に、いつまでも手のかかる子供達ですね」
「あなたの子ですから」
その言葉に一つ頷いて、それでは、と告げてディストは歩き去った。
「行っちゃったな」
「そうだね。……始めようか」
「本当は、ディストはこうなる事を覚悟していたのかもしれないね」
自分の髪を短剣で切り落としていくレックを見ながらハイトは呟いた。
「そうなのか?」
「あの人は、絶対に君の髪を切らせようとしなかったから」
「オレはそれだけじゃないと思うけど」
地面に落ちた自分の髪の房を見つめてレックは言った。
「ディーは、この光景を見たくなかったんじゃないかな」
地面の黒い髪は端の方から次第に色が薄くなっている。二人が眺めている間にもどんどん髪は短くなっていった。
「確かに、あまり気分のいいものじゃあないね」
「こういうの見てるとオレがレプリカってことを実感する」
最後の一筋が消え入るのまでを二人は見届けた。
その日。謎の大爆発がルグニカ大陸南部のコーラル城近郊で発生。駆け付けたキムラスカ軍はその破壊痕を当時行方不明だったファブレ公爵家子息ルークによる超振動のものと断定し、周辺を隈なく捜査した。その結果ルークは捜索の手伝いをしていたローレライ教団のヴァン謡将によってコーラル城で発見される。だがルークは重度の記憶障害を発症しており、真相は誰にも知られることはなかった。
――僕がいるから、怖い夢なんて見ない。
――だからぐっすりお休み、ルーク。
「これはこれは……どうしたもんかね」
「ふぁぁあ、あ……おはよう、ガイ」
「あぁ。おはよう、ハイト。……何があったんだ?」
「ん? あぁーこれ? 眠れなさそうだったから僕が添い寝してあげたんだ」
「違ぇ。お前が寝れないから俺んとこに押しかけたんだろうが」
「ん、おはよう、ルーク」
「…………だから俺はアッシュだと」
「お、は、よ、う」
「…………おはよう、ハイト」
「ガイには?」
「……オハヨウゴザイマス」
「お、おぉ……おはよう、アッシュ」
「よしよし。ガイ、もしかしてものすごく遅かったりする?」
「いや、二人ともいつもは早いから、今日はどうしたのかと思って様子を見に来たんだよ。まだ寝てても大丈夫だ」
「……寝過ぎだ。起きる。どけ、ハイト」
「わ、ちょ、蹴るのは無いんじゃない?」
「邪魔だ」
「元気になったみたいで、よかったかな?」
「あいつ最近眠れてなかっただろう? 何したんだ?」
「特には何も。隣で子守唄を歌って背中を叩いてたくらいだよ」
「……よくそれを受け入れたな」
「まぁ眠かったみたいだしね。文句を言う元気も無かったみたい。しばらくしたらころっと眠ったよ。僕が寝たのはそれからだからほとんど寝てないんだけどね……よっと。アッシュー? 洗面所まだー?」
でもイメージは修学旅行の朝
*****
「いっ……てぇ」
――もしもし? レック? 繋がっちゃった?
「ハ、イト……?」
――聞こえてるみたいだね。頭痛大丈夫?
「だい、じょーぶ……これ、何?」
――僕の方に流れてくる第七音素の流れがあってね。嫌な予感がしたから辿ってみたんだけど……ホントに大丈夫?
「心、配されても治んないから、はや、く……」
――ごめん。手短にいくよ。レックの音素が僕に流れて来てる。原因はおそらく超振動で、多分僕達は大爆発が始まりつつある。極力フォンスロットを閉じて、音素が逃げないようにして。譜術は使うのも使われるのもまずい。それでできるだけ早くディストに会って欲しい。僕も見つけたらこれで連絡するから。それと頭痛の原因、できれば考えておいて。
「わか、った……」
――それじゃあ、切るよ。負担かけてごめんね、レック。
「へーきだ、って」
*****
「ねぇアッシュ。ディストに会いたいんだけどどうすればいい?」
「ディスト? あんな奴に何の用があるんだよ」
「ちょっと命に関わることで出来るだけ早く相談したいことがあるんだ。ダアトに行けばいいかな?」
「ちょっと待て。命に関わるって何だ」
「大爆発って何って博士に聞いたらわかるから。それで、ダアトでいいの?」
「ダアトに行ったところで会えるかはわかんねぇよ。だがそれしか無いだろうな。あいつの副官のライナーって奴ならディストと連絡をとれるはずだ」
「じゃあライナーさんに会えばいいの? どうやって?」
「ライナーに直に会うのもキツイな。あいつは本部に篭りきりだ。ダアトの警備には第六師団員も配置されている。そいつらに頼み込んでカンタビレに面会させて貰え。あいつなら事情を話せば協力してくれるはずだ。カンタビレが無理なら副官のアレクでもいい」
「カンタビレって……あの第六師団長の?」
「あぁ。上手くいけばシンクやアリエッタ辺りを使って探してくれるかもしれない。まぁそれが無理でも部下を使えばすぐに見つかるだろ」
「? カンタビレって君達と仲が悪いんじゃあなかったの?」
「誰がそんなことを言ったんだ?」
「あー、いいや。それで、そんなに簡単に面会できるの?」
「俺からの使いということにしておけ。俺が『身長は伸びたか』と聞きたがってきた、とでも言えば通してもらえる」
「……すごい合言葉」
*****
「大丈夫。怖くないよ。俺は消えるんじゃ、ないから。ハイトと一緒に生きるんだ。だから、怖くない。怖くない」
「いいのか、あいつの傍にいなくて」
「……怖がらないと、だめなんだよ。それがレックがレックとして生きているということ。僕の一部になるだけだから、元に戻るだけだから怖くない、なんて思ったら駄目なんだよ。そうして僕は、他人を喰らって生きる。それからの僕が僕であるかどうかはわからないけど、でも二人分生きる。生きなきゃいけない」
「……まだ、そうと決まったわけじゃない」
「そうだね。まだ大爆発が起きるかはわからない。だけどねルーク。当事者である僕らにとっては同じ事なんだよ。僕らが恐れているのは未来の死なんだから」
*****
大爆発ネタ。あくまでもパラレルです。誰も死なないハッピーエンドが目標なので。
・各キャラの改変具合
ルーク
傲慢・我が儘は始めから少なめ(俺様ではあるけど)。物知らずな常識人。無知であることは自覚している。断髪後は原作-卑屈みたいな感じ。アクゼリュスに関しては手を下してないし、レムの塔も初めからアッシュとの共同作業で死ぬことは無いし(レプリカは死ぬ)、音素乖離も無いので原作の悲壮感が無い。
ティア
今のところ特に予定無し。
ジェイド
裏設定として預言が詠めない体質。生まれる時代を間違えてしまった人。もはや人の皮を被った人を超越してしまった人で、創世暦時代にタイムスリップしても一月くらいいれば天才と呼ばれるようになりそうなくらいには天才。生まれる時代を2000年ほど間違えた人間。現在もジェイドしか理解できない事象をたくさん知っているがジェイドしか理解できないのであんまり意味はない。それだけ頭がいいくせに運動能力も超一流とほんとに人外。譜術能力ももはや人外でまさしくマルクトの人間兵器。譜術を使えば一人で師団一つは潰せると思う。精神面も相当他人とは違っていて人間味が無かったのをピオニーとかが頑張ってなんとか現在の形に。ジェイドを変えるのはやっぱり赤毛であってほしいのですが、ジェイドの友人になるのはルークだけだと思う。
アニス
カンタビレの指導のおかげで誰彼構わず拝金主義を発揮することはない。モースの件についてはカンタビレが実は借金を肩代わりしたため逆らってもいいのだがカンタビレの指示でモースに従っているふりをしている。何をモースに伝えたかは逐一カンタビレに報告しているが二重スパイとかは特にしていない。ダアト組はカンタビレの干渉がすごいっす。
ガイ・ナタリア
まぁ原作どおり。
アッシュ
原作とは正反対でルークを嫌っていない。レプリカ誕生前にハイトと出会って全く新しい価値観を植え付けられた。貧乏くじを苦笑しながら引きまくる年少組のお兄ちゃん。口が悪いのと眉間のしわは相変わらず。
シンク・アリエッタ
普通にイオンもアニスもアッシュも交えて仲がよかったりする。シンクはディストに世話を焼かれてる。
ディスト
大爆発回避法を見つける為に六神将に。原作の原型をほぼ留めていない。ジェイド化してる
カンタビレ
オリジナルイオンに預言を受け付けない体質(異世界人だから)を気に入られて導師守護役に。イオンが死ぬ直前に詠師職に叙せられて第六師団長となる。外見と中身のギャップのおかげか年上の多い部下達にも慕われている模様。人心を掴むのは上手い。下手したらルークよりも長くオールドラントにいるが歳を全然とらない。正体はTOD2ED後のリオン。
考えたことのあるオリキャラ達
・ルーク付き使用人 フィン
天涯孤独な元下級貴族。
「あなたの傲慢さに救われたんです。どうかそのことまでは、否定なさらないで下さい」
・元白光騎士団員 ディック
ルークの体術の師。ルークを屋敷から連れ出したことがバレて首になった。現在は昔のようにケセドニアで傭兵生活。
・もしかしたらルークだったかもしれない人 ラディウス
アッシュの一日前に赤毛緑瞳で生まれた中流貴族。バチカル時代のアッシュの数少ない友人。王位継承権を持つがその気はない。下手するとナタリアと結婚させられかねない。
・ディストの部下二人
男女でディストに代わってハイトとかレックの世話もしていた。ホド出身かな? 本編時では女の方は良心の呵責に耐え兼ねて自殺。男の方はまだディストの部下を続けてる。
・もう一人の緑っ子
イオンレプリカのうちの一人。言語能力に著しい劣化が見られ話すことができない。失語症状態。耳・目などは健全。髪は染めているので緑ではなく、瞳の色を変えるために譜眼を施した。譜眼を制御できる辺り元から譜術の能力があったと思われるが、それに譜眼も相俟って譜術能力は被験者よりある。詠唱破棄で譜術を展開できる鬼才。
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・時間は最初のルークの帰還の時
「公爵家の屋敷に侵入して子息を害した身で、よく再びここに来る気になりましたね。身の程を知ったらどうですか」
「フィン! 俺の友人だ!」
「お言葉ですがルーク様、本来ならばこのような所業を行った輩は死罪となってもおかしくは無いのですよ。それを簡単にお許しになってしまわれると他の者に示しがつかなくなります。それでもそうおっしゃいますか」
「ティアに俺を害す気はなかったし、事実俺は何もされていない。ありゃ事故だったんだ。示しがつかないったって、結局は公爵家の面子が潰れたって事だろーが。俺を逃がさない為の警備は万全だったくせに、外からの侵入に対してはザルだったっつーわけだ。為すべき事はそっちの強化であって、ファブレ公爵家に対しては何の敵意を持っていなかったティアを罰する事じゃねぇ。どーだ」
「そこまでお考えでしたら私からは何も言いません。出過ぎた事を申し上げました。失礼いたします」
「何よあいつ。感じ悪ーい」
「アニス。そんな事を言うべきではありませんよ」
「はぁい。ごめんなさい、ルーク様」
「え、いやあれは明らかに感じ悪いから別にいいけど。しっかしティアに対してはあんなに言うのに、敵国が服着て歩いてるジェイドが屋敷に入るのは何のお咎めもないのな」
「おや、一応私は和平の使者ですが?」
「そんなこと屋敷の下っ端連中が知ってるかよ。さて、と……皆、時間はあるか?」
「ええ、ありますけど……?」
「よし、じゃあこの辺がいいかな。ガイ」
「はいはい、テーブルだな?」
「頼んだ。俺は厨房に行ってなんか無いか聞いてくる。それとティア」
「わ、私?」
「お前以外に誰がいるんだよ。母上のところに寄るから来いよ」
「……ルーク。何があるのかさっぱりわかりませんが?」
「へ? ……あぁ悪ぃ、茶会だよ。流石に俺の部屋にこの人数はきついからな。皆は花でも見てちょっと待っててくれよ。んじゃ行くぞ、ティア」
「あ、ガイ。お茶を用意したんだけど何処に持って行けば……中庭?」
「当たりだ。やっぱり紅茶をいれに行ってたんだな」
「ルーク様の御友人なんだから当然だよ」
「付け合わせは何かありそうか?」
「ルーク様に出すおやつを用意していたから多分大丈夫。お茶会にするなら持って来るように言いに行かないと」
「あー、それはさっきルークが行った」
「……御自分で?」
「ああ」
「はぁ……そういう事は周りの者に申し付けろと何度も言ったのに」
「まあいいじゃないか、ルークらしいよ」
「そうだね、ルーク様らしい。……本当に、帰ってこられてよかった」
「お、来た来た」
「わぁー、おいしそーう♪」
「そういえばすっげぇ甘いと思うんだけど大丈夫か? 特にジェイド」
「私は大丈夫ですよ」
「俺は苦手なんだが? ルーク」
「お前は諦めろ。ちゃんと食ってやるから」
「な、酷いぞお前!」
「今更だな。ほーら端っこ、ちょっとはマシだろ」
「ルーク様ぁ、私これがいいです」
「はいはい、どーぞ。ティアは?」
「わ、私はどれでもいいわよ」
「遠慮すんなって。美味そうなところは……っと、ほら」
「あ、ありがとう……」
「イオンはどうする? まぁ後三つしかねーけど」
「僕は……そうですね、その左端のをお願いします」
「はいよっと。ジェイドはこいつな」
「おや、私には聞いてくださらないのですか?」
「大人なんだから我慢しろよ」