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小説置き場。
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 高緑風味の友情チャリア。友情チャリアは逆行緑高♀の過去編扱いにしようかなぁと思っている。とりあえず、真一郎の学校での主な住処は視聴覚室で、緑間との思い出を抱えた和奈もそこにやって来るということで一つ。これから友情チャリアの絶好の二人きりポイントとして視聴覚室使おうね!
 あとbumpの宇宙飛行士への手紙をイメージしてます。今回は一人で雷を見て、高尾と一緒に思い出を集めたいと思った真ちゃんの話。あとで二人で雷見てイベント回収。
 高尾は忘れたくない、思い出にしたくない、っていう飴玉高尾にするつもり。これでも友情チャリアだよ!

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タイトル
ホルン吹き緑間くんのとある夏の話
キャプション
■「こんなの、音楽じゃない……!」吹奏楽コンクール全国大会の後、黒子はひっそりと帝光中学吹奏楽部を退部した。あれから二年。帝光中の五人の天才的演奏者“キセキの世代”を擁する全国各地の高校が、吹奏楽コンクールで激突するーー! 
■という前提があるようなないような感じの、吹奏楽パロです。ホルン吹き緑間が書きたかっただけです。でもあんまり吹いてません。都合により高尾くんはアルトサックス担当。そして相変わらずのチャリア友情仕様。 
■多分中学時代に、帝光中と高尾の中学で自由曲が被って、高尾がコンクールで吹いた(アルトサックスの)ソロをあろうことに帝光中は緑間(ホルン)に吹かせたとかそんな過去があったんじゃないですかね。 
■作中のコンクール自由曲の『宇宙の音楽』はこんな曲ですつ【 http://www.youtube.com/watch?v=KkWfS5p7mWU&sns=tw 】冒頭のソロだけでもどうぞ。長い曲なのでコンクールでは当然適宜カットしてます。 
■そういえばおじゃんぷ様で吹奏楽漫画始まったらしいですね! 音楽を音以外のものでどう表現するのか、興味津々です。

タグ
黒子のバスケ 吹奏楽パロ パラレル チャリアカー組 緑間真太郎/高尾和成

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タイトル
 取り替えられたこども

キャプション
■神社の息子真ちゃんと愉快な仲間たちによる少し不思議なお話。ジャンルはきっと和風オカルトファンタジー。
■自分がこれからする行動を宣言するのが宮地さんの暴言で、畳み掛けるように相手に命令する(シバくぞ除く)のが笠松先輩の暴言の吐き方のような気がする。
■宮地先輩の過去設定をどうしても書きたかった、ただそれだけの話。
■高尾ちゃんは大人になったら真ちゃんと絡んでもらいたい。
■もはや一次で書けと言われても仕方のない内容。需要とか気にしない。
■バスケしろ。

タグ
 黒子のバスケ パラレル 宮地清志/緑間真太郎/赤司征十郎/花宮真


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■タイトル 見えなくなりたい高尾くん

■キャプション
■これはどういうジャンルになるのだろうと考えてみたのですが、オカルトファンタジーが一番しっくりくるかな? と思います。
■タグに緑宮をつけてみましたが期待するようなものはありません。し、後々くっつくのはチャリアと葉宮、という設定ですん。
■前作に続きタグをつけて頂いてありがとうございました。素直に嬉しかったです。
■この話の緑間は人間です。
■バスケしろ。

■タグ
 黒子のバスケ チャリアカー組 緑宮 パラレル

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タイトル
マイペース緑間くんとツッコミ気質な高尾くんの少し不思議な話

キャプション
■オレなんでこんなところにいるんだっけ? って、あんたがヘタレだからだよ、高尾くんよ。
■神社の息子の緑間くんと見える人高尾くんによる高尾くんが見えない人になるまでの話、のはずだったけど高尾くん見えなくならないかもしれない。
■オカルトとか心霊とかそっち系の厨二だよ!
■緑間「人払いを兼ねた結界だ。下がっていろ」「お前は推定ぼっちの同学年男子に何の夢を見ていたのだよ」
■高尾「こちとら物心ついた時から追い回されてンだよ、今更気付かれるなんてヘマしねーよ」「そっか。でも二つしかないものを独り占めするのは良くないと思うぜ緑間くんよ」
■↑大体こんな感じの、シリアスぶっても結局中身はお馬鹿な男子高校生の二人による山もオチもない話です。安定の初対面なのに仲良し。
■筆者はNLでも「女の子を男体化すればホモになるじゃない!」と考えるレベルのどうしようもない腐です。友情のつもりですが腐れた匂いがするのはご容赦下さい。緑高(´∀`)ウマー 腐向けタグが必要そうでしたら追加お願いします……!
■本当はゴーストハントのパロにして黒バスホラータグにお邪魔したかったけど精々現代ファンタジーが限界でした。
■wを使わずにいかにして高尾くんを爆笑させるかに挑戦してみました。高尾くんちゃんと笑ってますか?
■オニポテ美味しいです(´∀`)ウマー
■バスケしろ。

タグ
黒子のバスケ チャリアカー組 パラレル


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ゴーストハントっぽい世界観でみんなバスケしてない。

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概要
 超大型浮体式構造物の設計や運用の基礎のために、超大型浮体式構造物の波浪中弾性挙動の理解は必要ない。日本でのメガフロートプロジェクトの間に、超大型浮体式構造物の波浪中、もしくはその他の外力への弾性応答を予測するために種々の方法が提案されてきた。これらの多くの研究の結果、我々は今や精度良く波浪中弾性応答を予測できるようになった。
 この論文はこれらの予測方法の簡潔な概略を分類し、紹介している。流力弾性波の分析的な考察はまた、多くの結果によって得られ、比較されている。

1.序論
 日本では、浮体空港や海上都市に利用するために超大型浮体式構造物について集中的に研究をしていた。このメガフロートプロジェクトは1995年に始まり、2000年に完了した。このプロジェクトとそれに続く研究によって、超大型浮体式構造物を含む多くの技術は大きな進歩を成し遂げた。これらの技術の中でも、最も重要な問題の一つは、流体力学の見地からの超大型浮体式構造物の波浪中弾性応答の予測だった。メガフロートプロジェクトは波浪中弾性応答の基本的な性質を明確にし、様々な解析方法を発展させた。
 この論文ではまず、ポンツーン型とセミサブ型の超大型浮体式構造物の両方の波浪中弾性応答の計算方法の発展を概説し、波浪中弾性応答の解析的な特徴へ導入する。
 では、他の状況での波浪中弾性応答を説明する。例えば、飛行機が離陸もしくは着陸する場合、その応答は解析的には時間変数の関数に従う。超大型浮体式構造物の一つのユニットが引っ張られている状態では、その前進速度の影響は解析に含まれる必要がある。超大型浮体式構造物が組み立てられた状態では、2,3個の浮体やその相互影響もまた考慮に入れなければならない。
 最後に、係留システムの定性的なリスク解析について説明する。超大型浮体式構造物の安全のために、超大型浮体式構造物の水平変位や環境条件を考慮した係留装置にはたらく反力の予測はとても重要となる。ここに、風力や変動波漂流力の決定に使われた予測方法を示す。

2.波浪中弾性応答
2.1 計算方法の分類
 超大型浮体式構造物は二つの全く異なった流体力学的な特徴を持つ。一つ目の特徴は水平方向の大きさだ。実質的な波長の影響は典型的な超大型浮体式構造物の水平方向の大きさに比べると十分小さい。もう一つの特徴は曲げ剛性の小ささで、つまり、波浪中弾性応答は剛体の挙動よりも重要になる。
 そんな構造物の応答の予測のために巨大なコンピュータのメモリーと莫大な演算時間が必要とされてい、そのため従来の方法では直接適用はできなかった。この困難に打ち勝つために、多くの研究が取り組まれ、多くの計算方法が発展してきた。
 ここに、筆者は今までに発展してきた種々の計算方法を再検討し、分類する。多くの研究はポンツーン型超大型浮体式構造物を含んでいるので、弾性変形の代表的な手法によってポンツーン型超大型浮体式構造物の計算方法の再検討と分類をまず行う。
 一つの計算方法はモード展開法である。この方法では、弾性変位は図1の示す通り、多くのモードの変位の重ね合わせによって表現される。
 第二の方法はメッシュ法である。この方法では薄板の弾性変位が図1の示す通り、これらの下部構造の垂直変位の連続によって表される。
 他の方法も存在するが、すべて上記の二つの手法を用いて分類することができる。
 流体力の扱いによって、二つの方法がある(表1)。一つはグリーン関数法、もしくは積分方程式法である。この方法では、流場の速度ポテンシャルはグリーン関数の分布によって表される。 第二の方法は固有関数展開マッチング法である。
 積分方程式を解くために、構造物は細かくパネルに離散化される。Utsunomiyaは未知数の数を減らすために二次元の8接点六面体要素を利用した高次境界要素法に取り組んだ。高次境界要素法は正確さを改善するがまだ多大な演算時間を必要とする。
 Kashiwagiは代わりとなる、ガラーキン法をスプライン関数の係数の決定に用いる、3次B-スプライン関数によって未知圧力分布を表現する方法を発展させた。一般的に、ガラーキン法では演算時間が増える。しかしながら、構造物を同じ大きさのパネルに離散化すると、影響係数行列の評価で相対的な相似関係を考慮することによって演算時間は劇的に減少する。そういうわけで、KashiwagiのBスプライン関数ガラーキン法は実用的に用いられる最も早い計算法の一つとして認められている。
 Yagoはメッシュ法に取り組んだ。圧力分布は境界要素法を用いて計算され、弾性板の運動方程式は有限要素法を用いて解かれる。この方法は普通の計算を含み、多くのメモリと莫大な演算時間を必要とする。そのため、実用的な利用は約1000mの構造物に制限される。このプログラムは異なった構造的な形状や、違うパネルの間の境界条件や、剛性が変化する構造物を扱うことができる。
 Ohmatsuは長方形領域でのヘルムホルツ方程式のディリクレの問題の解の解析表現を導入して、モード展開法と固有関数展開マッチング法の両方に取り組んだ。適用は長方形板に制限されるが、流体力計算の表面積分が線積分を用いて行われ、演算時間が大幅に減少する。
 この分類ではまたSetoのcodeもある。自由水面流において、ハイブリッド有限/無限要素法はNASTRANのような構造解析のつり合いに特別な注意をして導入される。このcodeはとても用途が広い。演算領域も時間も必要とするが、複雑な構造物や海域にも適用できる。
 MuraiとKagemotoは独特な予測法を発展させた。彼らはgroup body理論を改善した。

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001~006
001 特パロ 金銀
002 特パロ 紅翠
003 HGSS ライコト
004 スペ シルイエ?
005 マスカイ
006 金銀 パロ

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■アルヴィンとジュードの本編前の接点
 一つ目は、2部開始直後のアルヴィン加入後に船に乗ってサマンガン海停に着いた後にル・ロンドに引き換えしてジュードの家に行くと見れるサブイベント(ジュード編だけ?)。ここでアルヴィンとディラックが旧知である事が明かされている。そしてうろ覚えだが「(ジュードを)アルクノアから守ってやってるだろ」という趣旨の発言をアルヴィンはしていたはず。これと終盤のサブイベントでディラックがエレンピオス出身である事が確定している。アルヴィンと同じ船に乗っていたんだそうだ。
 ここでエレンピオスでのアルヴィンとディラックの立場を確認すると、アルヴィンはエレンピオスで最も権力のある貴族の当主の息子、ディラックは高度な黒匣を使いこなす著名な医者である。
 となると、可能性は二つあって、一つは二人がエレンピオスにいる時に接点があった場合。アルヴィンの家付きの医者がディラックだったとか、家族の誰かを専門に診ていたとか、そういう可能性。この場合だとディラックはお坊ちゃんだった6歳のアルヴィンを知っている事になる。
 二つ目はたまたま船に乗り合わせただけの場合。ジルニトラに乗っていた乗客は運命共同体になってしまうわけで、こうなると乗客同士である二人が知り合いになる可能性は高い。

 ○ディラックはアルクノアだったのか?
  ・ジルニトラに乗っていた乗客全員がアルクノアに所属したのか
  ・アルクノアにリーゼ・マクシア人は所属しているのか
  ・イスラはアルクノア? それとも協力者? エレンピオス人? リーゼ・マクシア人?

 どちらにせよ、お互いがエレンピオス人であることは知っている二人。ディラックは5年で足を洗ったっぽい発言があったはずなので、それ以前(アルヴィンが11歳まで)に知り合っている可能性は高そうだ。
 だとすると、子供(ジュード)が生まれるという話をディラックがアルヴィンにしていた、というのは大いに有り得る。本編前にアルヴィンがジュードの存在を知っていてもおかしくはないのだ。

 もう一つの接点は、「プレザがタリム医学校に潜り込んでいたときにアルヴィンと同棲していた」というサブイベントでの話。プレザが潜り込んでいた時期にジュードが医学校に所属していたのは確定のようなので、ジュードが医学校に通っている時にアルヴィンはイル・ファンにいたようだ。
 ひょっとするとこれは本編の直前の話なのかもしれない。


■レティシャ
 アルヴィンママ。シャン・ドゥの川横断してワイバーンが居ない方の家に住んでいらっしゃる。
 レティシャさんはどんな人だったのだろう。
 まずは息子のアルフレドに親としての深い愛情を注いでいる。これは正気を失ってからの発言から伺える。そしてたまに正気に返る。
 正気を失った原因は、望郷の念が募りすぎて、とアルヴィンは説明していたはず。あまり精神的に強い人では無かったのだろう。そういうところはアルヴィンに似ているかもしれない。
 異世界という現実を受け入れる柔軟性が無かったとも言える。愛する息子がいるのに現実を否定してしまう辺り、案外息子への愛情は独善的なものだったのかもしれない。当主に嫁いだのだと思うけれど、多分それは貴族階級の政略結婚に近かったんじゃないかなぁ、と。打たれ弱さ的に平民出身ではなさそう。
 異世界に来て早々に正気を失っていった訳ではないはずだ。今まで暮らしていた世界とは全く違う野蛮で恐ろしい異世界でこれから暮らしていかなくてはならないということ、頼りになる夫が早々に他界してしまったこと、最愛の息子ではなく義弟が権力を握っていくこと(ジランドはアルヴィンの父親の弟としている。レティシャが実の妹ならもっと待遇は良かったと思う)。受け入れがたい現実が重なって、彼女の味方は幼い息子しかいなくて、そうして彼女は現実を否定する道を選んだのではなかろうか。それでも、彼女は彼女なりに息子を心の底から愛していたのだ。


■アルヴィンはどんな環境で育ってきたのか
 事故までは貴族の息子として、それはもう真綿に包むように、優しく優しく育てられていたんだと思う。それが事故で父親が死んでからは状況は一変、庇護者がいなくなり叔父が権力を握るようになり、今までとは生活が一変したはず(と言っても平民に比べりゃあ特別待遇受けてたと思うけど。仮にも当主の息子……というか世襲制なら当主?、ジランドが完全に当主になるのはゲーム始まってる頃のはず)。優しく慈しんでくれる存在はもういないのだ(いてもいいとは思うけど、母親しかいないからこその原作アルヴィンだと思う)。
 アルヴィンには母親しかいなかったはずだ。母とふたりぼっちだったはずだ。先述の通りレティシャは精神が強い人とは思えないし、アルヴィンに辛く当たることもあっただろう。父のように母を守れない悔しさを噛み締めていたんじゃないだろうか。己の無力さが嫌で嫌で仕方がなかったんじゃないだろうか。で、擦れはじめる。
 アルクノアの仕組みが余り分かっていないからこの辺はよくわからないけれど、アルヴィンはレティシャは彼女なりに本当にアルヴィンを愛していることは分かっていたと思うし、そんな母をやっぱり愛したはずだ。母をエレンピオスに帰してあげたい。多分その一心で、報いてはくれないであろう母以外の全てを裏切り、ジランドの手先になるという屈辱に甘んじていたのではないかと、そんなことを思う。
 アルヴィンはジュード達と接するときに身分とかそんなことは全く口にしないし意識しているようにも見えないけど(せいぜい身嗜みにこだわる事くらい)、アルクノアでは身分を意識していたと思う。っていうか、せざるをえなかったと思う。アルヴィンが当主の息子であったことを知っているエレンピオス人がアルヴィンに向ける目っていうのは憐憫や落ちぶれた現状に対する嘲りが含まれていると思うんだ。(っていうかだから名前をアルフレドからアルヴィンに変えたのかもなぁ。)逃げ出したかったと思う。それでもアルクノアという環境に身を置いていたのは、母親の件があったからと、意地があったのかなぁ。リーゼ・マクシアを下等だと思っているエレンピオス人達に、エレンピオスに帰る事は崇高な目的だと思っているエレンピオス人達に、逃げ出したと嘲笑される事は許せなかったのかもしれない。笑われるだけの、貴族としてのプライド。それを捨てきれなかったのかもしれない。捨てたら母も捨てる事になる。
 自分の行動理念を「母の為」と他人主体に決めて、自分の気持ちからは逃げつづけていた。その母が死んだと聞いた時、ようやくアルヴィンは本心に気づいて(ジュード達を裏切りたくない)、そしてジランドへの憎しみをあらわにするわけで。プライドを傷付けられた怒りなのかな。この辺はまだ考察が足りない。でもいざ死にかけているところを見ると、急速にその憎しみは萎んでいったのかもしれない。ジランドに囚われていた自分が馬鹿馬鹿しくなったというか。

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「ようこそ、リィンバウムへ」
 そんな皮肉がよく似合う空だった。
「椎名、何か言った?」
「ううん、別に。とりあえず、皆起こそうか」

「で、どこなんだよここ!!」
「多分異世界だと思う」
「ええっ!?」
「そんな変なもの見る目で見ないでよ、地味に傷付くんだからね」
「でも異世界だなんて突飛すぎるよ。どうしてそう思うんだい?」
「私は、行った事があるからそう突飛には思えないけど」
「異世界に、ですか?」
「うん。とりあえずさ、ここから出ない?」

 どこだろう、ここは。
 リィンバウムかもしれないし、四界のうちのどこかかもしれない。辺りは土が露出している荒野だ。
 人に出会えればなぁと、そんなことを思った。


「あの、すみません」
「ああ?」
「召喚師ってご存知ですか? ……ああ、知ってるんですね。私達はぐれ召喚獣なんですよ」
「はぐれ……?」
「『名もなき世界』からなんであんまり獣っぽくないですけど」
「ちょちょちょ、待ってよ椎名! 私には何のことだかさっぱりわかんないんだけど!」
「ごめん、できれば穏便に済ませたいからちょっと大人しくしててくれる?」
「リィンバウムをしっているのは貴女だけなんですか?」
「はい。私は過去に誓約された事があるんで。でも他の皆は初めてこっちに来たんです、けど周りには召喚師と思われる方々の死体が転がってまして……」
「それで、はぐれというわけか。君の誓約主は?」
「まだ見つけてません。誓約が切れたという感じもしないんで、探そうと思ってるんです。この街に、派閥から派遣された召喚師は? ……いるけど評判は悪いってところですか。」

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「あなたは彼が『見える』事を知っていたんですね?」
「知っていた、とは少し違う。そう仮定すると健司の妙な発言にも納得いくなと思っていただけだ」
「っ、なんで俺に何も言わなかったんだよ!」
「お前が完全に無自覚みたいだったから。戸惑わせる事もないだろうと思って」
「そ、れだけで……?」
「もしもお前が『見える』事で何か問題が生じるようなら、俺だって話してみただろうし、第一健司は自分で気付いたろう」
「随分と献身的な幼なじみですね」
「当然だろう?」
「さぁ。僕にはわかりかねます」
「……つまりお前、俺の言ってる事が現実の話かどうかを確認して、違うかったらわざわざ話題反らしてた、ってことだよな……何回か心当たりあるぞ俺」


「なぁぼーさん」
「ん? どした、健司」
「俺の友達にさぁ、社会学部のやつがいてさ。宗教者の話を聞きたいんだと。紹介していい?」
「……俺と話して得られるもんは無いと思うがな。ま、会って話すくらいやったらええか。俺経由で他の奴らの話も、とかそういうことだろ?」
「そーゆーこと。話が早くて助かる」


「お前が霊能者? やっぱり?」
「おい、なんで『やっぱり』なんだよ」
「だって、お前が俺には見えないものを見てるのは知ってたし」
「はぁ!? お前、そんなこと一言も言ったこと無いだろうが!」
「わざわざ言う必要もないだろ、当たり前の事なんだから」
「幽霊が見えるのが当たり前の事か?」
「殆どの人は見えないんだろうな。でもお前が見えてる事は、お前が左利きであることくらい俺にとって当然の事だ。わざわざ『お前左利きなんだな』とか言わないだろ? 幼稚園以前からの付き合いなのに」
「お前以外の奴らにも何も言われたこと無かったんだぞ、俺」
「それは単純に気付いてなかっただけだろ。お前が俺には見えない何かについて話すことなんて殆どなかったし」
「……俺さ、結構怖かったんだけどな。異常ってレッテルを貼られたのが」
「その割にはあっさり俺に話したな」
「そりゃ、お前が今更態度変えるとは思えなかったし。でもなんか、どーでもよくなったわ」
「気にする事もないだろ、今まで日常生活に苦労してなかったんだし」
「なんだけどなぁ……」
「どうかしたのか?」


「俺が目を通して認識している情報と、他の人のそれが同じだなんて証拠はどこにもありません。でも、大抵の人は同じようなものなんだと思います。そうでないと人間は共には暮らせないでしょうから」


「俺のヒトガタじゃん、これ」
「そうだな」
「でも俺、お前や麻衣みたいな被害にはあってないぞ」
「名前は正しいか?」
「ああ。ちゃんと俺の名前だぜ、これ」
「……納得できないな。どうしてお前には何も起こらない?」
「さぁ?」


「私達も、ナルも生き残る事は不可能でしょう……。斎藤さんは、平気でしょうけど」
「……つまり、ナルってばすっげー強いんだけど、強いのはPKだから俺には効かないとかそんな感じ?」


「俺がここまでオカルトオタクになったのは誰のせいだと思ってるのかな」
「? 誰かのせいなのか?」
「お前のせいだよお前の!! お前が妙な事言うから興味持っちまったんだよ!」
「興味を持った原因は俺だとしても、そっからお前がここまではまった原因は俺には無いと思うんだけどな」
「うっさいっ!」


「俺は電気屋の仕事を全うするだけさ」


「つまり、俺がベースにいればいいって事だろ? そうすればここでの心霊現象はかなり防げるってわけだし」
「さながら、天然の結界ってわけか」

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 安藤優司×柏木和也
・どっちも親から虐待されてる/た
・和也は特待で、優司は本人も知らなかった親戚筋から私立の高校に放り込まれる。
・和也が通ってるところに優司が転校
・もういいか王道全寮制男子校で……。
・和也実はすーぱー賢い子? にはあまりしたくないんだが
・優司不良にすんのどうすんの。多分夜に外をふらふらしていたタイプ。

・王道全寮制男子校パターン
 どこか、学校全体がざわめいている。そう、ノートを取りながら柏木和也は思った。授業中にも関わらずひそめられた声がするのは日常茶飯事だが、その話題は今はただ一つに限られている。学校中で囁かれている噂ーーそれは、編入生がやってくるというものだった。
 私立雛罌粟学園。中高一貫全寮制男子校。高等部からの入学者も一学年につき両手で事足りる、つまりは中学の時から殆ど構成員が変わらない閉塞的なこの学園では、編入生など年に一人いるかいないかというレベルでの珍事だった。
 耳を澄ませれば、編入生の顔の美醜はどうだのわざわざ編入してくる事情がどうだのといった下らない会話が和也の耳に飛び込んで来る。予習のお陰で教師の話は多少聞き流しても大丈夫そうだと判断した和也は、教室にさざめきあう噂の海に飛び込んだ。
 授業はまだ三十分もある。

  *  *

「かず……や?」
 寮玄関で見かけた思いもよらぬ顔に、和也は目を見開いた。なんで、ここに。この学園に。小学校時代の同級生がいるのだろう。絶句した和也に元同級生・安藤優司が重ねて問いかける。
「お前、中学いないって思ってたら、ここに通ってたのか?」
「そう、だけど……何でここにいるの優司」
「よくわかんねーうちにここに編入させられた」
 編入。学校中に広まった噂話。
「編入生って……優司のこと?」

  *  *

「部屋は決まってるの?」
「とりあえずは決まってる。後で正式にルームメイトを決めるらしい。しばらくは様子見だと」
「編入生はとにかく目立つからね。僕は今一人部屋だから、申請かけてみるね。……いい?」
「申請って?」
「優司のルームメイトへの立候補。知り合いの方がまだ気が楽じゃない? 他に当てがあるなら何もしないけど」
「そっか。頼む」
「それと、この学園の異常性に付いてはどのくらい知ってる?」
「いじょう?」
「……何も知らないんだね。わかった、先に話しておく。仮部屋はどこ?」
「B312 なんだがどこなんだ?」
「ここA棟だから棟から違うね。行こう、優司」

  *  *

「まずここは全寮制男子校である事を胆に命じておくこと」
「はぁ」
「端的にいうとホモが異様に多い。女の子がいないから男でもいいか、って考え方が多い」
「……お前は?」
「どうでもいい、かな。でも友達だと思っていた相手に真剣に告白されかねない環境であることは覚悟しておいた方がいいよ」
「経験済みかよ」
「次、生徒会」
「あぁー、今日会った」
「会ったの!? もしかして話したりとかした!?」
「なんだよ急に、普通に話したぞ」
「それは、災難な事で……。ここでの生徒会の決め方は実質人気投票なんだよ」
「はぁ」
「つまり生徒会役員にはファンが多い。アイドル並の親衛隊ができてる」
「……はぁ」
「男の嫉妬は凄まじいからね、下手に喋ったりするとそれだけで反感を買ったり制裁を加えられたりする。暴力だけじゃないよ。自分の肛門は自分で守るんだよ」
「そんなことまで考えねーといけないのかよ……」
「そして編入生はとことん目立つ。しばらくは動物園の動物扱いされても気にしないようにね」
「おー、がんばるわ俺……」
「それで、あまり僕は当てにしないでね。特待生資格を剥奪されたら僕はここを辞めないといけない。変に恨みを買うと親の金で学園に圧力かける輩もいるもんだから……ごめんね」
「何謝ってんだお前。誰も知り合いもいない環境に放り込まれたと思ってたら、お前がいたんだ。それだけは俺は感謝したいくらいだぜ」

・平民のまんまパターン

 自分が住んでいる地域があまりガラの良くない地域だという事を和也はよく知っている。大通りから微かに見える路地裏でどのような事が行われているのかも。いつもなら気づかなかったふりをして通り過ぎるはずのそこで、ふと和也は足を止めた。
「優司……?」
 中学に上がってから疎遠になった友人が、倒れているのが見えたから。
 ただ事ではない。ペンキが剥がれかけた非常階段に干されたタオルをくぐり抜ける。埃を被った壁で服が汚れるのも気にせず、和也は走った。
「優司っ!」
 壁にもたれてぐったりと倒れ込んでいる和也の友人、安藤優司の前に和也は屈み込んだ。青黒く鬱血した頬、厚ぼったく腫れた瞼。満身創痍の優司がうっそりと和也を見上げる。
「なんで、お前がいるんだよ、和也」
 優司の意識があることに和也はほっと息を撫で下ろした。
「通りから見えたからね。大丈夫なの?」
「こんくらい平気だ。お前はさっさと帰れ」
 しっしっ、と優司が手を振って和也を追い払う。
「一人で立って帰ることもできないような人を置いていけって僕に言うの?」
 優司からの返事は無い。
「中学上がってから、妙によそよそしいと思ったら……こういう事ね」
 呆れを乗せた和也の声に、僅かに優司が眉を寄せる。
「もういいだろ。そろそろ他の奴が来る。お前は帰れ」
「やだね」
「和也」
 優司の声が低くなる。分かってないな、と和也は呟いた。二人の視線が合う。
「僕が嫌いになって避けてるのなら付き合おうとは思ってたけど、そうじゃないなら僕が君に合わせる義理はないよね。僕がボコられるのが不安? 生憎だけど、」
 和也がずい、と優司の真っ正面に身を乗り出す。そしてにっこり笑って言い放った。
「慣れてるんだよね」

 はぁ、と優司がため息をつく。
「……好きにしろ」
「そうこなくっちゃ」

 *

「ああん? なんだてめえ」
「僕ですか? 僕はKAITO型ボーカロイドのカイトです。彩園寺千景に会いにきたのでそこをどいてください」
「はぁ? ふざけてんのかてめえ」
「いいえ、ふざけていません。ただ今の最優先事項は彩園寺千景の身の安全を確認することです。場合によっては必要最小限の武力行使も辞しません」
「その細っこい腕で何ができるって言う、ん、だよっ……!」

「おーい、千景さんが『青い髪の慇懃無礼な優男が来たら通せ』だってs……遅かった?」
「そうですね、指示が遅すぎます。さて、案内していただけますか?」
「お、おう……」





 *


 力の対価はこの「想い」。例え今の気持ちを失ってしまうとしても、その分だけ僕は強くなれるから――それが、僕の望みだから――後悔はしない。けれども。
「……お願いがあるんです。もう、最後だから」
 お互いに告げないようにしていた想い。もう溢れかえってしまって、それでもとめどなく沸き起こる、強い、強い気持ち。一言でいい、まだこの感情が残っているうちに伝えたい。僕の口で、確かに、貴方を想う気持ちが今この瞬間には存在しているのだと、僕の記憶に、そして貴方の記憶に刻み付けたい。
「ダメだ」
 マスターが首を振る。
「俺達は終わるんじゃない。まだまだこれからも一緒にいるんだ。だから俺は何も言わない。――だから、お前も我慢しろ」
 分かっていると、そう言われた気がした。僕がどれ程強くマスターを慕っているのか、絶対にマスターは分かっていないと思うけれど。
 僕の気持ちは、認めてくれた。そんな気がした。
 自惚れてもいいのならば、この微妙に離れている二人の距離も、不自然なまでに真っすぐ立っている姿勢も、脚にぴったりとくっつけられた腕も、ぶっきらぼうな物言いも、僕を見つめる力強い視線も、全てが僕と同じように、溢れそうな気持ちを必死に押さえ付けている証だ。それだけでマスターの気持ちも伝わってる。だからそれ以上は、望んではいけないのだ。どれほど口に出してしまいたいと思っていても!!
 もうすぐ僕はこの気持ちを忘れる。僕だけが綺麗さっぱり忘れて、それでもこの人の側にいる。
 マスターの記憶に僕の今の想いを刻み付ける事が許されないのならば。僕だけは、絶対に忘れてはいけない。世界で一番、誰よりも、僕が好きなのは――この目の前にいる、この人ただ一人だ。
「それでは、行ってきます。――また、後で」
 さようなら。
 次に貴方に会う時は、僕は貴方への想いを失っているでしょうから。






 すきにならないといけなかった。でもこんなに苦しいなら、

 すきになんて、ならなければよかったのに。




 すきになっちゃ、いけなかったのに。


 大事な想いは、大事だから鍵をかけてしまってきた。自分でも触れられないほどに厳重に。
 しまいこんでいたことすら忘れてしまったのは、いつ?


 *


「燐。お前の『初めて』を俺に頂戴」





「なぁ」
 額をこつんと合わせてきたアカイトをカイトは多少の驚きをもって見つめた。僅かに見開かれた海色の瞳をアカイトはじっと見つめる。
「俺に言うこと、あるんじゃねえの」
 びくり、とカイトが体を震わせて視線を逸らした。伏せられた瞳を追い掛けて今度は下からアカイトがカイトを見上げる。
「な、何の事かな……」
「しらばっくれんな」
 ごまかそうとしたカイトの言葉を切って捨て、アカイトが更にカイトに詰め寄る。それこそ肌と肌が触れてしまいそうなほどに。


 *

「あ、マスターお帰りなさい」
「おー、ただいま」
「手伝いましょうか?」
「着替えくらい一人でできるわ。ガキ扱いせなや」
「まぁまぁ、いいじゃないですか。おれがやりたいだけですし」
「人の服脱がせんのが趣味なん?」
「マスターだから、ですよ。好きな人が自分の目の前でどんどん無防備になっていく様を作り上げるのって、いいと思いません?」
「……俺はあんま思わへんけど。まぁええわ、んじゃ手伝って」
「マスターって、いっつもそれですよね」
「へ?」
「『まぁええわ』って。一体何だったら嫌がってくれるんですか?」
「嫌がらせがしたいんかいなお前は」
「そうじゃないですけど……はい、万歳してください」
「んじゃ何がしたいんやお前」
「んーと、マスター頂いちゃいたいです」
「今は嫌や。腹減ってんねん俺」
「ご飯食べたらその後は嫌って言いますよね、それでご飯食べたらすぐ寝ちゃいますよねマスター」
「要するに今日は嫌ってこった」
「……はーい」
「物分かりが良くてよろしい」


 *

・ミクからすれば屋敷にガレ様と二人っきり(カイトを人と認識していない・存在に気付いていない・ガレ様とカイトを混同している)存在に気付いていないに一票
・屋敷に火が付けられた時にガレ様はミクと共に死を覚悟。結局死んだのはガレ様だけ
・大罪の器ってのは赤い何か(めーちゃん)青のスプーン(カイト)鏡(リンレン)鋏(ルカ)刀(がくぽ)の五つか?
・ガレ様はミクを人間にしたかった
・時計塔とミクに一体何の関係が?
・ガレ様はいつ目覚めるかわからない鋏と刀の目覚めを待っている間に自分は死んでしまうだろうと考えて、自分の死後も自分の望みを達成する為に分身としてのカイトを作成。
・ミクの「死」って何
・カイト→ガレ様 だけどガレ様はカイトを完全に物としか思っていない。ガレ様が心を認めるのはミクだけ。

 登場人物はガレ・カイ・ミク か?

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「どうしてそんなに兄を慕うのですか?」
「……綺麗だったから」
「は?」
「あいつの青い炎が、すっげー綺麗だったから。だから、その傍にいたい。それだけだ」
「兄さんに危害を加えるような事をしたら、一瞬で消し炭にしますからね」
「おお、怖。おれだって自分の強さくらい分かってるさ」


「燐。おれは、お前と同じだ」
「おん、なじ……?」
「おれも、悪魔なんだよ」
「お前、も……?」
「お前みたいに強くはないけどな。でも燐、おれは絶対にお前の味方だ。何があってもお前を裏切らない」
「なんで、そんな事言い切れるんだよっ」
「おれはお前の使い魔だからな。お前には逆らえない」
「使い魔? 知らない、俺はそんなこと知らなっ、……っう、」
「!? おい、燐どうした!?」


「お兄ちゃんらしさ」や「弟らしさ」っていうのは周囲からそういう風に扱われて始めて身につくものだと思う。普通、どちらが年上などと考えられずに育てられた双子っていうのはどっちが兄だとか弟だとかは意識していない。っていうか双子は双子。奥村双子の兄だ弟だという意識は周囲に兄らしさ、弟らしさを求められたから生まれたものだと思う。
喧嘩の強い燐にとって幼いころの体の弱い雪男は庇護対象だったはずで、雪男にとっての燐はヒーローだったはずで。病弱だった雪男は大人に構われる事も多かっただろう。サタンの力を継ぐからこそ燐は周囲から無意識のうちに雪男よりも厳しくしつけられていたのではないだろうか。意識の下に沈められた畏れを燐は周囲の雪男との接し方との違いとして認識していたのかもしれない。同じように雪男も燐と同じような違いを感じていたのかもしれない。更に雪男の場合、燐の秘密を知ってどう足掻いても燐には敵わないと感じた事も大きいような気がする。
似ていないからこそ普通の双子よりも兄弟性が強いのかなぁと思う。それでも決して兄弟じゃあなくて、あくまでも双子なのが奥村双子のおもしろいところだと思う。



くるくる。くるくるくる。
手持ち無沙汰に噴水に腰掛けたカイトが回す指に従って、水が空中に軌跡を描く。そして水が渦を巻いて一つにまとまると、水球と化した水の塊がボールのように跳ねて噴水に飛び込んでいく。ぼちゃん、と水音が一つ。
それからしばらくは噴水はただ水を循環させているだけだった。学園の噴水は時計の代わりで、昼夜問わずニ刻毎に水を噴き上げる。今はまだ前の噴水から一刻も経っていなかった。





エンゲーブ産の林檎は、本当に美味しい。まず見た目からして美味しそうで、真っ赤に熟した果実はつやつやしている。それを一口がぶっとかぶりつくと、口の中に甘ーい果汁が広がる。そしてしゃりしゃりという歯ごたえを楽しみながらその一口を嚥下して更にかぶりつく。すると芯に近付くにつれて増える蜜が舌を蕩かすのだ。
思い出しただけでもよだれが出てきた。その林檎を今、目の前でチーグル達が食べている。



「なん、やここ……何やねん、ここっ! 答え、アカっ!」
「マスター、本当に知らなかったのか……? 墓場だよ、ここは。人間とはもう二度と関わるまいと思った奴らが、死ぬために来るところだ。ここなら機能停止したロイドはうんざりするほどいる。まぁ、普通は人間は入れないけどな」
「お前、まさか今までパーツ持ってきた時ってのも……っ」
「ああ、ここの奴らのだ。野良ロイドにはよくある事だぜ、自分のパーツを墓場のやつから貰い受けるっていうのは」
「……よく人間に荒らされへんな」
「言ったろ、人間は入れないって。ある程度の大きさ以上の生体反応を感知したら熱線がとんでくるようになってる」
「……そこに俺は入っている、と」
「電源の切れた体をいつまでも溜めておくわけにもいかないしな。時々メーカーの人間が引き取りに来る。ここは人間に干渉されない安らかな死を提供する場所だ」
「そこまでしてお前達は機能停止を求めるんか?」
「人間に依存しなくては生きていけないように造ったのはお前達なのに、お前達の方からオレ達を切り捨てた。そうだろう?」
「それ、は……」
「全て人間がそうじゃないってことも、今のオレは知ってる。でも、ここにいる連中はそうは思っていない奴ばっかりだ。そういう目に遭ってきた奴らばっかりなんだ。流石に攻撃される事は無いと思うが、ま、何があるかはわかんねーよ」
「そんなところにマスター連れてくるか、普通?」
「あんた だ か ら 連れてきた」
「さいか。んじゃ、行こか」



「だから諦めろっての。ボカロ買う奴の中に善人なんて一握りだぞ? 大抵ろくでもない奴で、オレ達は下手に自己なんてものを持ってしまったが為に、妥協するしかないんだっての。指示通りヤってりゃあまともな暮らしができるここはまだマシな方だぞ?」
「うるさいお前の顔なんて見たくないって言ってるだろ!」
「まぁ初めてで男相手にネコってのも可哀相な話だが……そのうち逆転プレイでもあるんじゃねーの? お前がタチでオレがネコとか」
「全力でお こ と わ り だ !」
「だから拒否権なんて無いんだっての……。そのうちお前とリンとか、オレとリンだってあるんだろうからな。覚悟しとけよ?」
「リンにこんなことはさせない!」
「その強がりもいつまで続くことやら……。心配すんな、女の方が腹括ったらつえーよ」



「優しくしてくれる?」
「ああ。心配すんな……っていうのも無理な話か」
「ううん。確かに怖いけど……でも大丈夫。あなたなら信じられると、思うの」
「その信頼を裏切らないように、善処するさ。そんじゃ、よろしくな」



俯けられた顔を群青色の髪が滑り下りていく。静かに目を閉じて、それから彼は彫像のように動かない。
プログラムの祈りに何の意味があるのだろう、と思っていた。けれどその考えは、ただひたすらに希う彼を見ると吹き飛んでしまった。

魂の安寧。祈るのはただそれだけ。



「……くだらない」
「くだらない、だと?」
「だってそうじゃないですか。あなた達は人間に虐待された。確かにそうでしょう。で、それとおれやマスターに何の関係があるんですか? ただの八つ当たりですよね、今の状況は」
「貴様……っ!」
「あなた達の自己満足に付き合うほどおれはマゾヒストでも無いし、それでおれのマスターが傷付くのも嫌です。だからさっさとそこをどいてください」
「っ--! お前には心ってものが無いのか!」
「ええ、ありませんよ。おれはアンドロイドですから。あるのは心によく似たまがい物だけ。おれも--あなた達もね」


「お前達はやり方が悪すぎた。……俺に手ぇださんとこいつの同情を買おうとしたら、上手くいったかもしれへんのにな」
「マスター、早く帰りましょう」
「心配してくれてありがとうな、カイト。せやけどもうちょっとだけ。俺がこういうのほっとかれへんタチなんは知ってるやろ?」
「貴方を傷付けるような連中にかける情けも何もありませんよ。貴方に何かあったら、おれはーーっ!」
「大丈夫やって、な?」




「あまり、ひどい事はさせないでくださいね、マスター」
縄で縛り付けていた手首が赤くなっていて見るのも痛々しい。お風呂には入れて体はきれいにした。ベッドのシーツも洗濯機に放り込んで新しいのに変えた。その新しいシーツの上で、マスターは疲れ果てて死んだように深く眠っている。サイドテーブルに置きっぱなしだったピンク色のローターをつまみ上げて溜め息をついた。いつの間にどうやってこんなものを買ったんだか。
自分からこんなものをねだっておいて、マスターは優しく抱こうとすると妙に恥ずかしがる。わけがわからない。
「無茶したんですから、ゆっくり休んでくださいね」
どうせ起きやしないだろうと、裸のまま眠っているマスターを抱き寄せる。マスターが起きた時に一番に目に入るのが自分だったらいいと、そんな事を思いながら瞼を下ろした。

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ルース 黒長髪プリンス
 王位なんか狙ってもないのに王位継承権争いの内乱に巻き込まれて嫌になって逃げ出した王子。一人称は私。本名ルーファス。腹違いの兄弟姉妹がうんざりするほどにいる。口調は貴族っぽい感じだが話す内容は案外砕けている。

ローランド おっさんファランクス♂
 幼い頃からルースに使えてきた騎士。超堅物で主人至上。無口。ずっと誰かに従う立場だったため、自分の意思に無頓着。まあ基本的にはルースを子供のように可愛がっているので意思に反した行動はとってない。一等奴隷の間に生まれた子で一等奴隷。王家によってルースに買い与えられた。

ハイト 若い金髪パイレーツ♂
 元ルースの国の二等奴隷(奴隷とはいってもそれほど扱いは悪くない。金で売買されるが、自分でお金を貯めて自分を買い取る事も可能。そういった奴隷が一等奴隷。肌の色が白い人が奴隷階級。奴隷と平民の混血児は殆どいない)。内乱が始まる前に買われていた所を逃げ出し、アーモロードにやってきていた。ルースに銃の扱いを教えるが本人はさほど得意ではない。


ランス 黒長髪バリスタ♀
アーク 黒髪おさげモンク♀(性別は男)


リン 金髪若ウォリアー♂ レンとは双子。鎚っ子。
レン ファーマー♂ リンとは双子。マッピング係。とにかく性格(口)が悪い。農民なのは外見だけで実際は首切で敵をばっさり処分。
 二人して第一階層で詐欺紛いのことをしていた。ハイトもかつて騙されたクチ。


ソール 普通ゾディアック♂ ルースを見て運命を感じてギルドに入団。場の雰囲気が読めない。
トト 子供ビーストキング♂
イサギ 軽装シノビ♂
アルデバラン アンドロ♂2Y

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 大晦日だと言うのに、マスターは部屋に篭ってパソコンに夢中だ。もうすぐ新しい年が始まりそうだけど、マスターはそんなことに興味は無いらしい。
 今日も長引きそうなマスターにお夜食を作って、体内時計を確認する。23:55。ぎりぎり、間に合った。
「マスター、お夜食作りましたよ」
 扉を開いて、背を向けてパソコンに向かっているマスターに声をかける。ヘッドフォンをしているから大きめの声でないとマスターの耳には届かない。おれの声が聞こえたのか、マスターは慌てたようにヘッドフォンを外してこっちに振り向いた。
「カイト、お前の昔のマスターって、……」
 そう言ってマスターが続けた名前は、確かに最初のマスターのもので。だからおれははい、と返事をした。するとマスターがマジで、と呟いた。
「あの、俺ですら知ってる作曲家の?」
「はい。そうですけど」
 確かに最初のマスターは、おれに歌を作って、それをおれが歌って、一緒にメディアに出ていた。だからマスターが知っていることは意外でも何でもない。……ちょっと、マスターより数世代上なのは否めないけど。
「どうしたんですか、マスター?」
「いや、お前有名人やったんやなぁと思うと意外に思っただけや」
 何だか取り繕ってるような気がする。サイドテーブルに炒飯を置きながらパソコンのディスプレイを見ると、マスターが凄い速さで画面を閉じた。余りおれには見られたくないものだったようだけれど、一瞬でも画面を見ただけでおれには十分。懐かしい、ボーカロイド用の譜面が目に入って、無意識のうちにそのメロディーを口ずさんでいた。
「カイトっ!」
 マスターが真っ赤になっておれを呼ぶ。その理由がわからなくて、首を傾げながら詞の無いメロディーをラで歌いきった。
「どうしたんですか、マスター?」
 さっきと同じことをもう一度聞く。マスターはなんでもない、と答える。
 真っ赤になって恥ずかしがるマスター。唐突に昔のことなんか質問してきて、おれから隠そうとした楽譜。

 ……もしかして。

「おれに曲、書いてくれたんですか……!?」
「うるさいっ!」

 くわっ、とおれに反射的に返事をしたマスターがちょっと微笑ましい。否定はしないということは、もしかしなくてもそういうことだ。マスターが、おれに、うたを作ってくれた。いや、まだ完成していないかもしれない。それでも、マスターがおれに曲を書いてくれたという事実だけで嬉しいが溢れてくる。人間風に言うと、胸がいっぱいになる。
「ありがとうございます!」
 おれが言うと、マスターがふい、とそっぽを向く。
「お前の前の所有者が音楽家やなんて知ってたら、こんなんせぇへんかったわ……」
「どうしてですか? おれはマスターに曲を作ってもらえて、とっても嬉しいです」
「……フクザツなマスター心ってやつや。察しろ」

 と、妙なことを言って、マスターが黙り込む。指示通りに察しようと思考回路を走らせようとして、気付いた。

「あ」
「何や?」

 体内時計が告げるのは、

「マスター。おめでとうございます」
「はぁ?」
「明けました」

 00:00の表示。
 ぽかん、としたマスターが数瞬の間を置いて答える。

「それを言うなら『明けましておめでとうございます』とちゃうか?」
「そうですね。今年も、よろしくお願いします」


 *

【ネタメモ】知らない場所(旅行先など)でえっちしようとすると物凄く恥ずかしがるマスター

 *

 気持ちばかり焦って、想いは先に行ってしまって、行動はついてこなくて!

 あれもこれもそれもどれもかれもやろうとして過呼吸

 馬鹿みたいに一つのことしかできないって、誰よりも自分で知ってただろう?

 *

「……カイト。確かに好きなん歌いって言ったで? 言ったけどなんでこんなに至近距離なん?」
「マスターが構ってくれなくてつまらないからです。こうやって耳元で歌えば……マスター、おれの事しか考えられなくなるでしょう?」

 *

 うわっ、地面から建物が生えてきた。結構現実的な世界観だと思ってたのに……。これは思いっきりファンタジーだよね? どういう原理なんだろう?
 ……っていけない、Nくんの話を聞かないと。

 ここでアデクさんに勝てば、殿堂入りできてマスターの所に帰れると思ったのになぁ。めんど……じゃないや、残念残念。

『お前なぁ、まだレシラム登場してへんやろうが。ポケモンってのはクリア前に伝ポケと戦闘になるのがお約束やで、お約束』

 ……初代だとそんなこと無かったと思うんですけど。

『うっ……。ええから先行き!』

 はーい。じゃあ行こうか、皆。
 ……おれはこの子達は好き好んで戦ってるように見えるんだけどなぁ。

 *

「ん。帯人か……どうしたんだよ、急に」
「別に」
「そうかよ」
「暇なんだけど、アカイト」
「お前はそうでもオレは本読むのに忙しいんだっての」
「本なんていつだって読めるじゃない」
「お前に構うのもいつだってできるだろ」
「僕は今じゃないと嫌だ」
「わかったよ、仕方ねぇな……」

 *

 いつだって。

 私は私が嫌いだった。

 *

カイト+ミクで恋バナ?

「カイトってさぁ……彩園寺くん、好きなの?」
「うん。そりゃもちろん。マスターだし」
「そういう意味じゃなくて! その……恋愛対象として、好きなの?」
「うん。だからマスターは渡さないよ?」
「誰も取ろうだなんて思ってないから。でも見込みあるの? あの人私達は対象外なタイプじゃん」
「マスターがおれを好きじゃなくても、嫌われてないならおれはそれでいい」
「それで我慢できるの?」
「できるわけないじゃん。だからぎゅーってしたりとか、ほっぺにキスとかで我慢してる。それくらいなら許してくれるから。口にしたときは凄く怒られたけど」
「そこまでしてるのに無視を決め込んでるの? 酷くない?」
「一回ちゃんと言ったんだよ、好きですって。そしたらマスター、それはおれの勘違いだ、ってさ」
「何それ!? 最っ低じゃん!!」
「うーん、そうなんだけどねぇ……。ただマスターの言い方が、『俺の方だって判断つかないのにお前が先に結論出すな』っていう言い方だったから……まぁ、見込みはあるかなぁ? って」
「結局は自分の気持ちもはっきりさせられない優柔不断男ってことじゃない」
「違う。慎重なだけだよ、マスターは。うっかりおれを傷つけないように、凄く気を使ってる。……そんなこと、しなくてもいいのにね」
「……ホントにね。まぁ頑張って、カイト」
「あはは……。ミクの方こそ、頑張るんだよ?」
「なっ……。何のこと!?」
「何って、室長さん好きなんじゃないの?」
「……どうしてこう勘が鋭いのかなぁ、カイトは」


 あまり意味はないけど設定を小出し。
 マスターの所属している研究室ではミク・ルカ・がくぽを所有していて、他に学生所有のボカロのメイコとリン・レンがよく研究室に来ます。
 カイトが年下扱いしているのはリンレンだけ。同じ成人男性型のがくぽとは仲良しで、明け透けに物を言うミクとも仲良し。マスターを巡って関係が微妙なルカは苦手。メイコには逆らえない。そんな感じ。
 ……研究室設定は本来どうでもいいはずなんだけどなぁ。

 *

 12月の時点でカイトは自覚済み。でも告白はもっと後。その時はマスターに「お前は俺がマスターだからだろ」と一蹴されてる。
 マスターはカイト好きだけど、それは自分の所有物だからだと思い込んでる。マスターの告白話までずっと。ただ、その割りには相当甘えてる、と。

 *

「うーんと、ちょっと最近野性ポケモンにすら勝てない、って感じだよねぇ」

「特訓、するしかないか」

 *

 心配してくれてるのはわかる。それでも、思ってしまう。
 この世界におれが来てしまう前のおれは、『カイト』という人間は何処に行ってしまったのだろうと。
 おれは、一体何を上書きしてしまったのだろうと。


 ネタ設定でもシリアスに走ろうとする自分、自重。
 一応女主が存在しているため、カイトは過去を捏造しただけ。

 *

夢メモ
 地球が金星と衝突して重力加速度と自転周期と公転周期がおかしくなる夢を見た。一日が11時間になってた。その後約一年後にもう一回金星が地球とぶつかって元に戻るんだけど、それでも一日が23時間になって一年が今よりも一週間くらい短くなるらしかった。

 *

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 未来の私が笑ってなくても
 あなたとの今を覚えてて欲しい


 心の始まりは強すぎて
 言葉じゃ間に合わなくて
 (言葉が)足りないからどんどん足すから
 (心が)弱くなって(言葉を足すことを)終わりにした

 (言葉を?)繰り返すことを疑わずに
 (言葉を?)無くす事を恐れずに
 自分のじゃない物語の
 はじっこに隠れて笑った

 そうしなきゃ(言葉を足すことを止めて、他人の物語のなかで生きないと)どうにも
 息が出来なかった
 たいして好きでもない
 でも繋いだ毎日

 あなたのため(に毎日を繋いだ? 言葉を足した?)とは
 言えないけど
 あなた一人が(私の言葉を)聴いてくれたら
 もうそれでいい


 約束は誰かと作るもので
 誰かが頑張り屋で
 追い付けなくて離れて
 自分だけがまだ持ってる
 (約束は誰かと作るものだけど、その誰かは頑張り屋だから先に行ってしまって、もう追いつけなくなってしまった。
  自分だけがまだ果たせていない約束を持ってる。)

 明日に望まなくなったのは
 今日がその答えだから
 (今日は昨日の明日で、今日は昨日の望みを叶えられてはいない。だから明日には何も望まない)
 (明日に望む事を)諦めて(明日への希望を持たないことを)全部受け入れて
 でもはじっこに隠して(明日への希望を)持ってる

 滲んでも消えない
 ひとり見た桜
 (一人で見た桜は涙で滲んでいるけど消えはしない)
 眠りの入り口で
 手を繋いで見てる
 (何故なら眠りの入り口であなたと手を繋いで見ているから)

 (変わりたいと思うけど)変われなくて
 いつも戸惑うけど
 誰か一人が認めてくれたら
 もうそれでいい(変わらなくていい)


 過去からの声は何も知らないから
 勝手な事ばかり
 それは解ってる
 (勝手な事だとわかっているけれどそれでも未来の私に言いたい)
 未来の私が笑ってなくても
 あなたとの今を覚えてて欲しい
 (たとえ未来の私が笑っていなくても、あなたと過ごす今この瞬間を忘れないでほしい)


 心の始まりは(強くて)脆すぎて
 言葉には嫌われて(言葉を足しても上手くいかなかった)
 何をどうしたって手遅れで
 (心が)砕け散って(心を)終わりにした

 (心を)終わりにしたら(何かが)始まって
 (何かは)言葉も心も超えて
 ささやかな響きになって
 さよならの向こうへ
 (別れすら乗り越えた)


 (自分が嫌いで変わりたいのに)変われなくて
 いつも戸惑うけど
 誰か一人が笑ってくれたら
 僕はこれ(今の自分が)がいい


 未来のあなたが笑ってないなら
 (私が)歌いかける今に
 気付いて欲しい

 (なぜなら)
 (私が)未来の私を思い出せたら
 (私は)あなたとの今を忘れなくていい(から)

 →なぜなら、あなたとの今を覚えている限り、私は未来の私を思い出せるから。
 「未来の私を思い出す」……未来の私=未来への希望 どんな未来でも希望を抱ける ……ということか?
 →私はあなたとの今を覚えている限り、どんな未来だって乗り越えていけるから。




二人
 未来の私が笑ってなくても
 あなたとの今を覚えてて欲しい


 心の始まりは強すぎて
 言葉じゃ間に合わなくて
 足りないからどんどん足すから
 弱くなって終わりにした


 繰り返すことを疑わずに
 無くす事を恐れずに
 自分のじゃない物語の
 はじっこに隠れて笑った


 そうしなきゃどうにも
 息が出来なかった

 たいして好きでもない
 でも繋いだ毎日

二人
 あなたのためとは
 言えないけど

 あなた一人が聴いてくれたら

 もう
二人
 それでいい

M(Kコーラス?)
 約束は誰かと作るもので
 誰かが頑張り屋で
 追い付けなくて離れて
 自分だけがまだ持ってる

K(Mコーラス?)
 明日に望まなくなったのは
 今日がその答えだから
 諦めて全部受け入れて
 でもはじっこに隠して持ってる


 滲んでも消えない
 ひとり見た桜

 眠りの入り口で
 手を繋いで見てる

二人
 変われなくて
 いつも戸惑うけど

 誰か一人が認めてくれたら

 もう
二人
 それでいい


 過去からの声は何も知らないから
 勝手な事ばかり
 それは解ってる

 未来の私が笑ってなくても
 あなたとの今を
二人
 覚えてて欲しい


 心の始まりは脆すぎて
 言葉には嫌われて
 何をどうしたって手遅れで
 砕け散って終わりにした

二人
 終わりにしたら始まって
 言葉も心も超えて
 ささやかな響きになって
 さよならの向こうへ

 変われなくて
 いつも戸惑うけど

 誰か一人が笑ってくれたら

 僕はこれがいい


 未来のあなたが笑ってないなら
二人
 歌いかける今に
 気付いて欲しい

 未来の私を思い出せたら
 あなたとの今を忘れなくていい

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 私の気分は高揚していた。今日だけは、私がシルバーを独り占め! こんな日は、きっと滅多に無い。普段ならこういう予定は大抵断るシルバーがこうして来てくれているのは、『一日くらいあなたが無事だった事を祝わせて』と言ったのが効いたからなのかしら。でも真面目なシルバーからすれば、私達に心配をかけた埋め合わせのつもりなのかもしれない。それでも、やっぱり今日はシルバーを独り占め! なんて素敵な響きなのかしら。

「おい、クリス」
「なに? シルバー」
「……どこに行く気だ?」
「着けばわかるわ」

 訝しげなシルバーにくすり、と笑って私はシルバーの手を引いた。今日は手まで繋いでくれるなんて!
 うきうきしながら真昼間のコガネシティの繁華街を歩いて、着いたのは一軒のデザートショップだった。

「……ここか?」
「ええ」
「道理でそんなに嬉しそうなわけだ……」
「あら、シルバーだって好きじゃない、スイーツ。嫌いとは言わせないわよ?」
「…………」

 自分からは全然頼もうとしないのに、人が食べてるのを心底羨ましそうに見ているのを私は知ってる。
 更に今はカップルだと二人分の食べ放題が一人分の値段になるというセール中。前から一度は来たいと思っていた店だからこれは嬉しい。



 *

 初めて出会った日を、あなたは覚えているでしょうか。

 *

 大好きだから大嫌いだった


「どうして、キミなんだい」
 体を丸めて焚火の側で眠っているヒトカゲにルビーは語りかける。
 自分の最初のパートナー。けれどもそれ以上に、兄の相棒でもあった。


 *

 百葉箱の神様

 *

「ルーク様」
「フィン。俺はレプリカなんだ。俺は『ルーク』じゃあ、なかったんだ」
「そうですか」
「だからお前は、俺に仕えなくていい」
「……それは困りました。それでは私はクビですか」
「い、いや、そうまでは言わないけど……あれ?」
「ルーク様。今の私の仕事は、あなたに仕えることです」
「だから、それはっ」
「ですが、それは『ルーク』という名前の人間に仕える事ではありません」
「……えっ?」
「私が、あなたについてまわる身分しか見ていないと思いましたか? 私はあなた自身を見てはいませんでしたか? あなたにそう感じさせてしまったと言うのなら、私はあなたの使用人として大いに反省しなければなりませんね」
「フィン……」
「まだ言葉が足りませんか。つまりは、あなたがレプリカとやらであろうが何であろうが、私にとってそんなことはどうでもいいんですよ。私がお仕えしているのは、他の誰でもない、あなたです」
「……ありがとう、フィン。そう言えば、お前は記憶喪失になる前の俺――じゃない、『ルーク』に会ったことはないんだよな」
「ええ、その通りです」
「じゃあさ、今度『本当のルーク』……今はアッシュって名乗ってるんだけど、そいつを連れて来るから会ってみてくれよ。ちょっと気難しいところはあるけど、悪い奴じゃあないから」
「それは構いませんが……ルーク様、何をお考えですか?」
「……アッシュがここに戻ってきたら、俺は全部返さないといけない。俺はレプリカで、ファブレ家の本当の子供ではないから。あいつから奪ってしまった分を、全部。……フィンは父上に雇われて父上の息子に仕えているんだろ? 本当は、俺じゃなくてアッシュに仕えるはずだったんだ。だから……」
「それは無いと思いますよ。私は、あなたの話し相手として連れてこられたんですから。記憶を失われる以前のルーク様……アッシュ様とお呼びすればよいのでしょうか、もしアッシュ様が今もこの屋敷におられたのなら、私はきっとここにはいません」
「そうだったのか?」
「ええ。今思うに、旦那様はガイの事を知っていたのでしょうね。それなのに、予想外なまでにあなたが懐いてしまったから、慌ててガイの代わりになれそうな人間を捜したのだと思います。尤も、私はガイの代わりにはなれませんでしたけどね」
「ガイの事知って……ってなんでじゃあ雇ってたんだよ!?」
「何かお考えがあったのでしょう。それ以前に、これは私の推量であって事実ではありませんよ、ルーク様」
「あ、あぁ……そうだった」
「そういうわけで、もしもルーク様がファブレ家から縁を切られた場合、私もお払い箱になるのでしょうね」
「……ごめん、フィン」
「仮定の話ですよ。そうなれば、私は故郷に帰って母の仕事を継ごうと思うのですが……ルーク様も一緒に来ますか?」
「えぇっ!? ……使用人でもなくなったのに、まだ俺の世話なんてさせられないよ」
「あなたが公爵家の子息でなければ、私とあなたは友達ですよ。路頭に迷い困っている友達を助けるのは当たり前の事ではありませんか?」
「フィン……。……お前よくそんなことを恥ずかしげもなく言えるよな」
「どうやら減らず口が叩けるくらいにはお元気になったようですね」
「……うん。ありがとな、フィン。お前がいてくれてよかった」

 *

「家族になろう」
「僕たちが、か?」
「ああ。今まで俺たちの関係に名前を付けようとしてきたけど、どれも微妙に違ってた」
「兄弟と呼ぼうにも僕たちは他人で」
「友人と言うにしても俺たちは近すぎた」
「仲間や相棒という目的意識がある関係でもなくて」
「ただ俺は、お前と共にありたいしお前の幸せを願ってる。でも恋人でもないだろ?」
「だから家族、か」
「それが一番近いと思ったんだ。相手の幸せが自分の幸せになる、そういう相手は家族と呼べるんじゃないかって」
「それで僕はお前の家族だと?」
「ああ」
「そうか。なら……お前も、僕の家族だ」
「リオ……。改めて、よろしくな」

 *

『なんだか僕たちの爛れた関係と比べると、二人って……』
『でもやる事はやってるだろ?』
『王子ともやってたけどね! 不謹慎だ!』
『あいつも気付いてるっぽいのになぁ……。独占欲が薄いとか?』
『僕だったら口もきかない』
『知ってるよ、んなことは。俺だって怒っただろうなぁ』
『今となっては遠い過去の記憶だけどね』
『だな。今となってはただの剣だ』

 *

アスベル虐めが趣味(でも悪意はない)なリチャードの学パロ
・リチャードの家は超金持ち。警察とかに圧力を掛けることもできるくらい
・学園の不良どもの弱みを握りこんでパシらせる学園の頂点
・先生よりも強い
・アスベルはリチャードの親友
・リチャードを止める事ができる可能性(あくまでも可能性)がある唯一の人物。不良どもから崇拝されてる
・アスベルと付き合うと漏れなくリチャードが付いてくるため普通の子はちょっと遠巻きにしてるんだけど全然気にしてない。むしろ意図的に空気読んでない。そういう意味では神経の図太さはリチャード並
・ヒューバートは一つ下に在籍。

 *

 アスベルが中庭を歩いていると、空から水が降ってきました。一瞬でアスベルはずぶ濡れです。何があったんだろうとアスベルが上を見上げると、青いポリバケツが窓の中に引っ込んでいきました。
「あっはははは!」
 突然笑い声が聞こえてきました。でもアスベルは驚きません。ここに呼び出しされた時から、嫌な予感はしていたのです。
「リチャード……今日は何だ」
 水をポタポタと垂らしながらアスベルは笑い声の主――リチャードに話しかけます。
「ははははっ! アスベルの上だけに局地的な豪雨が降らないかと思って、お願いしてみたんだよ」
「今のは雨じゃなくてバケツの水だろ」
「上から落ちてくる水なんて雨と同じじゃないか。ふふっ、本当に絶景だったよ、アスベル」
 リチャードはにこにこと楽しそうです。いつものことです。アスベルは一つため息をつきました。
「制服がびしょびしょになったじゃないか。午後も授業はあるんだぞ」
「心配しなくても大丈夫さ。僕がちゃんと服を用意してきたからね」
「女子用の制服なら着ないからな」
 アスベルがぴしゃりと言い放つと、リチャードが首を傾げました。
「どうしてだい? とてもよく似合うと思うけど」
「俺が着たくないからだ」
「でもそれではアスベルが濡れっぱなしじゃないか」
「ヒューバートの体操着でも借りてくる」
 そういうとアスベルはくるりと身を翻して校舎へ向かって歩きだしました。その後ろを当然のようにリチャードが付いていきます。

「ヒューバート」
 前進びしょ濡れのアスベルは校舎ではとても目立ちます。弟の教室に着いて名前を呼ぶと、教室中の視線がヒューバートに集まりました。
「……どうしたんですか兄さん? 兄さんの頭上のみで局地的豪雨でもあったようになってますよ」
 自分と同じ発想をしたヒューバートにリチャードが爆笑します。
「概ね間違ってはいないな。で、服貸してくれ」
「犯人はリチャードですか。体操着でよろしいですか?」
「ああ、頼む。風邪を引きそうだ」
「ちゃんと体を拭いてくださいよ」
 慣れた様子でヒューバートがアスベルに体操着を渡します。アスベルは礼を言って、ヒューバートの教室を後にしました。

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「珍しいな。人間か?」
「ええ。最近、あたしじゃなくてシルバー目当てで入り浸っている子よ。失礼しちゃうわ」

「なあなあ、あの人誰?」
「ねえさんの……人だ」
「ブルーさんの人?」
「吸血鬼ハンターの人間だ。……一応」
「え? ハンターってやばくね?」
「実際は交渉屋……いや、詐欺師だな」
「はぁ」
「人間達からふんだくった謝礼を吸血鬼に回して新天地を斡旋している。俺たちもあの人の客だった」
「退治してねーじゃん」
「ああ。だが人間達の間では優秀な退治屋と思われているようでな。貰える謝礼がとんでもない額らしい。そしてその分吸血鬼に回る分も増える。その繰り返しだな」
「……お前達は何を貰ったんだ?」
「あの人の時を。ねえさんが気に入ったからな」
「時?」
「人間としての寿命、だな」
「使い魔になったのか?」
「いや、夜側に近付いただけで、まだ人間の範疇だ。
 それにしても随分食いつくな、ゴールド?」
「そりゃ、先輩みたいなもんだろ? 気になるじゃん」
「言っておくが、お前に同じことはせんぞ」
「なんでだよ? これでも結構お前に気に入られてると思うぜ?」
「俺達は退屈を友とする術を知っている。だが人間は知らないだろう。人間に永遠に近い命は耐えられない」
「何だよそれ、やってみなくちゃわかんねーだろ」


 *

「あら、可愛い子じゃない。食べちゃおうかしら」
「ねえさん」
「冗談よ。そんな怖い顔しないで、シルバー」
「ねえさんが言うと冗談に聞こえない……」

 *

「また来たのか、お前」
「いいじゃねーか、俺が好きで来てるんだからよ」
「お前達昼の住人と、俺達夜の住人は交わるべきじゃあない。わかってるだろう」
「わかんねーよ」
「ゴールド」
「そんなに来ないでほしいなら俺がそう思うような事すればいいじゃねぇか」
「今更何をしたって無駄だろ」
「わかってるじゃん」
「……はあ、好きにしろ」

 *

「結局シルバーの扱いってどうなってんだよ?」
「どうって?」
「あいつ、明らかに村から浮いてるじゃねーか。たいていの奴は遠巻きにするし。でもその割には嫌われてる感じはしねーんだよな。そこが納得いかねー」

 *

「って言うかさ、こんなに開かれてて大丈夫なのか? この村」
「? 何か問題でもあるのか?」
「だーかーらー、間引きの時期はヤバイだろ?」
「……『間引き』?」
「え、嘘だ。まさか知らねーの? 年に数回の、ポケモンが凶暴になる時期じゃねーか。間引きの時期はあいつら本気で人間を殺しにかかってくるんだぜ?」
「この辺りのポケモンが村の人間を襲うことはまずないぞ。せいぜい威嚇くらいだ」
「……まぁ、そんな言葉があることくらいは覚えててくれや」
「そうだな」

 *

ネタメモ
・白無垢を着た花嫁を見ていいなぁというクリス(サファイアか)
・ゴシルの別れ話。裏切り?
・ゴールドが吸血鬼な金銀(Sっ気な金/銀を軟禁?)
・シルバーが吸血鬼な金銀(銀は孤高の美人さん/金が押しかける)

 *

・優等生劣等生
・君は素敵な冥界に


「なぁクリス、本当に悪かったって!」
「……すまない」
「あなたたちねぇ、そのくらいで私が許すとでも思ってるの?」
「「…………」」
「私を置き去りにしてチュロスを買いに行った罰だわ。二人でダンボに乗って来なさい! 思う存分写真を撮ってやるわ」
「な、クリスそれは酷ぇって!」
「なんだったら一人乗りでもいいのよ?」
「……ゴールド、無駄だ」
「と・う・ぜ・ん、乗った後は外の記念撮影用のにも二人で乗るのよ?」
「…………」
「鬼だ……」

 *

 魔物が出てきたのは驚きはしなかったのだけれど。
『あああぁぁああ! アレクじゃないですか!!』
 まさか背中にシャルが突き刺さっているとは思わなかった。
 まずは周囲の様子をさっと窺う。魔物と出くわした事による緊張は感じられるが、シャルの声を聞いたそぶりは感じられない。突き刺さるような死霊遣いの視線は感じるのだが。こいつは俺を監視しているのか? 信頼してほしいとは思わないからどうでもいいっちゃあどうでもいいが、そこまでの不審の目を周囲に向けるのはやりすぎのような気がする。何をそんなに警戒しているのやら。
 何はともあれ、シャルの回収が第一だ。それだけを確認して魔物と向き合った。

 *

『ぼ、ぼぼぼぼぼ、坊ちゃーん!』
「……『ぼ』が多くないか?」
『本当に、本当に会いたかったんですよ!』
「今度はどこにいたんだ?」
『気が付いたら巨大な魔物の背中に刺さってました。だーれも僕を抜いてくれなくて、アレクがくるまで刺さりっぱなしだったんですよ!?』
「それはご愁傷様だな」
『本当に、淋しかったんですから!』
「ああ。……僕も、早くお前を手にしたかった」
『坊ちゃん……!』
「この世界の武器はどうも軟弱でな。今までに何本折ったかわからん。その点、お前なら心置きなく振るえるだろう?」
『坊ちゃんは武器の扱いが雑すぎるんです! なんで僕みたいな細剣で岩とか金属を叩き切るんですか』
「実際切れるんだからいいじゃないか」
『よ く な い で す !』
「ふーん。そうか、そこまで言うのなら……」
『え、あれ……坊ちゃん!? すみません撤回します僕が悪かったですだから置いて行かないでぇぇ!!』

「あいつらってホント見てて飽きないよなぁー」
『シャルもずいぶんギャグキャラになったもんだ』
「にしてもソーディアンって何であんなに頑丈なんだ?」
『かなり貴重な兵器だからそう簡単には壊れないようにしてんだ。コアクリスタルの強度は上げられないが、それ以外はベルクラントの直撃を食らっても平気なくらいには頑丈だな』
「それで刃毀れ一つしないんだからなぁ」
『ま、科学技術とレンズ工学の粋を集めた最高傑作だからな。ハロルドもソーディアンの開発には湯水のように金を注ぎ込んでたし。戦後は科学知識が一気に廃棄されたから、俺の知ってる歴史の中では本当にソーディアンが一番高度な技術が使われてるはずだ』

 *

「これは……譜石ですね」
「初めの方が欠けているのね。――これはっ!?」
「どうかしたのか、ティア、ジェイド?」
「いえ……どうやら個人の人生を詠んだ譜石のようなのですが、最後まで詠まれているようです――もう、故人のようですが」

 見つけたのはハイトの譜石。ルーク作成時にコーラル城にやってきたヴァンが詠んだもの。本人は存在を知らない。ディストが投げ捨てたせいで二つに割れた。

 *

「あぁ、そうだ。イオン」
「何」
「お前のレプリカに名前を用意してやってくれないか」
「なんで僕がレプリカなんかに?」
「お前でない奴をイオンとは呼べないだろうが」
「……」
「それで、何かいい名前あるか?」
「……シア」
「シア、か。随分あっさりと決まったな。由来は?」
「内緒だよ、カンタビレ」

 *

「いいえ、僕はあなたと同じ立場には立てません。
 ご存知の通り、僕は預言の上では既に死んでいる人間です。でも、今僕は生きています。だから世界は預言に支配されていません」
「だがその程度の歪みなど預言はものともしない」
「それはあなたの主観的な意見であって、事実ではない。違いますか?」
「……そう、かもしれないな。だが私は、この計画を成功させることが世界にとって最善だと信じている」
「僕だってあなたが何を信じるかを否定する気はありませんよ。ただ僕は、人一人の運命すらも決定できない預言が世界の運命なんて決定できるわけがない、と主観的に思っているだけです」
「本当に残念だな。お前とは上手くやっていけると思ったのだが」
「全くです。あなたのような人間を、全力で止めないといけないだなんて冗談じゃない」


 *

「二人は、『間引き』の原因について何か聞いた事があるのでしょうか?」
「さぁー?」
「ポケモンの繁殖期だから気が立ってるんじゃないのか?」
「そうですね。それが一般的に言われている事です」
「一般的……ってことはお嬢さまは違う意見なんだねー」
「『お嬢さま』はやめて下さいと言いましたよね、ダイヤ?」
「あ、ごめん。プラチナは違う意見なんだねー」
「ええ。繁殖期という考えには曖昧な点が多すぎます」
「と言うと?」
「まずは、本当にポケモンには繁殖期が存在するのかということ。過去の人工的にポケモンを飼育していた頃の記録を見る限り、ポケモンに特別な繁殖期はありません」
「それって人工的だからじゃないのか?」
「そのように解釈されていますが、野性のポケモンに繁殖期が存在するという証拠が見つかっていないのも事実です」
「へぇー」
「次に、間引きの前後で見かけるタマゴやポケモンの子供の数が減っているということ。この調査は、過去にあなた達にもお願いしたと思いますが」
「あぁ、そういえばそうだったねー」
「で、結局何なんだよ?」
「そうですね。私は、ポケモンが増えすぎると間引きが発生するのではないかと考えています」
「食べるものが無くなるから?」
「はい、おそらくは。間引きは増えすぎた人口を抑制するための、ポケモン達の本能なのではないかと」
「町じゃあ人間の数を調整してるって聞いたことあるなぁ。殆どの町には召喚士がいないもんね」
「俺も、結構納得がいく仮説だな。父さんとかには話したのか?」
「いいえ、もう少し論を詰めてから報告するつもりです」
「プラチナの説が正しかったとして、取れる対応は都市の人口削減か食料量を増やすことくらいだもんなぁ。どっちもしんどいから、反発は必至か……」
「具体的には荒野と森の境界線に植林をすることを提案したいのですが……」
「防衛隊の出動許可、下りるかなぁ?」
「それと荒野に木が生えない原因も調べないとな」
「おいら達だけでやっちゃう?」
「あー、確かにその方がいいかもな。間引きはこの前あったばっかりだし、しばらくは大丈夫だろ。どうする? プラチナ」

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・シチユウ編・ワニノコの話続き。
 言い訳(長い)
 七歳児の口調って何ですか……漢字の基準は一応基準は小学二年生までで習ったような気がする字です。でもシチユウって明らかに現代社会よりも成人するのが早い(私の認識では大学生はまだ子供)から、子供の成長具合もちょっとは早いのかなーとか思うと葛藤。もっと小4くらいでよかったかも。あと、かなへの開き具合が結構適当。「沢」に関してはひらがなにするとわけが分からなくなるので漢字で喋ってもらいました。それと地の文は結構固めのつもり。そうしたらさ、台詞のひらがなとの対比で幼く見えるかなーとか。問題はこのシルバー達と同い年のときにゴールドが町から追われてるのですが……大丈夫かなぁ? ああそれにしても流れが適当すぎる。でも携帯って長文打つのに向いてないんだよ! 見返しがめんどくさいから! シルバーとクリスとワニノコの心の動きをもっと把握するのと、地の文での時間調節が課題。

・アビス会話(ハイト+ラディウス)
 言い訳
 どっちもオリキャラなのにアビスに分類してごめんなさいでもこいつらは私の中ではアビスキャラなんだ……! とりあえずラディウスの口調はこんなのはどうだろうかという実験的な会話。

・シチユウ設定 間引き
 言い訳
 カイトの台詞長い。もうちょっとスマートな説明文が書けるようになりたいです。まぁ、間引きとそれによる背景設定はしっかり説明できたと思うんですけど……長い。読みたがる人がいるかどうか。あとかなりシリアスな設定ではあるなと思いますね。生と死。こういうのを混ぜないと捕食者と獲物の共生に納得がいかない自分が恨めしい。

・おまけ スペ ゴールド+シルバー
 但しこれよくよく考えるとゴールドが手料理をシルバーにご馳走してる構図なんですよね……

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 周囲に散らばる髪など無頓着にハイトは鋏を走らせる。思わず咎めようとしたガイの前で、切り落とされた髪が空気中に溶けていく。
「結構レプリカって便利でしょう?」
 言葉を失ったガイを振り返って、ハイトは苦笑した。
「? 便利って、何が?」
「掃除要らずだねってこと」
「うん? ……あぁそっか、普通は髪が残るもんな」
 自分の身から離された瞬間から形を保てなくなる自分の一部を眺めながら、なんてことはないようにレックが言う。
 それを恐ろしいと、どこかでガイは感じてしまった。
「……本当に、俺達とは違うんだな」
「まぁなー。けど大体は同じだから、一つ大目に見てくれよ」
 人間とよく似たそうじゃない生き物が知らないうちに側にいた、ということにガイは思わず身震いした。


「あれ、ガイはどうしたんだ?」
「びっくりしたみたいだね。さっき出ていったよ」
「早く慣れてくんないかなぁ。髪の毛ごときで驚いてたらこの先身が持たないと思うけど」
「未知の事を受け入れるのには時間がかかるものだよ、レック」
「そうかぁ?」
「研究所の皆は例外だって。あれは未知のものを見つけたら飛び付いて理解したがる人種じゃない」
「そっか」


*****

「レック……? レックなんだね?!」
 廊下の角を曲がってやってきた人影が見えた瞬間、どくんと心臓が鳴って、俺とその人以外が辺りから消失した。
 走ってくる。白衣を乱して、髪を揺らして。俺とそっくりな、顔で。心からの安堵の表情がそこにはあった。明らかに彼は俺を知っていた。それは俺をいくらか不安にさせるはずだったが、それでも俺はその不安を遥かに上回る喜びを確かに感じていた。俺はずっと、この人に会いたかった。俺はこの人を知っている。記憶からは失くなってしまっても、心が、覚えている。
「レック!」
 力加減も何もなく、ひたすらに強く抱きしめられる。それを何の抵抗も無く受け入れる自分がいる。彼の体温が嬉しくて愛おしくて、名前も付けられないような激情が沸き起こる。
「本当に、本当に心配したんだから……」
 ああ、と納得する。あの自分には慣れない名前はこの人のものだったのだ、と。誰よりも俺の事を愛してくれる、この人の名前だけは忘れなかった。例え自分の名すらわからなくなっても。
「ハイト」
 ぽつりと零した俺の声に、答えるように腕の力が強くなった。それからすぐに解放される。
「ごめん、びっくりしたね」
 ハイトは少し照れたように笑って、ようやく俺はここが研究院の真ん前だった事を思い出した。途端に恥ずかしくなって顔に血が昇る。それを見てハイトは声を出して笑った。
「とりあえず、部屋に戻ろうか」
 差し出された右手。果たしてそれを取っていいものかと俺は戸惑う。確かにこの人は俺が知っていた人だが、でもこの人について俺は何も知らない。記憶を無くした俺が、この人に歓迎されてもいいのだろうか。
「レック?」
 多分俺はレックというんだろう。でも俺には、記憶がない。この人が求めているレックとはきっと違う。
「僕が信じられない?」
 わざわざ俺を下から覗き込んでそう聞かれて、俺は咄嗟に首を横に振った。違う、そうじゃない。信じられないのは、自分自身だ。もう一度ハイトに緩く抱き寄せられる。
「大丈夫。大丈夫だから……」
 ね? と至近距離でハイトに笑われると、もう俺に抵抗はできなかった。問答無用で手を引かれ、そのまま歩き出す。俺の手を引く白衣の後ろ姿を見て、俺はこの人には一生敵わないに違いないと何となく思った。

 *

 研究室の扉が乱暴に開かれる。その衝撃で部屋自体が揺れて、ちょうどグラフを描いていた僕までも揺れた。むっときて首を捻って扉を見る。息を切らせた同僚と目があった。
「ハイト、レックだ!」
 言われた言葉の意味を理解した時には今までしていた事も忘れて走り出していた。
「どこ!?」
「受け付け!」
 開け放たれたままの扉をくぐり抜け、走行厳禁の廊下をなるべく静かに走る。受け付けに繋がる廊下を曲がると、足が一瞬止まった。
「レック……? レックなんだね?!」
 僕がそこには立っていた。正確には僕のレプリカだ。僕を見て目を見開いている。僕にとってかけがえのない、世界にたった一人しかいない僕の半身。やっと、帰ってきた。
「レック!」
 駆け寄って思う存分抱きしめる。腕の中のレックの存在を全身で感じ取る。ただただ、僕と同じである事に安堵する。
「本当に、本当に心配したんだから……」
 珍しくレックは身じろぎもしない。何かがおかしい。か細い声で名を呼ばれて、ようやく僕は思い出した。
 記憶だ。
 何故か超振動が起きてしまったあの時に、記憶を司っていた第七音素の混信が起きたらしかった。今僕にはレックの分の記憶もあって、つまりはレックには記憶が無い可能性が高い。今の今まですっかり失念していたが。
 僕の記憶を失ったレックはそれでも僕と似ているのだろうか。そんなことが頭を掠めた。
「ごめん、びっくりしたね」
 レックを腕から解放すると、しばらくしてから真っ赤になった。いつもならこれくらい平然としているのに、と思うと少し面白い。
「とりあえず、部屋に戻ろうか」
 手を差し出してみて、その手が空を切る事に驚いた。
「レック?」
 声をかけてようやくレックが不安げな顔をしている事に気付く。まだ、僕は他人なのだ。
「僕が信じられない?」
 レックの顔を覗き込む。レックはすぐに首を横に降って、それでもだんまりを決め込んだ。目が不安に揺れている。安心できるようにレックに笑いかけて、もう一度抱き寄せた。レックは拒む気配もなく、すんなり身を寄せた。
「大丈夫だよ。大丈夫だから……」
 強張った体から徐々に力が抜けていくのが分かった。最後にぽん、と頭を一つ叩いて、レックの手を掴む。
「さ、行くよ」
 まだ少し不安げな顔。それでもレックは、僕の手を取った。

*****

01.告白

 蝉が鳴いている。しかしそこだけは静まり返っていた。少年が何度も口を開き、そして閉じる。だが一瞬だけ蝉が鳴き止んだ、その時――。(63字)

(100210)

*****

 腕の下の上気した頬とか、少し乱れた赤い髪とか、うっすらと滲む汗とか。見る度に本当にこいつは綺麗だと思う。でもそれよりももっと綺麗だと思うのは、

「シルバー」

「何だ」

 こんな時でも意思の強い、涙で潤んだ銀色の瞳。名を呼べばそれを隠していた瞼がゆっくりと開いて、そこに俺を映し込む。

「綺麗だよ、お前」

「またそれか」

「そうとしか言いようがねぇんだ」

 真っ直ぐその銀色を覗き込む。だがすぐに視線は逸らされた。まだ、慣れてはくれないらしい。赤い髪を宥めるように撫でて、耳元で囁きを一つ落とした。

「続き、いいか?」

 俺の声から逃れるように身を少しよじって、それでもこいつは掠れた声で了承を答えた。そんな愛しい愛しい恋人に口付けを送る。
 夜はまだ、明けない。


(100210)
 言わなきゃわかんないだろうがポケスペのゴシル。シルバーは美人さんという事で。シルバーが好きで好きで参っちゃってるゴールドとまだあんまり自己肯定ができないシルバー。
 しっかしこの文は年齢制限いるのかね。いらないよねぇ?

*****

「馬鹿でも風邪は引くんだな」
「……るせっ」
「あまり騒ぐな。辛いのだろう?」
「んなこと、ねぇよ……」
「はぁ。……俺が離れればいいだけの事か。大人しくしてろよ、ゴールド」
「……っ。まて、よ」
「どうした?」
「いったら、やだ」
「……仕方のない奴だな。寝付くまで、だからな」
「おー」
「……」
「…………」
「…………」
「……シ、ルバー」
「何だ」
「……ひまだ」
「そうか」
「なんか、はな、せよ」
「注目の多い奴だな……」

(100213)
 あれ、シルゴ? この後はゴールドに反駁させて体力を消耗させないように、本当に下らない話を延々としてあげたんだろうシルバーは。
 後シルバーに看病経験があるのかと言うと、昔風邪引いた時にワタルに看てもらったことがあるようです。うん。

*****

 いくら野生ポケモンが凶暴化したシチユウでも、ポケモンが町を襲う事は少なかった。それは町に特別な何かがあるからではなく、町が人間の縄張りだとポケモン達には理解され、迂闊にちょっかいをかけると手酷いしっぺ返しをくらうとポケモン達は知っていたからである。だから、人間の縄張りだと思われていないような小さな集落は常にポケモンに襲われるという危険性を孕んでいた。そしてシチユウの人間の殆どが、そんな集落に住んでいた。

 季節は秋から冬にかけて。山の中の木々はすっかり丸裸になり、地面に落ち葉のカーペットが敷き詰められる頃。ざく、ざく、と音を立てて枯れ葉の海に足を沈める二つの人影があった。

*****

・スズシロ博士の指示のもと召喚士についてのデータを集める召喚士達
・ブラック
・ブラウン
・グレイ
・オレンジ
召喚士発生直後の召喚士達で、スズシロ博士に心酔。当然カイトとも知り合い。歳は20代後半~30歳前後くらい。召喚士歴は15年が最長。発現が早過ぎるシルバーは召喚士歴だけでいうなら彼らと同等。

・特に初めの頃の召喚士達は迫害が激しかったため、召喚士同士の繋がりが強い。

・町と呼べるほどの集落にはたいていその町を拠点とするベテラン(10年越え)召喚士がいる。ジムリーダーの感じ。彼らが周囲のポケモン達を適度に仕付けるおかげで町はほとんど襲われない。

・最年長の召喚士はウイルスを散布した年に17歳で能力発現した人。現在30歳と少し。

*****

「ゴールド?」
「今日は何もしねーよ。大丈夫か? 酷い顔してんぜ?」
「……お前にそんな堪え性があったのかと驚いてるだけだ」
「かーわいくないなぁ。そんな事言うなら襲うぞ?」
「一度言った事は守ったらどうだ」
「……お前、俺とやんの嫌い?」
「今はな。……普段はそうでもない」
「……可愛すぎだってのこの馬鹿野郎」
「…………」
「おーい、シルバー?」
「……」
「……寝てる」
「……」
「俺は眠れねぇよ……この馬鹿」
*****
 なんでゴシルってこんなんばっかり……。二人とも素直すぎて気持ち悪いorz

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オリキャラ
・フェイ(飛)→ごまのほうでお馴染み?の英国アシュレイの使用人夢主
・ロル→フェイのルームメイトの聾唖者

・英国
・VSにトリップしてしまったアレリオ(+リヴィとシャル)
・ハーツでのアレク
・アビス双子
・ハイトとジェイド。話している内容はすべて捏造です。設定のための会話
・オリジ? 何か。
・レムの塔ジェイドと双子。ハイトがブチ切れるのも考えてる。
・足掻くジェイドとハイト
・まさかのED後ハイト+ジェイド×2。ハイトの苗字すら適当に決めました。雰囲気をお楽しみください。
・レックとルーク×2。こいつらは同じレプリカ同士ひどく観念的な話をします。私のなかのレプリカってそんなイメージ。哲学的。
・オラクル階級整理。又の名をリオンの階級への伏線ともいう。

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大体炎の108星ネタとアビスオリキャラのハイトとレックがメイン。

※炎の108星→炎の英雄が天魁星な感じで108星。言ってみればオリジナル幻想水滸伝。誰かかっこいいダジャレ思いつきませんか。外伝とか異伝とかそーいう系で語尾に伝がついてかつ炎っぽいの。幻想炎滸伝?
※ハイト・レック→アビスにおけるPTインするオリキャラ。ハイトのレプリカがレック。キムラスカの王立アカデミー?(ナタリアが卒業してるとこ)所属の研究員で、瘴気の研究のためにアクゼリュスへの同行を申し込む。預言嫌いかどうかは検討中。ちなみに私の設定ではレプリカからは預言を詠めません。対外的には双子ということで通してるのでコンビ時はそれで表記しますね。
※シアン→4主 ヒエン→炎の英雄 ルイン→真風の先代の所有者  ネーミングセンスのなさをどうにかしてくれorz

・108星設定付キャラを羅列
・108星名前メモ
・ルインとシアン
・儀式の地でルイン参戦。黒尽くめ=ゲド
・4軸中の4主とグレン。ここら辺の話は後日まとめて数個あげるつもりです。
・腕のあとのシアンとスノウ
・ルインからルックへ。私の中でのルックは漫画版仕様
・双子とジェイド×2 現在の設定とは乖離してますが。イメージを。
・双子とルーク×2 双子はバチカルの孤児院の世話になっていた設定にするつもりでした。今はしらん。ちびっ子共と何のためらいもなく同じ精神年齢で遊びに混じれるレックと複雑な心境のルーク

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・TOD夢設定文×2
・FEED後?
・FE ネサリュシ……?
・英国夢主設定×2
・FEED後設定文
・TOD 天地戦争時代国考察

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天樹 紫苑
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